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悩んだらだれに相談する?

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悩み事があっても、誰に相談したら…という方も多いのでは?気分が沈んだ状態が長く続くと、心身に支障をきたしてしまうことも。精神科医と心理士ってどう違うの?費用はどのくらいかかる?どこに行ったら相談にのってもらえるの?など様々な疑問を、精神保健指定医でメンタルクリニックの院長でもある児島先生に教えていただきます!

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目次

悩んだら誰に相談したらいい?

悩み事があっても、気晴らしにスポーツしたり、旅行に行ったり、家族に話したりして自分の生活を保つことができていたら問題はないと思います。いろいろ試したけど不安で仕方がない、気分が沈んだ状態が長く続くというようなことがあれば第三者である専門家に相談した方がよいでしょう。

どんな専門家に相談する?

専門家と言ってもどんな専門家に相談したらいいのでしょう?ここでは精神科医と心理士の違いをご紹介したいと思います。

精神科医

精神科医師は医学部(6年間)を卒業、医師国家試験合格の後、2年間の研修を経て、自分の専門を選択します。内科や外科、産婦人科、小児科、耳鼻科などといった専門科目の1つに精神科があります。

精神科医は医師であり、こころ(精神)の病気を主に診ます。お話を聞くだけではなく、必要なら薬を処方し、状態が重い方を入院させることもあります。

心理士

心理士は文系の心理学科などを卒業(4年)後、大学院(修士課程2年)でさらに心理学を学んだ方が多いです。

1)臨床心理士(文部科学省)
2)労働カウンセラー(厚生労働省)
3)公認心理師 できたばかりの資格ですが、今後は主流に?
といった公的な資格がありますが、資格がなくても心理業務を行うことはできます。

勤務先は
1)病院・クリニックに併設された心理相談室
2)心理士本人が独立して開設している心理相談室。
3)児童相談所や学校の非常勤カウンセラー、企業のカウンセラーなど。

心療内科と精神科の違いは?

心療内科も精神科もこころの病気を診る科です。

心療内科

こころの悩みをもっていても精神科にかかるのには抵抗がある。できれば内科で診てもらいたいと思う患者さん。あるいは頭痛、めまい、背中の痛み、胃の痛み、下痢、動悸などの体の不調を訴えているけれど、もともと精神的なストレスから体の不調がみられる患者さん、いわゆる心身症などを主に診る科です。

内科医が精神科的な領域も診療しているというスタンスです。比較的軽症の患者さんを診ています。

精神科(精神神経科、神経精神科と標榜している病院もあります)

こころの病気を診断、治療する科です。主にうつ病、統合失調症など明らかに精神の病気と思われる患者さんを診ています。

「内科や耳鼻科に行ったけど、めまいがなかなか治らない」、「動悸がして救急に運ばれたけど内科医に異常はないと言われた」、「内科医に下痢が続くのは精神的なストレスが原因だから精神科に行きなさいとすすめられた」、というようにして最終的に精神科にたどり着く方も診ています。

心療内科を主専攻している医師の数はそれほど多くはありません。最近では、精神科を専攻した医師が、患者さんが受診しやすくするために心療内科・精神科と両方併記して標榜している病院・クリニックが多くなっています。

心理士に相談するには?

心理士は様々な場所で活躍していますが、病院・クリニック併設の心理相談室で働いていることが多いと思います。

医師のような医療行為はできませんが、心理相談、心理検査に関してはより深い勉強をしています。

医師と比べて相談時間を長くとり、じっくりと話をきいてくれます。医師の多くは心理学的検査を心理士に依頼して、医師でないとできない業務になるべく専念するようにしています。

まず、心理士に相談した方が良い方

「それほど悩みは深刻でないけど、専門家に一度話を聞いてほしい」という方は、心理士による心理相談を受けることをお勧めします。そこで、心理士がもし医師の診察が必要と判断すれば、精神科医師を紹介してくれます。

初めから精神科医師による診察を受けた方が良い場合

ストレスによる、不眠、食欲低下、胃痛、頭痛、動悸、めまいなど、からだの症状が出てきている方、気分の落ち込みが深刻な方は直接、精神科医師を受診していただいた方がよいと思います。

医師が診察していく過程で、心理士にじっくりと心理相談をしてもらったほうがよいと判断すると、医師から心理士を紹介することもあります。そのために医師の診察と、心理士による相談を同時に受けていくこともあります。

カウンセリングとは?

心理士による相談も、医師による相談もカウンセリングと表現できます。しかし、現在の日本では、「カウンセリング」と言うと主に心理カウンセリングのことを指し、心理士による相談(カウンセリング)のことを指していることが多いと思います。

費用は?

基本的に医師による診察は保険診療が適応になり、3割の負担。診療の内容やお薬により変わります。

心理士による相談は全額自費診療となり、50分で5,000円~10,000円くらいが標準的です。

心理学科のある大学では心理相談室を大学外にも開放しているところがあり、そこでは1,000円から3,000円程度と比較的低い負担で相談にのってもらえます。初回は大学講師の講師の先生が聞き、2回目以降は大学院生が相談にのることが多いようです。

ちょっと気になる症状がある、誰かに相談したいと思ったら、検索サイトで「心理相談室」「心理カウンセリング」 「精神科」「メンタルクリニック」にお住いの地名を合わせて検索してお近くの心理士または精神科医師に相談してみてください。



この記事のライター

児島一樹

1992年 岐阜大学医学部卒業後、岐阜大学付属病院、岐阜市民病院、大雄会病院、岐阜病院、バンコク病院などを経て、2005年美しが丘メンタルクリニックを開設。精神保健指定医、認定産業医。職場のメンタルヘルスが専門。

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