更新日:2017年6月10日 / 公開日:2017年6月10日
夫を失った時、残された家族のお金はどうなるの?どう生活するの?いくらあれば生活できるの?そんな不安を解消すべくmuccoさんご自身の経験をもとに綴る人気コラム。今回もケチケチ贅沢日記の著者であるmuccoさんにアドバイスいただきます!
Q、
muccoさんは何をきっかけにお金の勉強をはじめましたか?
(30代前半・既婚・フリーランス)
A、
私がお金の勉強を始めたきっかけは、一回り以上年上の夫(離婚歴あり・子供なし)との結婚でした。
結婚して間もないころ、夫があるお通夜に出席しました。
亡くなったのは働き盛りの元同僚、奥様とお子さん二人が残されたそうです。
第1回目の自己紹介で述べたように、私は2歳の時に父を亡くしています。
いつもすぐそばにいた大切な人が突然いなくなる、それも永遠に…
ご家族の悲しみとこれからの苦労を思うと、他人事とは思えませんでした。
そして、ふと自分の中に不安というか疑問が沸き起こりました。
今、夫が亡くなったら…と。家族を失う喪失感は経験済みですが、妻としての私の生活はどう変わるのだろう?
私はその気持ちを素直に打ち明けました。すると夫は微笑みながらこう言いました。
「この家(ローン返済中)は団体信用生命保険に入っているから、君のものになる。遺族年金についてはわからないから、自分で調べてみたら?調べてわかったことは僕にも教えてちょうだい。」
ああそうか、わからないから不安になるんだ!
わからないことはなんでも調べればいいんだ!
単純な私はそのことに気付いただけで、パーッと道が開けたように明るい気持ちになりました。
時は1998年。
質問者さんをはじめmichill世代の皆さんには想像もつかないかもしれませんが、今のように、PCやスマートフォンで検索すればなんでも調べられる時代ではありませんでしたので、書店で年金関係の本を買い、通勤時や昼休み時間に読みました。
そして遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の二つがあること、その違い、受給資格などを知りました。
当時29歳・子のない妻の私を、現在の受給資格条件に当てはめてみると
・「遺族基礎年金」受給資格なし
・「遺族厚生年金」配偶者死亡時30歳未満のため5年間の有期給付のみ
(夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満の場合、40歳から65歳になるまでの間、年額584,500円が加算される-これを中高齢の加算額といいます)
このことを夫に伝えると、
「僕は君が30歳過ぎるまで、できれば40歳になるまで何とかして生きなきゃね。」
と笑っていました。
遺族厚生年金額もだいたい理解できたと、同時に、自分が好きなように暮らすためには無職の未亡人ではなく、働き続ける必要があることも判明し、もし夫が急死した際の生活の不安は解消しました。
それ以降、もし自宅マンションと投資物件のローンが返せなくて自己破産した場合はどうなるのだろう、と不安になり債務整理の本を読んだり、株式や不動産以外の投資はどんなものがあるのか知りたくて、商品先物やFX、投資信託などの本を読んでみたり。
そうしているうちに、生活の周りにあるお金全般について学んでみようと思い、それがファイナンシャルプランナーへと結びつき、ライフプランの大切さを知りました。
2000年が幕を開け、世界同時多発テロやITバブル崩壊があり、私たちが勤務する欧米系企業もにわかに業務縮小や人員整理の波が押し寄せていました。
パフォーマンス、リストラや会社の撤退、満員の通勤電車etc。
会社勤めに伴うさまざまなプレッシャーやストレスから解放されたい。
自分の時間を会社に切り売りするのはもうたくさん、そう思った私たちは
「会社や組織に頼らなくても生活できるよう、経済的自由を手に入れる」
という目標を立てました。
変な目標かもしれませんが、私たちは大真面目でした。
「リストラされたらどうしよう、会社が撤退したらどうしよう」という不安から、
「会社や組織に頼らなくても生活できるよう、経済的自由を手に入れよう。まず最初に、会社がなくなっても雨露だけはしのげるよう住宅ローンを繰り上げ返済してしまおう。」
という目標に変わったのです。
前回書いたように、みなさんがわからないことに対して不安になるのは当然です。
しかし、ただ漠然と「不安だ、どうしよう」と思っていても誰も解決してくれません。
わからないことを調べ知識を得ることで、解消できる不安もあるのです。
そして、不安としっかり向き合うことで、自分たちのこれからの生き方や目標がはっきりしてきます。
「ピンチをチャンスに」という言葉がありますが同様に、「不安を目標に」も可能なのです。
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