更新日:2018年10月12日 / 公開日:2018年1月2日
海外在住の私は、我が家に夫の友人を招いてホームパーティーをすることがありますが、その度に少し悩んでしまうのが和食の献立です。せっかくなので日本食を味わってほしい!とあれこれ考えるのですが、そうはいかない時が多々あります。今日は、海外で暮らしているからこそ経験する日本人妻の体験談をお話しします。
日本食のご馳走といえばお肉やお魚を使ったお料理が多いので、初めてベジタリアンの友人を招く時、こんな感じで頭を悩ませました。
・肉類、魚介類の両方を食べられない人
・肉類は食べられないけど、魚は大丈夫な人
・肉は食べられないが、一緒に煮込んでいても肉のみを避けて他の野菜を食べることはできる人
などなどいろんなタイプのベジタリアンがいると知り、毎回パーティーの前は夫に「これは?あれは大丈夫?」と細かく聞きながら献立を考えるように。
実際和食には、野菜のみで作られる美味しい献立も数多く、お肉や魚を使わないご馳走を用意することも難しくはありません。(海外なので手に入らない野菜・食材は多いですが…)
代わりに豆腐を使ったり、野菜をメインにお鍋をしたり、揚げ出し豆腐、野菜の天ぷら、または麺類など、肉・魚類を避けて作れる料理を振る舞うようにしています。
ちなみにビーガンの方は卵や乳製品も食べられないそうなので、献立選びにはさらに注意が必要です。
ベジタリアンにも様々です。健康上の理由で菜食主義を重んじる方もいれば、環境上の理由、または動物愛護の理由で肉・魚類を食べない人もいらっしゃいます。
ある日夫から「肉を食べるなら、動物がどのように加工されているのか、いろんな世界の屠殺場のVTRを一度は見るべき」と言われ、世界各地の屠殺場の映像、ドキュメンタリー番組を見ることに。場所によっては、動物が必要以上のストレスを受けて飼育、管理されていることもあると知って、言葉で表すことのできない気持ちになりました。
しかしながら、生まれてこの方、肉、魚料理を食べて生きてきた私にとって、この食生活を変えることは簡単ではありません。私のできることは世界で起きている現状を知り、自分の食生活を少しでも見つめ直し、ベジタリアンの人々の考え方も理解して尊重すること。そして命を頂いている感謝を「いただきます」と手を合わせるたびに深く受け止めることです。
フィンランドの飲食店には必ずと言っていいほど、ベジタリアン向けのメニューがあります。ビュッフェ形式の食べ放題レストランでも、ハンバーガーショップなどのファストフード店でも、だいたい困ることはありません。
しかしながら日本ではお肉、魚、そしてもちろん様々な出汁、スープをふんだんに使った和食が多いので、ベジタリアン(特にビーガンの人)にとっては日本旅行の際の食事に困るそうです。もちろんインターネットで検索すれば、ベジタリアンレストランが数多く見つかる時代ですが、それでも突然入った居酒屋やレストランではなかなかそういうメニューを探すのは難しいかもしれません。
外国人の方と食事をするときは、あらかじめベジタリアンかどうか、または宗教的な理由で食べられないものはないか聞いておくといいでしょう。
海外に暮らし、様々なタイプのベジタリアンの人々に出会うことで、食に対する多様な考え方と意識を学びました。
2020年にはオリンピックで海外からたくさんの人が日本へ訪れますから、メニューにはベジタリアンマークをつけたり、お店の前にベジタリアンの方も安心というような表示があれば、外国人観光客の皆さんがもっと足を運びやすくなるかもしれませんね。
この記事のライター
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