/
芥川賞を受賞したデビュー作「限りなく透明に近いブルー」や「コインロッカー・ベイビーズ」などで知られる作家の村上龍(むらかみ・りゅう、本名龍之助=りゅうのすけ)さんが17日、自宅で死去した。23日、所属事務所と幻冬舎が発表した。74歳だった。葬儀は家族葬で行われた。村上さんが本紙に特別寄稿したコラム「悪魔と天使の瞬間(とき)」を担当した藤原邦充記者が、村上さんを悼んだ。
サッカー担当になって初めての海外取材はバンコクだった。2005年6月8日、ドイツW杯アジア最終予選の日本対北朝鮮。無観客開催のスタジアムで、隣には村上龍さんがいた。観戦記「悪魔と天使の瞬間」の担当だった。
試合前、夕日を浴びるスタンドで「あの太陽の方角分かる?」と質問された。どう返事をしたのかは忘れたが、ネットで必死に調べた記憶はある。
無観客といいながら、周囲には北朝鮮の応援団がいた。関係者として入っていたのだろう。周りが応援をするので、村上さんも遠慮をすることなく日本を応援していた。試合は2―0で日本が勝った。
原稿はスタンドに座ったまま書かれ、瞬く間に完成した。記憶メモリーに入れて渡され、自分のパソコンに読み込み、そのまま会社に送信した。デスクから、原稿には一切触るなと言われていた。芥川賞作家の原稿を触る勇気など、ぺーぺーの記者にあるはずもない。ただ、村上さんと一緒に見た夕日の赤さだけは覚えている。
この記事のライター
スポーツ報知
29
スポーツ報知が運営する公式アカウントです。芸能・エンタメをはじめ、大谷翔平選手に関するMLBの最新情報ニュースをお届けします。
エンタメの人気ランキング
新着
公式アカウント