更新日:2024年4月23日 / 公開日:2024年4月23日
「桜島をはるかに見渡し、湯浴み小屋でうるおう宿」をテーマとした、鹿児島県にある星野リゾートの温泉旅館「界 霧島」に、俳優でフォトグラファーの染谷ノエルが訪問。そこでの体験を2回にわたってレポートします。2回目はご当地楽「天孫降臨ENBU」、芋焼酎の魅力を知る「本格焼酎ディスカバリー」など、「界 霧島」で体験してきたアクティビティの紹介です!
【ご当地部屋や豪華な夕食を紹介した1回目の記事はこちらから】
翌朝は朝食前に、外で開催される現代湯治体操に参加します。外なので少し寒いのですが、身体を動かしているうちにお腹あたりがポカポカしてくるのを感じます。ウグイスの声もよく聞こえます。鳥の声を聞きながら、風を感じながら、スタッフの声に合わせて深呼吸。
そして天孫降臨の神話を題材にした、「界 霧島」オリジナルの体操が3つ続きます。天孫降臨のポーズ、降臨地を探すポーズ、天孫くつろぎのポーズ、と体操を楽しんでいると、お腹がグー。この後の朝食がさらに美味しく食べられそうです。
界 霧島の公式サイトをチェック >その土地の食文化を感じられる界ブランドの「ご当地朝食」。「界 霧島」では、鹿児島県の郷土料理である「さつま汁」を中心とした和食膳をいただきます。まずは、食欲促進の効果が期待できるりんご黒酢を、目覚めの一杯としてゴクリ。
さつま揚げは、好みの焼き加減になるまで自分で焼いて、いただきます。アツアツで香ばしいさつま揚げは、いつもと違った美味しさがあります。
卓上に用意された木箱を開けると、箱いっぱいに入った鰹節が。
白いご飯に鰹節をたっぷり載せて、薩摩醤油を垂らしていただきます。鰹節をたくさん載せられるように、お茶碗も少し大きめなのだそう。
朝食のメインとなるさつま汁。鹿児島県の郷土料理で、鶏肉を使った具だくさんな味噌汁です。鰹節をこのさつま汁に入れて食べるという人もいるのだそう。朝からご当地の恵みをたっぷりと味わい、パワーチャージ!
ご当地の文化を体験できる、界ブランドのご当地楽。「界 霧島」で体験できるのは、「天孫降臨ENBU」です。
スタッフが天孫降臨の一部のストーリーを、太鼓と神楽鈴を使い、躍動感ある舞で演じます。起承転結の4部構成になっていて、話の舞台が暗闇の世界の地上になったり、光満ち溢れる世界の天上になったり、切り替わっていきます。
鈴の演奏シーンでは、神秘的な声と鈴の音が優しく、美しく共鳴します。
クライマックスに向けて観客も一緒に手拍子をしながら、会場全体が盛り上がっていきます。
舞台との距離がとても近く、太鼓の生演奏の迫力がすごいです。この体に響きわたる感覚を、ぜひ体験してください。
九州にある界ブランドで体験できる「本格焼酎ディスカバリー」。初めて焼酎を飲む人でも気軽に楽しめる2つのコンテンツ「ご当地焼酎カクテル」と「ご当地焼酎プログラム」で、焼酎の奥深い世界に一歩踏み出せるアクティビティです。
「界 霧島」の会場はビューテラス。素敵な景色を眺めながら、芋焼酎についての説明を聞きます。オプションとして追加できる『だれやめセット』では、アルコール3%のアイス最中もいただけるのですが、これがとても美味しい!
次に出てくるのは、ビンの中に入った16種類の焼酎。香りでどの焼酎なのかを当てようというゲームです。なかなか嗅ぎ分けるのが難しいのですが、友達や家族と一緒に考えるのも楽しい時間です。
ご当地焼酎カクテルは「芋焼酎と霧島抹茶のカクテル」。フルーティーさが特徴的な芋焼酎を霧島抹茶や柑橘と合わせた、爽やかな味わいの一杯です。霧島高原の新緑の風景をイメージした緑色と、夕日を表現したオレンジ色のコントラストが、背景によく映えます。
このカクテルはまろやかで、お酒の強くない私でも飲みやすかったです。景色を楽しみながら、ゆっくりといただきます。
宿泊する部屋で「茶一杯(ちゃいっぺ)」を体験。「ちゃいっぺ」とは、鹿児島県の言葉で「お茶を一杯」を意味する、お茶処ならではの方言です。桜島を見ながら、霧島茶とお茶菓子を、可愛らしい茶器と共にいただきます。
今回いただいたお茶菓子は「界 霧島」から眺められる桜島に見立てたもの。これから新緑へと変わっていく様子を表現していて、ピンク色は桜をイメージしているのだそう。季節を表現する美しいお茶菓子に、心がときめきます。
抽出に1分ほどかかるので、砂時計で確認しながら待ちます。
一煎目は少しぬるめの温度で淹れてくれ、お茶そのものの味を楽しみます。二煎目は少し苦味が出てお茶菓子と合う味に。一煎目と二煎目の味の変化を楽しんで。
翌朝のチェックアウトまでの時間に、この茶一杯を体験して、出発前に活力を高めて欲しいというスタッフの願いが込められています。
私が体験した時は、桜島の周りに雲が出て白く霞んでいて、幻想的な雰囲気でした。桜島が雲からひょっこりと顔を出しているかのよう。気象条件にもよりますが、雲海のように見えることもあるのだそうです。
宿泊する部屋でできる「ジオテラリウム作り体験」。鹿児島県の大地は約50%が火山噴火物質の「シラス」でできていると言われています。そんな鹿児島特有の環境にちなんで、シラスとコケを使ってオリジナルのジオテラリウムを作るアクティビティです。
正解はなく自分の好きなように、とのことだったので、あれこれ考えずに直感を信じてトライ。入れ物が牛乳瓶っぽいので白色のシラスをメインに使って、一番上に赤いシラスとコケを入れて完成です(写真右)。
「界 霧島」はさまざまな場所から美しい景色を楽しめる旅館ですが、その中でも一番綺麗に見える場所が「ビューテラス」です。正面には視界を遮るものがないため、目の前の景色を何からも邪魔されずに見ることができます。風も心地いい!
ビューテラスから見える夕日も美しいので、滞在中に何度か訪れ、時間と共に変わりゆく景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ロビーにあるモニュメントは、天孫降臨のエピソードに登場する天逆鉾(あまのさかほこ)がモチーフ。
受付のカウンターの後ろでやわらかい光を演出している照明は、薩摩和紙で作られています。北欧でデザインを学んだ女性作家の作品だそう。和紙を使った日本らしさのある柄で、デザイン性もあり、落ち着きのある雰囲気を演出しています。
ロビーに隣接しているトラベルライブラリー。24時間フリードリンクが楽しめるスペースですが、昼はお茶のセット、夜は焼酎など、昼と夜で内容が一部変わります。
棚には鹿児島の歴史や神話にまつわる本などが並び、御朱印集めが趣味のスタッフの御朱印帳など一風変わったものも飾られています。好きな飲み物を選んで、気になる本を読んでみたり、お喋りを楽しんだり、ボーッとしたり。好きな時に来て、好きなように過ごせる空間です。
ロビーの受付の近くにあるSHOP。部屋に用意されているQRコードからお土産を購入することもできます。
ルームキーの装飾にも使われていた「薩摩ボタン」のペンダントトップ。
薩摩ボタンは、鹿児島県の伝統工芸品「白薩摩」に薩摩焼の技法を駆使し、金をはじめとする豪華絢爛な配色が施されたもの。繊細な技法のため作り手が少なく、“幻のボタン”とも言われている大変貴重なものです。
霧島市にある中村酒造場で造られた、芋焼酎。本格焼酎ディスカバリーに参加した後に見ると、芋焼酎がなんだか身近な存在に感じます。
私はお茶が好きなので、自分へのお土産に「ゲンセン霧島茶」を選びました。
鹿児島県を代表するお茶の産地、霧島で「ゲンセン霧島」に認定された茶園選りすぐりの8種のお茶がセットになったもの。それぞれのお茶には、「澄んだ黄金色」や「深みのある濃緑色」など色でネーミングされていて、飲むお茶を色で決めるというのも素敵です。飲み比べを楽しみたい!
「界 霧島」は、風が心地よく、自然に癒される場所。深呼吸をしないともったいないと思うような瞬間が何度かありました。
「界 霧島」までのタクシーでの移動中、運転手さんが窓を開けてくれ、そこから入ってくる風が本当に気持ちよかったのを覚えています。湯浴み小屋までのすすきの道で感じた風や、露天風呂、ビューテラスなどで感じた風。こんなにも風が心地いいと思えた場所は久しぶりかもしれません。
また、常に美しい絶景を楽しめ、再びこの景色に会いたい、こういう風景に出会うために、私は生きて、そして旅をしているのかもしれない、と思うこともありました。空気の澄んだ、大自然の神秘性を楽しんで、心動かされる滞在をしてみてはいかがでしょうか。
界 霧島の予約はこちらから! ><住所>〒899-4201 鹿児島県霧島市霧島田口字霧島山2583-21
<TEL>050-3134-8092(9:30〜18:00)
<駐車場>あり
<車>九州⾃動⾞道「えびのIC」から約45分/宮崎自動車道「高原IC」から約35分/九州自動車道「溝辺鹿児島空港IC」から約40分
<電車>JR九州「霧島神宮駅」から車で約15分
※この記事は2024年3月の取材内容に基づき執筆されています。時期により、イベントや食事などの内容が変更になっている可能性があります。詳細は「界 霧島」にお問い合わせください。
星野リゾートの温泉旅館「界」をチェック >染谷ノエル(Noel Someya) / 俳優・フォトグラファー
東京都出身。演劇を学ぶため中学卒業後に単身渡英し、ノーサンプトンのBosworth Independent Collegeなどに通う。4年半後に帰国、上智大学にて英文学を専攻。在学中より劇団、東京ジャンクZに所属、舞台俳優のキャリアは15年目を迎える(2023年時点)。写真は留学中、"Photography"の授業がきっかけで本格的に取り組むようになった。旅や日常をドラマチックに切り取る表現を得意とし、雑誌やWEBメディアなどでの作品掲載多数。 撮影、執筆、被写体の三役をこなすキャリアを活かし、取材、連載などでも活躍する。
Twitter: @noel_engeki
Instagram: @noelle.s12
STAFF
Photo&Writing:Noel Someya
Edit:michill編集部
この記事のライター
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