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薬剤師の三上彰貴子です。最近若い女性から口内炎についてよく相談されます。できると痛いし、ずっと気になりますよね。お薬もですが、お口のケアや食生活も含めて触れていきます。
口内炎は、とても痛いですよね。食事ができない、話しづらいなど、生活に色々な支障がでます。
私も「なんだか疲れたなー」と感じたり、最近夜更かしが多い、飲み会続きで栄養のあるものを食べてない(汗)という時に、「あ!痛い…」となります。
私にとっては、生活のバロメーターのような感じになっています。
ただ、生活の乱れ以外にも口内炎になる原因はいくつかあります。あなたは、どれにあてはまりますか?チェックしてみてください。
口内炎の原因はいろいろありますが、原因不明のこともあります。その他の原因としては
口の中が傷つくことによって口内炎ができるタイプです。なるべく早く歯医者に行きましょう。
ストレスや疲れが重なっていませんか?また、睡眠不足や食生活の乱れなど生活習慣はいかがですか?これらにより免疫が落ちると口の中の細菌やヘルペスのようなもので口内炎ができることがあります。
食事はバランスよく食べていますか?亜鉛という微量金属の不足やビタミンBやAなど色々なビタミン不足でも起こることがあります。
例えば、喘息(ぜんそく)の治療薬で吸いこむ薬があります。この喘息の薬にステロイドという成分が含まれると口内炎や歯肉炎のようなことが起こることがあります。
その他、がんの薬や治療、また薬を飲むこと自体でアレルギー反応が起こって、口内炎ができることもあります。
実際には、色々な体の状態でなることもあり、原因がいくつかあったり、分からなかったりすることもあります。ただ、1週間ぐらいしても治らない、悪化する、増えていく、などおかしいなと感じたら、直ぐに医師にみてもらってくださいね。
ちょっとプチっとなっていたり破れている状態でも、赤みを帯びている口内炎で、数も2~3個ぐらいでしたらセルフケアで対応できるかと思います。
ただ、こんな口内炎は受診していただきたいです。
感染して膿んでいる可能性があります。殺菌の洗口液(うがい薬やマウスウォッシュなど)で改善しなければ病院に行きましょう。
これは、カンジダというカビが口の中で増えて、そういう症状になっていると考えられます。これも、免疫が低下して起こるのですが、病院で薬をもらった方がいいでしょう。
手足口病など何かウイルスに感染している可能性も考えられます。口内炎が2~3個以上ブツブツできていて、さらに熱があるようでしたら直ぐに受診しましょう。耳の付け根の下あたりのリンパ節が腫れることもあります。
単なる赤い口内炎が1~2個ではない状態で、おかしいなと思ったら、直ぐに受診してくださいね。怖がらせるわけではありませんが、内臓関連の病気や、万一ですが口の中のがんでしたら早めの発見が大切です。
市販薬で口内炎の薬がいくつかあります。
口の中をゆすいだりして清潔にした後、水分をティッシュなどで軽く押さえてふき取った後つけてください。以下の2つとも、黄色っぽい口内炎には避けてください(ステロイドのため、悪化する可能性もあります)。
・アフタッチA 10錠
指に唾液を少しつけてオレンジ色の部分を指先につけ、そのまま患部にあてるように白い部分を貼りつけます。つけた後、薬はゼリー状となり徐々になくなっていきます。
・トラフルダイレクト
フィルムタイプで、こちらは逆にオレンジの部分を患部に貼ります。白いやわらかいフィルムタイプで、直径がアフタッチAの約2倍あるので、患部が大きい、貼りやすさを求めている方にはおすすめ。フィルムは30分~1時間程度で溶けます。
漢方ですが半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)もあります。市販ですと医家向けより成分が少ないので貼るタイプの薬との併用をおすすめします。
できればですが、お口の中の殺菌作用をより高めるのであれば、お湯で溶かして口に含みながらゆっくり飲むか、少しぶくぶくとして飲み込みます。服用後30分は飲食をしないとよりよいですね。
その他、口の中に細菌などが繁殖していて口内炎になることもありますので、お口のケアが大切です。
歯みがきはもちろんですが、殺菌効果のあるマウスウォッシュやうがい薬で口をゆすいでください。食べた後に歯みがきができなかったらせめてぶくぶくうがいをしましょう。のどではなく、口の中のゴミを取るイメージです。
うがい薬では、『アズレン』という成分がはいっているタイプがお勧めです。
・浅田飴AZうがい薬
炎症を抑えて、粘膜を修復する作用があります。薄めてうがい液をつくりますが、さっとうがいをするのではなくて、患部に15秒以上はあたるように何回かに分けるか、息つぎをしながらうがいをしてください。のどよりは口の中なのでぶくぶくうがいです。
色々なメーカーから出ていますが、液が青紫なのが特徴です。
食生活では、ビタミンB群(特にB2)、ビタミンA、ビタミンC、亜鉛などが含まれる食品が良いですね。難しいようでしたら、市販のビタミン剤を使ってみてください。
また、ハチミツも殺菌作用や、ビタミン、ミネラルが含まれますので なめたりしてもいいかと思います。
・新エバユースB26
疲れた時の肌荒れ、口内炎、ニキビにビタミンB2とB6、C、H(ビオチン)など肌に関係するビタミンが含まれています。ヨクイニンとハト麦の成分が入っていますのでこちらも肌にいいですね。
口内炎は自分の生活を見直すきっかけにもなります。痛いなーと思ったら少しペースダウンして栄養を摂ってゆっくり休めたらいいですね。
この記事のライター
薬剤師
三上彰貴子
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外資系製薬会社勤務後、慶應義塾大学にてMBA取得。卒業後、朝日アーサー・アンダーセン(現PWC)にて主に医療分野のコンサルティングを手がける。2005年より独立し、株式会社A.M.C代表取締役となり、製薬会社・化粧品会社関連のマーケティング、人財育成セミナーなどを行う。現在は、薬科大学博士課程にて研究も行う。その他、薬局薬剤師、登録販売者向けの講師、薬科大学非常勤講師としても活躍中。
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