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【「京都モダン建築祭」2026】安藤忠雄の名作「TIME'S」に建築の発信基地「京都建築センター」誕生! 非公開の文化財を特別開放する9日間、事前レポート

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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【「京都モダン建築祭」2026】安藤忠雄の名作「TIME'S」に建築の発信基地「京都建築センター」誕生! 非公開の文化財を特別開放する9日間

著名建築家の作品や通常は非公開の建物に入れる「建築祭」が全国的に人気を集めている。明治から現代のモダン建築が数多く残る京都で開催される「京都モダン建築祭」も2026年で5周年を迎える。今回行われる新しい試みも含め、どんな建築祭になるのか現地で話を聞いた。

5周年を機に「京都モダン建築祭」をアップデート

2014年から開催されているイケフェス大阪(生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪)をはじめ、東京建築祭、神戸建築祭など各地で広がる「建築祭」。2022年に始まった「京都モダン建築祭」は、共通参加券を買えば対象の建築を巡れる「パスポート公開」(事前申込不要(※)・自由見学)や「限定ガイドツアー」(有料)といった独自のスタイルで人気を集めてきた。

※一部建築で見学時間指定のオンライン整理券が必要な場合あり

5年目を迎える2026年の開催に先立ち、「鮒鶴京都鴨川リゾート」にてキックオフミーティングが実施された。今回はどんな内容になるのかレポートする。

キックオフミーティングの様子

キックオフミーティングの様子(筆者撮影)

会場となった鮒鶴京都鴨川リゾート

会場となった「鮒鶴京都鴨川リゾート」は、大正末期に建てられた元料亭旅館「鮒鶴(ふなつる)」を結婚式場やレストランにリニューアルしたもの。堂々とした五層楼閣純和風建築は国の登録有形文化財(筆者撮影)

2026年10月31日~11月8日(前期:10月31日(土)・11月1日(日)、後期:11月7日(土)・8日(日))に開催される今回は、規模も拡充して、全13エリア61件のパスポート公開と約120件のガイドツアーが実施される。また、行って見学するだけでなく、滞在したり、見聞きして理解を深めたり、周辺の飲食店等と連携したメニューを味わったりなど、多層的な建築体験ができるようにアップデートされる。

さらには、5周年記念の特別イベントとして、「東山大茶会」と「安藤忠雄氏スペシャルトーク」などが予定されている。

「東山大茶会」(※現在、運営費をクラウドファンディング中)とは、大正時代(約100年前の1921年)に4日間にわたり、京都の東山一帯で催された大茶会で、これを令和に復活させる特別イベントが行われる。11月3日にパビリオンコート(旧粟田山中邸)を舞台に1日限りの特別イベントを開催するほか、名建築・名庭での茶会などさまざまなプログラムが展開される予定だ。

さて、安藤忠雄氏と京都モダン建築祭の関係については、次で詳しく説明しよう。

安藤忠雄氏設計の「TIME’S」路面フロアに「京都建築センター」を開設

安藤忠雄氏といえば、だれもが知る世界的な建築家だ。いまでこそ大型の公共建築を多く手掛けているが、当初は住宅や小規模な商業建築を手掛けていた。そのころの代表的な作品と言えるのが、京都の中心地にある商業施設「TIME’S」だ。

安藤忠雄氏の代表作TIME’S

安藤忠雄氏の代表作「TIME’S」(三条小橋より筆者撮影)

高瀬川の川面に極限まで近づいて張り出したテラス

高瀬川の川面に極限まで近づいて張り出したテラス(筆者撮影)

安藤忠雄氏の代表作TIME’S

路地のような空間があちこちにあり、回遊路をつくっているのも「TIME’S」の特徴(筆者撮影)

この「TIME’S」が京都モダン建築祭のパスポート公開に新たに加わるというだけでもニュースなのだが、さらに注目したいのが、その路面フロア部分に「京都建築センター」が開設されることだ。“建築センター”は、シカゴなど欧米ではよく知られた存在で、一般市民や観光客に対して、街の建築を巡るツアーやその地の建築史を紹介する展示などを行う常設の施設だ。開設される京都建築センターは、年間を通じて京都の建築文化を発信し、ガイドの養成まで手がける日本初の試みとなる。

すでに8月5日にプレオープンし、京都モダン建築祭のパスポートやグッズの販売など、建築祭の拠点としての活動を始めているが、9月2日にはギャラリーやライブラリースペースを含むセンター全体を本格オープンすることになっている。

オープニング特別展として、「時がかたちづくる建築 -TIME’Sと安藤忠雄-(Time-Shaped Architecture: Tadao Ando and TIME’S)」も開催される。こうしたかかわりもあって、今回、安藤忠雄氏のスペシャルトークイベントが開催されるというわけだ。

京都建築センター

(画像提供:京都建築センター)

オリジナルグッズ

オリジナルグッズ(画像提供:京都建築センター)

筆者は、キックオフミーティングの翌日に、「TIME’S」を見せてもらった。建築センターはまさに工事中であったが、高瀬川の流れに手を入れられるような距離感や京都の町家のような奥行きの深い建物の構造など、その斬新さに目を奪われた。安藤忠雄氏の設計思想がうかがえるこの場所で、京都の建築文化を発信する拠点ができたことに、大きな意味を感じた。

なお、京都建築センター内部の空間設計は、2025年大阪・関西万博で休憩所4「earth/roof」を手がけた建築家のMIDW architects(服部大祐+服部さおり)とstudio arche(甲斐貴大)が担当した。センター内の空間も満喫したいものだ。

京都モダン建築祭の「パスポート公開」初の建築も多数

さて、京都モダン建築祭に話を戻そう。「TIME’S」だけでなく、パスポート公開で初参加という建築をいくつか見せてもらった。

まず、「京都ハリストス正教会」を紹介しよう。1903年(明治36年)に成聖祈祷が執り行われた 本格的な木造正教会聖堂で、京都府技師・松室重光が設計した。戦争の空襲で多くの木造建築が失われたなか、木造の洋風建築が都心部で残っているのは、京都ならではのことだという。現存する正教会の本格的な聖堂としては日本最古のものだ。

典型的なロシア・ビザンチン様式

八角塔の奥にタマネギ型ドームがある、典型的なロシア・ビザンチン様式(筆者撮影)

聖堂内部には、ロシアから運ばれた祭具や大小30のイコン(聖像画)で埋め尽くされたイコノスタス(聖障)も残り、国の重要文化財に指定されている。

聖堂内部

シンプルなステンドグラスも美しい聖堂内部(筆者撮影)

次に、「同志社女子大学」を紹介しよう。見どころは、今出川キャンパスに残る、武田五一の設計によるジェームズ館と栄光館(武田五一の設計した3館のうち静和館は現存しない)。いずれも国の登録有形文化財だ。

2館には赤煉瓦の外観に統一感があるが、ジェームズ館は、煉瓦造の1914(大正3)年の建築。一方、栄光館は、鉄筋コンクリート造の1932(昭和7)年の建築。ジェームズ館と異なり、赤い煉瓦はタイル張りとなっており、中央正面玄関のバルコニーや張り出した軒など鉄筋コンクリート造ならではの特徴を見せている。

同志社女子大学・栄光館

大きな八角塔屋が特徴の同志社女子大学・栄光館(筆者撮影)

また、栄光館の講堂(ファウラーチャペル)は、今も礼拝や式典などで使われているが、広大な空間と内部装飾の美しさには目を見張るものがある。

栄光館の講堂

パイプオルガンを有する栄光館の講堂(筆者撮影)

ほかにも、「宮川町歌舞練場」や「重信会館」など、初参加の建築が多数あるのも楽しみな点だ。

ガイドツアーの申し込みが9月4日より開始

有料・定員制のガイドツアーの申し込みも9月4日から始まる。今回は、任天堂旧本社の「丸福樓」や重要文化財の「長楽館」に宿泊するプランもあるほか、キックオフミーティングの会場となった「鮒鶴京都鴨川リゾート」の館内ツアーなど、多彩なツアーが用意されている。どんなガイドツアーがあるか早めにチェックして、申し込みに遅れないように気を付けよう。

丸福樓の玄関ホール

丸福樓の玄関ホール(スペード棟)。奥に向かって、安藤忠雄氏設計の新築棟を含む4棟が連なり、それぞれにトランプにちなんだ名称がつく(筆者撮影)

任天堂の理念や哲学を表現したライブラリーdNa

任天堂の理念や哲学を表現したライブラリー「dNa」は宿泊客専用(筆者撮影)

さて、京都モダン建築祭は、前期(10月31日・11月1日)と後期(11月7日・8日)で公開される建築が変わったり、期間中に講演会、ワークショップなどのイベントやパスポート特典などが用意されていたりするので、事前にしっかり計画を立てておきたい。

建築祭は「祭」と名がつくだけに、建築に詳しい人だけでなく、一般の人が建築を楽しめる仕掛けが用意されている。多くの人が、建築に親しみ、理解を深めることで、優れた建築を後世に継承していくことの大切さを知ってもらう機会になると期待している。

●関連サイト
「京都モダン建築祭」公式サイト
「京都建築センター」公式サイト

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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