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知っておいてほしい。薬剤師が教える避妊薬を緊急で使いたい場合について

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薬剤師の三上彰貴子です。妊娠の可能性が高い日に避妊なしでSEXをしてしまったがどうしたらいいかなど、時々質問を受けます。まだ子供は早いと思っている時期のSEXで、妊娠の心配をされる方がいます。今回は、性交後72時間以内に服用する緊急避妊薬(モーニングアフターピル)という薬を紹介します。

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目次

避妊はコンドームを挿入前からつけて…

結婚するまでは、処女で…。という考えももちろんあります。
ですが、彼氏ができてその後…。どこかのタイミングで、子供を作る目的ではなくコミュニケーションとして性交渉(いわゆるSEX)をすることも増えてきました。

また、結婚してもまだ子供はいらない、子供を産んだばかりなので、しばらくは作らない…というカップルもいますよね。

避妊方法については今回は深く触れませんが、コンドームや低用量ピルなどがあります。
ただ、適切に使用しないと避妊が失敗することも。

例えば、コンドームを使ったが途中で外れてしまったので妊娠の心配がある。また、コンドームを挿入前の段階からつけずに、射精前だけつけた。性交中断法(膣外射精、いわゆる外だし)という、避妊が失敗しやすい方法をとった、などがあります。

また、悲しい話ですが、望まない相手と妊娠をしたくないのに避妊なしの性交に至ってしまった、という状況もあるかと思います。

そのような妊娠を望まない性交から72時間以内に服用して、妊娠を緊急的に回避する薬があります。

緊急避妊薬または緊急避妊ピルという薬で、性交があった次の朝に飲むことも多いので『モーニングアフターピル』という通称でも呼ばれています。

性交後72時間以内に服用する緊急避妊薬

緊急避妊薬はその名の通り、妊娠の可能性がある性交があってから、緊急で服用する薬になります。それゆえ、性交があってから3日以内(72時間以内)に飲みます。

薬の名前は、『ノルレボ錠1.5mg』。あすか製薬という会社が販売しています。ただ、日本では、医療機関(婦人科・産婦人科)での処方が必要な薬ですので、必ず受診してからの服用になります。

他にも、中用量ピル(プラノバール錠)を飲む方法(1~2回)などもあります。必ず、受診して医師の指示に従いましょう。

緊急避妊薬『ノルレボ錠』とは?

・性交後72時間以内に1回1錠服用します

・効果をみる試験(治験)では、妊娠阻止率は81%(※)でしたので、100%ではありません。

・この薬は、主に排卵を抑制する作用により妊娠させないようにします。それ以外にも受精を抑制する作用、受精卵の着床を抑える作用などもあります。

・服用後、3~7日ぐらい(長い人は2週間ぐらい)で、生理のような不正出血が起こります。

・薬の副作用で多かったのは、出血、吐き気、腹痛です。生理前後のような状況のイメージです。

緊急避妊薬は必ず医療機関で!電話してみよう

人によっては、親に相談できない、周囲に相談できない、いくらかかるか分からない…などの理由で、ネットで見聞きした情報を元に、自分でネット通販などを利用して入手するというのを聞いたことがあります。

が、絶対にやめてください!ネットで手に入る薬の品質、安全性は全く分かりません。

その薬の様に見えるかたまりに、本当にあなたに必要な成分が入っているのかどうか、入っていたとしても、適正な量なのか。古い薬や酷い保存環境で成分が悪くなっていないか。

妊娠を恐れる以上に大変な副作用が起こる可能性があります。絶対にやめてください。

まず、ネットで『緊急避妊薬、医療機関』といったようなキーワードで、近くの医療機関(産婦人科)を探してください。その後、そこに電話をして緊急避妊の処置をしてくれるかどうかを聞いてから、病院に行くようにすると間違いがないです。

医療機関によっては、緊急避妊の薬を出してくれないところもありますし、“そういう状況”の理解が無い先生ですと、色々言われてしまい悲しい思いをすることもあります。

そして、気になるお値段。この薬は保険が使えないので、医療機関によって値段はまちまちです。

ノルレボ錠を使う場合、またはプラノバールを使う場合、飲む回数によっても変わってきますが、数千円~15,000円前後になります。
電話で値段も確認できるとさらにスムーズですね。

コンドームや低用量ピルなどで避妊をしておくのはもちろんなのですが、万一の時、こういう緊急避妊ピルの存在も知っておくと、望まない妊娠に悩むことは少なくなるかもしれませんね。

(参考)
※国内でのデータ 63例のうち1例が妊娠。(妊娠阻止率: 月経周期日ごとの妊娠確率5)から求めた 妊娠予定数を用いて算出した値)
 海外でのデータ 妊娠率(16/1198例)1.34%、妊娠阻止率84%

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この記事のライター

薬剤師

三上彰貴子

外資系製薬会社勤務後、慶應義塾大学にてMBA取得。卒業後、朝日アーサー・アンダーセン(現PWC)にて主に医療分野のコンサルティングを手がける。2005年より独立し、株式会社A.M.C代表取締役となり、製薬会社・化粧品会社関連のマーケティング、人財育成セミナーなどを行う。現在は、薬科大学博士課程にて研究も行う。その他、薬局薬剤師、登録販売者向けの講師、薬科大学非常勤講師としても活躍中。

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