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日本ではJHDACさんというNPO法人が活動している、癌などを患った子供たちへ髪の毛を寄付する『ヘアドネーション』。ヘアドネーションの意味って?寄付できる髪の毛は?どうすれば寄付できるの?髪の毛以外にも支援できる方法は?等、この活動に深く共感されている美容師の阿波連さんが詳しくおしえてくださいます。
僕が初めてヘアドネーションのことを知ったのは2014年の夏。
海外の金髪の4歳の女の子がディズニー映画に出てくるラプンツェルに憧れて大切に伸ばしていた自慢の髪の毛をバッサリ切って、癌などで髪の毛を失った子供たちへ寄付したという記事を見た時です。
彼女が自慢の髪の毛を寄付しようと思った理由は、病気で髪の毛がなくなった女の子にも自分と同じようにお姫様になった気分を味わって欲しいから。
彼女がとった、髪の毛を寄付する行為が『ヘアドネーション』
いろんな意味で衝撃でした。
そして美容師でありながらこの時に初めてヘアドネーションという活動を知った自分がとても恥ずかしく感じました。
キレイになりたい想いをかたちにするのが僕ら美容師の仕事。
小さい女の子がお姫様みたいなロングヘアーに憧れる気持ちって一度はみんな持つと思うんですね。
それは病気で髪の毛を失った子だって同じ。
もしかしたら叶い難いぶん憧れはもっと強いかもしれない。
だから少しでもチカラになりたい。
先ほどの記事を読んでいてもたってもいられなくなった僕は、そのまますぐに日本でもヘアドネーションの活動をしている団体はないかと検索したところ、日本でもJHDACさんというNPO法人が活動をしていると知り、すぐさまコンタクトをとりご協力させてもらうことにしました。
ただでさえ小さい身体で病と闘っている子供たちに髪の毛を通じて少しでも笑顔になってもらえたら嬉しい。
今回は…
そんな気持ちで参加協力させていただいている『ヘアドネーション』についてお話しさせてください。
ヘアスタイルって毎日の生活の中でとても大きいものだと思うんです。
朝起きて寝グセがついていたら必死で直すし、上手にスタイリングできた日は1日いい気分。
今度はどんなカラーにしようかなー、次はショートにしてパーマをかけてみようかなーとか考えるのも楽しい♪
でも、それって「髪の毛がある」から出来ること。
しかし世の中には様々な理由で髪の毛のない子供たちがたくさんいるんですね。
例えば小児ガンや無毛症、先天性の脱毛症、不慮の事故などで髪を失ってしまう等。
そんな子供たちに、医療用ウィッグ制作の材料となる
Hair(髪)をDonate(寄付)する。
それが、ヘアドネーションという活動です。
もともとはアメリカの団体(Locks of Love)などが行っていた活動でしたが、日本でも2009年に『NPO法人Japan Hair Donation & Charity』(通称JHDAC:ジャーダック)が立ち上がり以前よりも簡単に寄付ができるようになりました。
日本ではあまり認知度の低い活動でしたが、最近メディアなどで取り上げられることも増えてきて少しずつ認知度が上がってきているので嬉しいですね。
どんな髪の毛でも寄付できるのかというとそうではありません。
医療用ウィッグを作ることが目的なので、ある程度の長さが必要になります。
JHDACさんでは31㎝以上の髪の毛を募集しています。(Locks of Loveは10インチ、約25cm から受け付けてくれています)
『カラーやパーマで傷んだ髪の毛でも大丈夫?』
という質問をされたりしますが、極度の痛み(引っ張ったら切れてしまうくらい)じゃなかったら大丈夫です。
もちろん、クセや白髪まじりでも問題なく寄付していただけます。
というのも、寄付された髪の毛はそのまま使うのではなく、たくさんの方から集まった髪の毛の質を均一にするトリートメント処理を施すので、痛みや髪質を問わず寄付できるのでご安心くださいね。
ウィッグに使用できる条件
1.長さが31cm以上あること。
2.完全に乾かしてあること。
3.切り口を輪ゴムなどでしっかり束ね、同じ人の髪を一つにまとめてあること。
4.引っ張っても切れない髪の毛。(カラーやパーマをされていても、特別なトリートメント処理を施して髪質を整えています。)
1.ご自宅でご自身でカットする
ご自身でカットした髪や、以前にカットしたりしてご自宅で保管していた髪の毛でも寄付をすることができます。
2.お近くのJHDAC賛同美容室でカットする
JHDACの賛同美容室であればヘアドネーションに慣れているのでスムーズに話が進みますし、切った髪の毛をJHDAC宛に郵送までやってくれるところがほとんどです。
その他にも美容室ごとにサービスを提供されているお店もあるので、下記リンクからお近くのサロンを探してみてください。
ちなみにVoguA(うちのサロン)では、ヘアドネーションをしてくださった方にカット料金を10%OFFとトリートメントのサービスをさせていただいています。
3.いつも通っている美容室でカットする
やはりいつも通っているサロンだと安心ですよね。
もし、行きつけのサロンが賛同美容室でなかった時は、JHDACのサイトなどを見せてカット方法などの詳細をお伝えください。
せっかく切ったのにヘアドネーション出来ないと悲しいですからね。
しかしサロン側の事情により時々お断りされてしまう事があったりするらしいので、事前にお電話などで相談してみると良いかもしれません。
病気で髪の毛を失った子供たちに送るため1つの医療用ウィッグを作るのに約10万円の費用がかかる為、JHDACでは寄付金も受け付けています。
賛同美容室には募金箱も設置されていると思いますので、髪の毛の寄付はできないけど何か協力したい!と思ってくださる方は募金で協力していただくことも可能です。
そして何より、『ヘアドネーション』という活動をより多くの方に伝えてもらって、たくさんに人に知って頂くこともとても重要な支援だと思いますので、お友達と髪の毛の話になったときなどに話題のひとつに挙げていただけたら嬉しいです。
『18歳以下』であれば無償で提供を受けることができます。
2017年1月までで
2009年の設立より、141体のウィッグが子供たちに提供されていて
現在ウィッグの順番待ちをされている人数が123名となっています。
詳しくはJHDACさんの『Onewigを申し込みたいあなたへ』のページを参照してみてください。
あくまでも僕個人の意見です。
僕はこの活動を知った時に、これは美容師が動くべき事だと思いました。
なぜなら闘病だけでも大変な子供たちに髪の毛のことで悲しい思いをして欲しくないから。
少しでも髪の毛に対して諦めて欲しくないから。
ヘアスタイルで可愛くなりたい、かっこよくなりたい、を叶えてあげたいから。
それがぼくらの仕事の役割だと思うんです。
まったくの想像ですが、31センチ以上髪の毛を切るお客さまって全国の美容室で1日に100人はいるんじゃないかと思うんですね。
その髪の毛が全部寄付されたら、あっという間にウィッグを待っている子供たちにゆきわたると思うんです。
うちのサロンが始めた2年前よりはずいぶん増えてきたとはいえ、まだまだ賛同美容室が少ないのが現状。
もっとこの活動の認知度が上がり賛同してくれる美容室の数が増えて、行きつけのサロンで気軽に寄付ができるようになったらいいなと願っています。
そして言葉は良くないかもですが、髪の毛を寄付してくださった方が『犠牲』になるのではなく、「切って良かった♪」って楽しい気分になってもらえるようなステキなヘアスタイルを作って行きたいなと思っています。
最後に、実際にヘアドネーションをする時の様子を知ってもらえればと思うので
女優の水野美紀さんがヘアドネーションしてくれた時の僕のブログを貼っておきますので、お時間ゆるす時にでも見てみてくださいね。
全国の闘病による髪の毛のことで悩んでいる子供たち
微力ながら美容師のおっちゃんも応援してるからねー!!
この記事のライター
阿波連大竜
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美容師が好きがゆえ、オーナーにならずに美容師として生きていく道はないかと模索しながら様々なタイプのサロンを渡り歩く。その傍らヘアメイクの講師を務めていたデザイン系の学校が代官山に新しくヘアサロンをオープンさせる事になり立ち上げから参加。店舗責任者を任せられる。二年後、ここらで独立したらなんだかワクワクしそうだなという思い付きのみで2008年、代官山に自身のサロン『VoguA』をオープン
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