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出産後の働き方はいつ考える?/妊娠したら考えるべきこと

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産休、育休の前と後では働き方が別次元のように変わります。キャリアアップを望む望まないに関わらず、復職後、後悔しないために事前にプランは立てたいところ。600社以上の人事のコンサルティングに携わり、活躍する女性たちを見てきた人事コンサルタントの松本利明さんが教える、妊娠したら考えたい、復職前の準備とは!?

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目次

復職後に任される仕事はほぼ決まっている

妊娠、出産、育休を経ていよいよ復職。となると、いきなりフルタイム勤務ではなく時短勤務からスタートとなるのが一般的です。
どんな仕事をしていたかにもよりますが、産休に入る前より仕事量や内容が軽減されるケースが大半です。
サポート的な仕事へ変更になり、部署異動となる場合もあります。
フルタイムで産休前と同じ仕事量と内容では時短勤務の間は大変だろうという会社や職場の考慮とも言えます。
一方で、残業当たり前のような昔のおっさん的な仕事の仕方しかできない組織では、重要な仕事は時短勤務者に任せたくないと、取り上げられてしまうことも残念ながらおきているのが実情です。

実際の職場をみてみると、バリバリ働いてきて、仕事で成果を出し、やりがいを感じていた女性がこのような立場に置かれた時に、「外された!」と大きなショックを受ける場合と、「やってみると向いているかも」と前向きに捉える場合があります。
「周りが忙しいのに自分だけ早く帰るのは申し訳ない」と責任を感じ過ぎてしまい退職してしまうことも少なくはありません。
育休中、仕事が軽減されるということは同じなのに、なぜここまで反応に差が出てしまうのでしょうか?

復職後、後悔するかしないかに関わる資質

確かに会社や職場の文化も影響するでしょう。
しかし、一番影響を与えるのは、実は自分が本来持っている「資質」になります。
資質とは、20歳前後までに形成され、それ以降は非常に変わりにくい個性です。
性格、価値観というような個人の根幹に根差すものなので、天変地異などで人生観が大きく変わらない限り、変わらないものです。

「明日地震がくるかもしれない…」と不安になり続ける「心配性」の資質があれば、「前向きに考えよう」と教えても、すぐに元の心配性に戻ってしまう。
「明日地震がくる時はくるさ!」という楽観的な資質であれば、危機感をあおっても気にしません。
同じ状況になっても、自分の持つ資質によってとらえ方が異なります。

出世や称賛を浴びたい資質が高ければサポート職は重要な仕事と自分に言い聞かせようとしてもできないものです。
現場で成果を出してスポットライトを浴びない限りは自分に嘘をついている感覚はぬぐえないでしょう。
逆に、目の前の仕事を工夫改善したり、他人とコミュニケーションを楽しくとったりするような資質が高ければ、スタッフ職でも「やりがい」を自ら見出すことになります。
「こうあるべき」という理想像ではなく、個々人の持ち味、個性と言える「資質」が大きくキャリアの満足度に影響していたのです。
資質については、本連載の「強みってなに?キャリアで本当に大事なのは自分の●●を知るコト」で詳しく解説しているので参照してみてください。

自分の「資質」を知ることで、やりがいを生み出す

復職後の仕事に100%納得し、やりがいを感じているのでしたら何の問題もありません。
そのまま楽しく働くのが一番幸せです。
問題は「やりがい」が持てなかった時、または持てないのではないかと不安に感じることです。

ご安心ください。自分の資質を知ることで復職後の仕事にやりがいを見出すヒントが掴めるようになります。
方法は簡単。自分の仕事で何に「ありがとう」という声をかけてもらえれば私は嬉しいのかを考えればいいのです。
仕事をテキパキ速く進めること、ミスがないこと、気が利くこと、一工夫できること、どんな「ありがとう」をかけて貰いたいかは資質が強く影響します。
同じ仕事をしていても、「ありがとう」の種類は一つではありません。
自分の資質にあった「ありがとう」をかけてもらえるように仕事をすれば、どんな仕事でも「やりがい」が生まれます。
資質に沿ったことは速く楽に成果がだせるので生産性も高くなり、いいこと尽くめになります。

親に刷りこまれた価値観を捨て、自分らしい働き方で生まれ変わる

資質がわかっても、まだ不安を拭いきれない、やりがいが生まれない場合は、もっと根が深く、実は子供の頃の親の指導や態度が影響していることもよくあります。
例えば、父親が母親を無能扱いし、「わたしは無能だからお金を稼げない。だからお父さんの下でないと生きられない。自分で稼げないと自由が生まれない」と毎日言っている母親の姿をみて育つと、「独立して稼がないと自由がない」と無意識レベルにまで刷り込まれてしまうのは想像に難くないでしょう。
この刷りこみがある場合は、独立に全く向いていない、サポート職が向いている資質の人も独立しようとしてしまいます。
私もこのようなケースを200以上見てきました。
幼少期からの刷り込みの力は思いのほか強いのです。

このようにキャリアを考えた時、資質と違う動機が強くはたらく場合は、幼少期の親の影響が大きいことがありますが、これは親が生きた時代の価値観や親が持っている資質です。
その時代はよかった、ある意味許されていたかもしれませんが、今の時代に合っているとは限りません。
ましてや、あなたの個性と言える資質と一致しているとも限りません。
いわば「親に刷り込まれた人生」であり、「あなたらしく、あなたが選んだ人生」ではありません。
親に刷り込まれた人生かどうか調べるには、友達関係、過去の恋愛パターン、職場でのトラブルなど、過去の人生のトラブルを洗い出してみるといいでしょう。
実は同じパターンでトラブルを繰り返していることが多いものです。
親からの刷り込みであれば、心が認めたがらなくても、自分ではうすうす気づいているものです。

妊娠、出産の前に、思い切って親からの刷り込みは手放してしまいましょう。
手放して楽になれば資質にあったやりがいや、自分らしいキャリアは自然と浮き上がってくるものです。
そうしないと自分の子供にまで「親の刷り込み」をしてしまうことにもなりかねないので要注意です。



この記事のライター

松本利明

人事コンサルタント。東京ワーキングママ大学アドバイザー。PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系人事コンサルタントを経て現職。日系、外資系の大手から中堅企業の600社以上の人事プロジェクトに従事。5万人のリストラと6千人のリーダー選抜に関わる人事の目利き。人事の裏を知る視点からのキャリア論がオリジナルで好評。特にワーキングママ向けのキャリア・アドバイスの講座は常に満席。寄稿、出版、講演多数

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