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出産後に復職!そのために必要な準備とは?

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妊娠、出産はキャリアアップしたい女性にとって一大事。復職後に後悔しないために、これから子供を持とうと思っている人は事前にいろいろと考えておきたいところ。600社以上のコンサルティングに携わり、活躍する女性たちを見てきた人事コンサルタントの松本利明さんが教える「出産後キャリアアップしたい女性が事前に準備できること」とは!?

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目次

産休後、後悔しないために


産休、出産。一人目の時は周りからいろいろ話を聞いても心配になるものです。
実家が近いので母が面倒みてくれる。旦那の家系は子供が産まれたら女性は家庭に入るなど、人それぞれ家庭事情も違います。
キャリアや仕事観も違います。置かれている状況は誰一人同じではありません。
周りのアドバイスは「なるほど」と思っても、いざ自分に置き換えて考えると不安になるのはいたしかたありません。当然のことです。
産休中、出産後の復職で失敗したという声が人事や現場から多数あがるのも事実です。しかし、ご安心ください。
今回はワーママが活躍する現場と人事をコンサルティングしていく中で客観的に見えてきた「妊娠前に最低限準備しておくこと」「産休・育休中に備えること」について解説します。

ワーママの先輩と人事に、時短で復職した時の待遇を確認


忙しい時期なので産休、育休、時短勤務で申し訳ないと後ろめたさを感じる女性は多いです。
後ろめたさゆえに、産休、育休、時短勤務時の評価と処遇がどうなるかをちゃんと聞かずにその期間に入り、蓋をあけると「こんなはずではなかった」ということが結構な確率で起こります。
なので、遠慮せず人事処遇上、その期間はどんな扱いになるかを人事とワーママの先輩に聞きましょう。
人事に聞けば制度上、どのような運用になるかを今の時代は意外ときちんと教えてくれます。
逆に聞いてこないで後で不満をいうと人事が感じている面もあるので従業員の権利として普通に聞きましょう。

ただし、制度と運用に差がある場合があるのでワーママの先輩に実情を確認することをお勧めします。
「産休、育休、時短勤務を規程通り3年とったので、3年分の評価は実施していないため、昇進は3年同期より遅れます」というようなことは人事やワーママの先輩に聞けば事前にわかるものです。
今は過渡期なので、残念ながら全ての女性が働きやすい労働環境が揃っていない組織もあります。
自社の女性活用の実態を知った上で、復帰後のキャリアを考えるといいでしょう。

資格はどこにいても通用するキャリアに繋がらない


どこにでも通用する能力を普通に考えると「専門性」。それを形にして証明するとなると「資格取得」になるでしょう。
資格となると履歴書に書けるし、資格証明書という形があれば心は安心するかもしれません。
しかし、資格があっても出産後の有利なキャリア形成に繋がるかと言えば、実はそうでもないのです。

「インテリアコーディネーター」など通信教育で簡単に取りやすい資格は他の誰もが取りやすい資格なので、何の差別化にもなりません。
取りやすい資格を多数並べても「資格をとるのが趣味なのだな」程度にしか経営者や人事は思いません。
逆に資格をたくさんとれば何とかなると考えていると思われるとマイナスの評価になりかねないのが実態です。
「税理士」「公認会計士」「社会保険労務士」などの「士」業の国家資格は確かに難易度も高く合格するのは至難の業です。しかし、資格を持っていても、今の仕事で活用できないのであれば実はあまり意味を持ちません。
キャリアの視点からいうと資格はあくまでもエントリーの切符。エントリーした上で実務をこなした経験を得てはじめて労働市場で評価されます。
士業の道を志す覚悟がない限り、あまり現実的な解とは言えません。

ガラケーからスマホに変わったように、専門性の価値は短期間で入れ替わってしまう時代です。
専門性をないがしろにはできないですが、仕事を前に進めるために必要な専門性は常にアップデートする、必要に応じ全部入れ替えることが前提なので、専門性だけに頼るキャリアは危険です。

どこにいても通用する「ポータブルスキル」を身に着ける


妊娠前に準備しておくといいスキルは「ポータブルスキル」。
「ポータブルスキル」とはどんな会社でも通用する、仕事を任されたら自らリーダーシップを発揮しながら仕事をどんどん前に進めていく能力になります。簡単に言うとPDCA力+コミュニケーション力+対人育成力です。
言われた作業をきっちりやる作業員的な業務では代わりになる人はたくさんいます。多少他人よりうまくできるとしても「どんぐりの背比べ」としか評価されないのが実情です。
どの組織でも欲しい人材は「与えたられた課題や仕事を前に進めてくれる」人です。
前向きに捉え、上司や周りをうまく巻き込み、PDCAを回しながら物事を前に進めていける人になります。
キーになるのは今の社内だけでなく他社でも通じるレベルに磨き上げることです。

外資系では、例えばP&Gに勤めて普通に仕事を一人前に回せるようになれば自然とポータブルスキルが身につきます。
一度身に着けばジョンソンアンドジョンソン含め、同業や他業界でも評価され同等かそれ以上のポジションを任されるようになる。ゆえにポータブルスキルと言われているのです。
では、今の企業でこのポータブルスキルをどのように身に着けていけばいいか。
普段は事務作業的な仕事しか任されていないのに大丈夫なのか。はい、大丈夫なのです。
今の仕事が作業員的でも、社内にはプロジェクトが多数あるでしょう。そのプロジェクトメンバーに入れてもらえば、PDCAを自分だけでなく、チームとして回す経験を得ることができます。
生産性改革や女性活躍のプロジェクトを立ち上げるのも「あり」です。
人は現状維持が一番楽なので抵抗する人は必ずでてきますが、それを乗り越えることもポータブルスキルを鍛えるための大事な要素になります。
抵抗勢力はあなたの能力を高めるためのゲームのキャラと考え、攻略していくといいでしょう。

自社内だけでなく他社から学ぶ


自社内のプロジェクトの経験を積んでも、それが他社でも通用するスキルレベルにあるかはわかりません。
社内ではポータブルスキルを教えてくれるお手本となるレベルの上司・先輩がいないことも多々あります。
社内だけでは井の中の蛙になります。社外で自分のスキルを発揮してみましょう。
社外とのプロジェクトは余計な仕事と思う人も多いので手をあげる人は意外と少ないものです。手をあげれば任される確度は高まります。
同業団体や「人事」などの職種専門団体が主催する講座やセミナーに参加するのも一考です。
今は元マッキンゼー、元リクルートなど、社外で通じるポータブルスキルを身に着けた方々が本を書いたり、ワークショップや講演したりする機会が増えています。
その方々の私塾もあるので参加してみるのもお勧めです。社外でその方々と肩を並べて取り組むことで、社内では得られない能力を得ることができるでしょう。

社外でロールモデルと仲間を探して繋がる


社内で活躍する女性の先輩でロールモデルとなる人がいない、少ない。先輩過ぎて「男の3倍働け」などキャリア観が合わないというようなことはままあります。
本をだして活躍している輝かしい女性リーダーのかたもいて、話を聞く分には元気になるし、参考にはなる。しかし「朝3時に毎日起きる」などマネできないし、自分の像とはちょっと違うというケースも多いでしょう。

その時は同じ産休・育休の先輩達が運営しているワーママ向けの講座や勉強会に参加することをお勧めします。
自分達の身の丈にあった、そして少し前に同じような苦労を乗り越えたり、今乗り越えている先輩の声のほうが現実的で役に立ちます。
妊娠前や妊娠中でも参加を受けつけてくれている団体やセミナーはあるので、参加して懇親の場で思いっきり本音の話をしてみるのもいいでしょう。
同じ境遇の先輩が実は一番のロールモデルです。
代表的なワーママ向けの勉強会組織を紹介しておきますので参考にしてください。

東京ワーキングママ大学

育休MBA



この記事のライター

松本利明

人事コンサルタント。東京ワーキングママ大学アドバイザー。PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系人事コンサルタントを経て現職。日系、外資系の大手から中堅企業の600社以上の人事プロジェクトに従事。5万人のリストラと6千人のリーダー選抜に関わる人事の目利き。人事の裏を知る視点からのキャリア論がオリジナルで好評。特にワーキングママ向けのキャリア・アドバイスの講座は常に満席。寄稿、出版、講演多数

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