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「浜名湖を臨み煎茶に満たされる」をテーマとした、静岡県にある星野リゾートの温泉旅館「界 遠州」に、俳優でフォトグラファーの染谷ノエルが訪問。そこでの体験を2回にわたってレポートします。2回目はご当地楽「美茶楽」や「おちゃけ」の体験、「美茶楽ラウンジ」というお茶を満喫できる空間など「界 遠州」で体験してきたアクティビティの紹介です!日本人にとって身近な存在であるお茶の、未知の世界へ導いてくれる場所でした。
【ご当地部屋や豪華な夕食を紹介した1回目の記事はこちらから】
朝起きたら、まずは中庭で行われる「浜名湖茶摘み体操」へ。つむぎ茶畑を眺めながら、茶摘みの動作をイメージした体操を行います。深呼吸をしてストレッチで体を伸ばしたら、茶摘みのはじまりです。
目の前の茶畑をのぼっていくようなイメージで足踏みをしたり、茶畑をぐるりと見渡したり、スクワットとウエストひねりをしながらお茶を摘んで茶籠に入れるような動作を。朝にちょうどいい軽めの運動をして、朝からスッキリ爽やかな気持ちになります。
界 遠州の公式サイトをチェック >その土地の食文化を感じられる、界ブランドの「ご当地朝食」。日本一のお茶処にある「界 遠州」でいただけるのは、古くから実際に茶葉の保管用として使われた「茶箱」にお料理を詰めた「茶箱朝食」です。
茶箱の底には茶葉が敷き詰められていて、ほのかに香るお茶の香りに包まれながら、ここでもお茶コンセプトのこだわりを感じます。
「あさりとあおさの浜名湖汁」は熱々の状態で。朝の身体に優しい、ほっこりとしたお味です。
ご当地の文化を体験できる、界ブランドのご当地楽。「界 遠州」で体験できるのは、美味しい煎茶の楽しみ方を知ることのできる「美茶楽」です。トラベルライブラリーにある「美茶楽ラウンジ」のカウンターで行われ、季節に応じてプログラムの内容が変わります。
まずは収穫されたばかりの新茶を一煎いただいたら、3種類のお茶の中から新茶を当てるという“お茶当てゲーム”をします。
お茶はスタッフにレクチャーしてもらいながら、自分で淹れます。お茶を淹れる大事なポイントは、茶葉の量と、待ち時間、そしてお湯の温度。美味しい温度は70℃といわれています。急須の蓋の穴の位置は、注ぎ口の位置と合わせる。そして、お茶は最後まで注ぎきること。最後の一滴は、栄養素も味もきゅっと詰まっていて「ゴールデンドロップ」といわれています。
淹れ終わったら、お茶当てをします。色味、香り、甘味、苦味がそれぞれで全然違うことに驚き!茶葉の形も三者三様です。結局クイズは外れてしまいましたが、こうやってお茶を飲み比べる機会はなかなかないので、とても楽しく充実した時間になりました。
最後はお菓子と一緒に、水出しで淹れてもらったお茶をいただきます。夏の暑い時やさっぱりとしたい時、カフェインが気になる人などは水出しがおすすめ。お茶はこんなにも身近な存在なのに、まだまだ知らない一面があるのだと気づき、もっとお茶の世界を深めたくなってしまいます。
「美茶楽」はすぐに予約が埋まってしまうほどの人気のご当地楽。「界 遠州」に泊まったらぜひ体験してほしいです。
「界 遠州」宿泊者がチェックイン前に参加できる、手業のひととき「自然の恵みをまるごと感じる新茶摘みと製茶体験」。同じ浜松市内にあるお茶農園「まるたま製茶」にて、お茶の新芽が出る初夏の季節限定で楽しめる「界 遠州」のアクティビティです。
除草剤不使用、農薬や化学肥料も不使用の、安心安全なお茶を栽培している、まるたま製茶。栽培から販売まで一貫して行っていて、敷地内には茶畑、工場、そして直売所兼カフェも併設し、カフェメニューを通じてお茶の楽しみ方を広めています。
体験内容は、茶摘み体験、レンジで手もみ茶づくり、お茶タイムといった流れ。まるたま製茶のスタッフにお茶の摘み方を教えてもらいながら、100gほど摘みます。
「一芯二葉」と呼ばれる、芯(まだ葉が開いていない芽の状態)とその下の2枚の葉の部分を、上から人差し指と親指でつまみ、横に倒して茎を折って摘みます。どの葉を摘んだらいいか迷ったら、スタッフがとても優しく教えてくれるので安心です。
緑色が本当に綺麗で、キラキラと輝くお茶の葉がとても愛しく思えます。
次にレンジで手もみ茶づくりです。摘んだ生茶を耐熱皿に入れて、レンジにかけ、ザルで揉みます。レンジとザルで揉む作業を繰り返していくうちに固くなっていき、重さが20〜25gになったら完成です。
手もみをしていると、だんだんと香りや茶渋などが手について、ペタペタしてくるのを感じ、粘りが出てきたりして、これは私のお茶だ!と愛着が湧いてきます。実は揉み方には流派があり、静岡県には8つの流派があるそう。教えてもらいながら、途中から揉み方を変えたりして、仕上げていきます。「飲み込みが早いね」と褒めてもらってやる気もアップ!
ポキッと茎が折れる状態までなったら完成です。自分で作った茶葉はお土産として持ち帰ることができ、入れる袋も選べます。こういう特別感ってより美味しく思わせてくれるし、心をくすぐられます。
そして、自分が作った手もみ茶と、スタッフによる手もみ茶の飲み比べをします。飲んでみると味が全然違うことにビックリ!思わず声が出てしまうほどで、スタッフが作ったものは、お茶の甘味や旨味を強く感じます。
最後には、美味しいスイーツも。ミルを挽いてできた抹茶粉末をアイスにかけていただきます。
まるたま製茶での体験は、無心でお茶に向き合えるので心もなんだかスッキリするし、穏やかな時間で、本当に時間が止まったみたいでした。
とにかく、まるたま製茶の方が優しくずっと笑顔で対応してくださるので、終始楽しく体験でき、浜松という場所がさらに大好きになりました。実際に体験してこの感覚を味わってみてください。
※「自然の恵みをまるごと感じる新茶摘みと製茶体験」は「界 遠州」で毎年行われるアクティビティで、2024年度の実施は現在(2024年6月時点)終了しています。
美茶楽ラウンジのカウンターにて体験できる「おちゃけ」。「おちゃけ」と名づけられたお茶とお酒を掛け合わせたものを振る舞ってくれます。
新茶にジンを入れて、水出しならぬジン出し茶を作ってくれ、そこに抹茶のシロップ、トニックウォーターを入れ、金箔をのせたらおちゃけの完成。
緑色の透ける色がキラキラと美しく、こんなに綺麗な色になるんだ!と感動。お茶を見てこんなにも感動するのは初めてです。ドリンクは、部屋に持ち帰ることも可能。一人でゆっくりと飲むのも、みんなでワイワイと飲み合うのも最高です。
お酒が飲めない人には、ノンアルコールのドリンクを提供してくれます。
ロビーに入った瞬間に、お茶のいい香りに包まれます。ふわりと優しく香り、心が落ち着きます。ロビーは、シックで大人の雰囲気。照明も暗めで、落ち着きのある空間です。
トラベルライブラリーは、ロビーと対照的に明るい空間です。最初に目に飛び込んでくるのが、ずらりと並ぶおしゃれなティースタンド。2種類のお茶が用意されていて、取材時は右3本が浅蒸しのお茶、左3本が深蒸しのお茶でした。
朝になるとお茶の種類が変わるのだそう。「玉の葵」は、無農薬にこだわった、お子様でも安心して飲める水出しのお茶。お湯出しの時より甘味や旨味を感じやすいのだそうです。
ティースタンドの反対側には、煎茶や玄米茶、黒豆茶、紅茶など、10種類以上のお茶が用意されているティーセラーがあります。並べ方がおしゃれで、思わず手に取ってしまいます。お湯の出る蛇口もあるので、その場で淹れてお茶を楽しむことができます。
ティーカードという小さなカードも添えられていて、気に入ったお茶の名前を覚えるのに便利。
奥へ進んでいくと、浜名湖を一望しながらリラックスできる「美茶楽(びちゃらく)ラウンジ」があります。小上がりの床座スタイルで、靴を脱いでリラックス。
目の前の茶畑や浜名湖、大草山を眺めながら、ティーセラーで選んだお茶をいただきます。旅やお茶にまつわる本も置いてあるので、読書を楽しむことも可能です。
そのさらに奥へ進むと、ご当地楽の体験場所にもなっているカウンターがあります。広々として美しく、ほっと一息できる空間です。
壁一面には、茶箱が並べられていて圧巻です。
ロビーに隣接したSHOPでお土産探し。遠州綿紬とお茶がほとんどの割合を占めているのが特徴です。
縞模様がかわいい遠州綿紬のバッグや、大浴場にもある、入浴前・入浴中・入浴後におすすめのお茶3パックセットなどがあります。かわいいイラストが描かれているものが多く、遠州を感じられるものがぎゅっと詰まったラインナップです。
お茶の味がしっかり感じられる、濃厚で美味しいほうじ茶クッキーや、煎茶クッキーは、まるたま製茶のもの。パッケージは「界 遠州」とのコラボレーションなのだそうです。
SHOPで人気というお茶・お菓子・ハンカチのセットをお土産に選びました。
お茶は両河内産の新茶、お菓子はご当地楽で出てくる「界 遠州」オリジナルのお菓子、大草山サブレ。ご当地楽で実際に楽しんだセットです。遠州綿紬の緑色のハンカチは、ぬくもり工房とのコラボアイテム。緑と黄色と青のラインが入っているものはここでしか手に入らない限定アイテムで、「新茶柄」と呼ばれるそう。
素敵なイラストのポストカードも。お部屋の窓から見える景色が描かれているので、実際に見える景色と照らし合わせてみるのも楽しいです。
「界 遠州」は、刺激的なところというより、癒しの場所。そして、一歩足を踏み入れてから、ずっとお茶の美しさに圧倒されっぱなし。こんなにもお茶が愛おしい存在だなんて今まで気づきませんでした。
お茶を温泉に入れたり、ペアリングを楽しんだり、お茶ってもっと自由でいいのかも、と思えました。自分の好きな楽しみ方や飲み方を発見してみて。
お茶が好きな人はもちろん、心の奥の方の固くなった部分をちょっぴり軽くしたいという人に「界 遠州」はぴったりではないでしょうか。
色の美しさを見て、香りを感じて、味を楽しんで、お茶を淹れる音を聞いて、身体全体でお茶を感じられます。すると、温泉に入ってお茶を飲むということが、すごく贅沢なことだと感じられます。「界 遠州」で、お茶の世界に浸って、人生をより豊かにしてみませんか。
界 遠州の予約はこちらから! ><住所>〒431-1209 静岡県浜松市中央区舘山寺町 399-1
<TEL>050-3134-8092(9:30〜18:00)
<駐車場>あり
<車>東名高速道路「舘山寺スマートIC」から約15分
<電車・バス>JR東海「浜松駅」北口バスターミナル1番乗り場から遠州鉄道バス乗車、「浜名湖ベイストリート」バス停から徒歩で約1分
※この記事は2024年5月の取材内容に基づき執筆されています。時期により、イベントや食事などの内容が変更になっている可能性があります。詳細は「界 遠州」にお問い合わせください。
星野リゾートの温泉旅館「界」をチェック >染谷ノエル(Noel Someya) / 俳優・フォトグラファー
東京都出身。演劇を学ぶため中学卒業後に単身渡英し、ノーサンプトンのBosworth Independent Collegeなどに通う。4年半後に帰国、上智大学にて英文学を専攻。在学中より劇団、東京ジャンクZに所属、舞台俳優のキャリアは15年目を迎える(2023年時点)。写真は留学中、"Photography"の授業がきっかけで本格的に取り組むようになった。旅や日常をドラマチックに切り取る表現を得意とし、雑誌やWEBメディアなどでの作品掲載多数。 撮影、執筆、被写体の三役をこなすキャリアを活かし、取材、連載などでも活躍する。
Twitter: @noel_engeki
Instagram: @noelle.s12
STAFF
Photo&Writing:Noel Someya
Edit:michill編集部
この記事のライター
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