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ザ★人間関係「付き合っていた頃の気持ちを持ち続けるために」

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「夫といると疲れてしまう。この先一緒にいられるのか不安。」という女性からのお悩み。原田さんからのアドバイスとは…?作家・哲学ナビゲーターとして、芸能活動から小説執筆までマルチな活躍を行う、原田まりるさんが、人間関係で悩めるmichill読者の声に寄り添い「生きやすくなるためのヒント」を一緒に考えるシリーズ第4回

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目次

アドバイス

  • 「誰かを愛するというのは、たんなる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である」―エーリッヒ・フロム―
    愛は、感情的なものだと思われがちですが、フロムは、愛は決意であると言っています。感情に拡声器をあてすぎず、いまどのような決断すべきか、を決めましょう!

今回のお悩み

結婚して3年経ちます。最近夫と一緒にいることに疲れている自分に気が付きました。
前は夫が飲んで帰ったり、週末一緒にいられないことが嫌だったのですが、最近は夫に予定があると聞くと、「一人の時間ができる!やったー!」と思ってしまいます。
夫は以前と変わらず私と一緒に過ごすことを楽しいと思ってくれているようです。
私も夫のことは好きですし、他に好きな人がいるわけではありません。
結婚して3年でこんな気持ちになるということは、これから先もっと時間が経った時、夫のことをどう思っているのだろう?このまま夫とずっと一緒にいられるのか?と不安になります。
付き合っていたころと同じ気持ちを夫に持ち続けるにはどうしたらいいでしょうか。
(マイマイカ・31歳・会社員)

原田まりるさんの考え

「誰かを愛するというのは、たんなる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である」―エーリッヒ・フロム―

人が恋愛をスタートさせ、結婚に至るまでの過程での心理状況を表した「SVR理論」というものがあります。「SVR理論」というのは社会心理学の恋愛行動における用語です。SVR理論によれば、人は恋愛から結婚に至るまでの間に「重視する価値観」が3度変化していくというものです。

「SVR」というのは、S(スティミュラス:刺激)V(バリュー:価値観)R(ロール:役割)の頭文字をとったものになります。

恋愛がスタートしたばかりの頃は相手にS(刺激)を求めます。外見だったり、デートだったり、刺激ある非日常を味わえることを重視する段階です。

その後、二人の仲が深まっていくと、互いのV(価値観)を重視するようになってきます。これはお互いの内面や、生活・人生・趣味などに関しての価値観を共有しあうようになり、価値観の一致を重視する段階です。

そしてさらに仲が深まると次はR(役割)を重視するようになります。良い妻、良い夫、良い母、父など互いが互いの役割を果たし補完しあうような関係性を気づけることが重視される段階です。

このSVRのうちSを特に重視する人は、常に刺激を求めて不倫愛に走りやすいとも言われています。結婚して三年目、というのはSVR理論でいくと、Rの段階になるので旦那さんといることに疲れてしまったというよりもR(役割)に疲れてしまったのかもしれませんね。一人の方がのびのびできるというのは、旦那さんといるなかで無意識的に築かれた役割を全うすることに疲れてしまい、自分らしく自由にのびのびすることが楽になってしまったのかもしれません。付き合っていた頃はS(刺激)やV(価値観)の共有を楽しめていたのが、R(役割)だけになってしまい飽き飽きしているのではないでしょうか。

哲学者のフロムの著書に「誰かを愛するというのは、たんなる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である」という言葉があります。愛は、感情的なものだと思われがちですが、フロムは、愛は決意であると言っています。これは感情に従っているだけだと「永遠の愛」など約束できない、永遠の愛を約束するのはなりゆきまかせの感情ではなく決断である。という意味です。感情に拡声器をあてすぎず、いまどのような決断すべきか、を決めてしまうことで前進できるかもしれませんね。




この記事のライター

原田まりる

作家・哲学ナビゲーター1985年2月12日 京都府京都市出身哲学・性格類型論(エニアグラム)についてのテーマを中心とした執筆活動・企業研修などを行っている。「人生の意味」を追求した実存主義哲学をわかりやすくナビゲートした著書を展開。『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド出版)『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)

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