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東日本大震災から約1年、仙台市の推計人口は2011年6月以降増加傾向が続いている。ほかの自治体の被災者や復興業務の応援部隊の転入が主な要因とは言われるが、11月に初めて105万人を突破、震災前より0.55%以上増えた。宮城県内の一戸建て住宅を含む建築物をみると、2011年8月~12月に着工した県内の建築物(住宅や店舗、事務所など)は前年の同時期に比べ138.9%(宮城県調べ、2012年1月13日河北新報朝刊)と、建築ニーズが急増している。また、仙台圏の分譲マンションは、震災後にニーズが高まり、即日完売物件が出たり、市場に残る中古マンションの数も大量に減少した。
震災後のニーズを後押しする、駅近のマンションが登場そんな状況のなか、宮城県で震災後初となる、宮城県外のデベロッパーによるマンションの販売を今春スタートすることが発表された。今、マンションデベロッパーは震災後の宮城県のマーケットをどう見ているのか、また物件のこだわりや特徴はどんなところか、株式会社新昭和のマンション事業本部マンション課長、後藤順一さんに話を聞いた。
株式会社新昭和が手がける仙台圏第一弾のマンションはJR仙台駅から約1.65kmにある13階建ての「ウィザースレジデンス北四番丁通」。「実は、東日本大震災の前から仙台の土地を購入しプロジェクトを進めていました。そこに、震災が起きてしまいました。仙台市は東北一の大都市で、都市機能も充実し自然の良さもあり暮らしやすい場所。今後、ポテンシャルを取り戻し、むしろ震災をきっかけに災害に強く住みやすい街に成長することを期待しています。私どももマンション分譲を通じて復興のお役に立てればと思っています」と後藤さんは語る。まだ告知は始まったばかりだが、メールでの資料請求もあり、仙台市中心部に住む方を中心に反響があるという。
「二度とあんな悲しい思いはしたくない、という気持ちは誰でも潜在的にあると思いますので、長く安心・安全に住める設計、仕様にこだわっています。特に免震構造はやっておくべきことと捉えています」と話すように、震災後、地震の揺れを吸収、分散し建物に伝えず二次災害を最小限に抑える免震構造に対する関心は高まっている。「地震の際に復旧が早くお風呂や調理ができて日常生活を取り戻すことが早かった、オール電化を求める声も多いですね。そのほか、防災備蓄庫に万が一の際に利用できる生活用水を準備しますし、共用部で太陽光発電やLED照明を採用するなど、地球にやさしいエコも積極的に取り入れています」と語る。JR仙台駅まで歩いて行ける都心立地も帰宅難民にならないためのポイント。また、宮城県外の会社だが、アフターサービスは関連会社が担当するという。
「仙台圏ではこれからマンションの需要が増える可能性は高いと思います。私どももいい土地が手に入れば、仙台に限らず東北で分譲マンションを検討したいと思っています」と語る。
今後、仙台圏では、より安心・安全で、災害に対処できる要素を導入した、よりよいマンションが分譲されるとともに、より住みやすく付加価値の高い街に成長していくのではないだろうか。
※ 写真は「ウィザースレジデンス北四番丁通」。夜景(現地から約110mより、2011年12月撮影)に外観完成予想図CGを合成したもので、実際とは多少異なります。
■ウィザースレジデンス北四番丁通
HP:http://www.e-pines.com/kitayobancyoutoori/
この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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