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「もし子どもが保育園に入園できず、4月から職場復帰できなかった場合、どうしよう?…」1月から3月にかけては、そんな心配のお母さんは多いと思います。そんな時、利用を考えたいのが「育児休業給付の延長」。忘れちゃいけない必要な手続き、注意点、そして社会保険料との関係性を解説します。
※給付金額などは収入などによって異なります。
子育てをしている労働者は、原則として子が1歳に到達するまでは育児休業を取得することが可能で、雇用保険の加入期間・休業前の労働日数などの要件を満たせば、雇用保険から育児休業給付を受けることができます。育児休業給付は、原則として子どもが1歳に到達する日(法律上は誕生日の前々日)まで受けることが可能で、保育園に入園できない場合、最大6ケ月間、給付を受ける期間を延長することが可能です。ただし、保育園に入園できないといっても、自動更新される訳ではなく、必ず以下の手続きやっておく必要があります。
・子どもが1歳になる前に、自治体に対し「認可保育園」の利用を申し込む
・利用不承諾の通知を受け取る
・育児休業給付延長の申請を行う
育児休業給付の延長前には、「認可保育園」利用申込の手続きが必要になりますが、まったく空きがなく、明らかに入所できないと自治体の担当者から説明を受けていたとしても、必ず申込手続き自体は行っておく必要があります。申込みをしておかなければ「利用不承諾」の通知が発行されないからなんです。
また、利用申請に際し、入所希望日を必ず「子どもの1歳の誕生日以前」にしておく必要があります。例えば子の誕生日が8月19日で、入所希望日が8月20日となっていると、育児休業の延長は認められません。1日でも間隔があいちゃうとダメということなんです。
認可保育園の利用申込の際、利用を開始する希望日は“各月1日”と定められている自治体がほとんどで、申込期限は、希望月の前月前半に定められているケースが多く、実際には、誕生月の前月、前々月には申込手続きを完了させておく必要があります。
(申し込み期限については、自治体により異なるので要確認です!)
勤務先の休日や勤務時間の関係で、最初から認可保育園を希望しないという場合も、給付の延長を受ける為には、「認可保育園」利用の申請を行っておく必要があります。というのも、延長が認められるには、「認可保育園」に入所できないことが必須条件。認可保育園は最初から希望しないで、認可外の保育施設やサービスを申し込んだが利用できないというだけでは、延長は認められないのです。
子どもが1歳までの育児休業の期間は、社会保険料(健康保険・厚生年金)も免除となり負担はありません。そして、育児休業給付が延長されると、社会保険料の免除も合わせて延長となり、負担がない期間も延びることになります。もし、給付の延長に必要な書類が準備できなかったという場合、子どもが1歳に達した月以降は社会保険料の負担も必要になりますので、要注意です!
子どもが1歳になるタイミングで、保育園に入園できる見込みが少ない、そして、育児休業の延長を考えている方は、2~3ケ月前から、育児休業の延長準備をしておくことをオススメします!
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この記事のライター
浦野英樹
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昭和44年大分県出身。東京都立大学法学部卒。出版社人事労務部門に勤務の後、平成17年、社会保険労務士として独立。企業内での出産育児に関わる規定の整備・手続きに加え、子育てママが子連れで参加できるマネーセミナー「節約ママの楽しい家計塾」レギュラー講師として、わかりやすく労働法や社会保険の仕組みを伝える活動を展開。地元民放ラジオ局(大分放送)にて、家計のやりくりについてのコメンテーターも担当。
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