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最近は、メールやSNSのやりとりで相手に伝えたいことや、たいがいの用は済むようになりました。そんな中、年賀状は日本人が続けている素晴らしい風習の一つですから、一年の節目に書いてみてはいかがですか? お相手の心にあなたの印象を残し、ビジネスにおいてはつながりも築けます。今回は年賀状をお送りするときのポイントを(一社)日本プロトコール&マナーズ協会松田玲子先生にお聞きしました。
【連載/気品を身につけるシンプルな教え#26/年賀状編】

もともと年始には、お相手のお宅にうかがってご挨拶をすることがもっとも正式な新年のご挨拶となっていました。ご挨拶にうかがうことができない場合には、手紙を自分の分身としてお相手にお届けしてご挨拶をいたします。これらは全てお相手への敬意表現となり、やがて、年始のご挨拶をはがきの年賀状でお送りする習慣として広まりました。
年賀状には日頃の感謝の意を表し、新年のご挨拶とお祝いの気持ちをお伝えする意味が込められています。年賀状はお相手に贈る大切なギフトなのです。

まず、年賀状の文頭に記載されている、新年を祝う言葉のことを「賀詞」といいますがご存じですか? 「謹賀新年」や「あけましておめでとうございます」のことですが、この賀詞にはさまざまな種類があり、お送りするお相手によって使い分けることが大切です。
賀詞によって具体的な意味も異なるので、主な賀詞の意味を以下で理解しておきましょう。業者に頼むハガキ印刷や市販で購入する際にも気をつけて!

1文字、もしくは2文字の賀詞は「4文字の略式」と認識されており、目上の方に対しては失礼にあたりますので、4文字や丁寧語を使用する敬意表現をしましょう。
たとえば、
・謹賀新年:謹んで新年をお祝いいたします。
・謹賀新春:謹んで新春をお祝いいたします。
・恭賀新年:恭しく(丁重に)新年をお祝いいたします。
・恭賀新春:恭しく新春をお祝いいたします。
・敬頌新禧(けいしょうしんき):恭しく新年の喜びをお讃え申し上げます。
などです。
では、親しい人にふさわしい賀詞は?

たとえば、
一文字で「寿」、「福」、「賀」、「春」、「禧」など、
二文字は「賀春」「頌春」「迎春」「慶春」「初春」などです。
いずれも、お互いの幸せを願って文字をつづります。

もし、あなたが、一年にたった一度だけの挨拶状が修正ペンで修正されていたら気分はどうでしょうか? 文字を修正したものは、お相手へ穢れ(忌まわしく思われる状態)をお送りすることになってしまい、無礼なことになります。書き損じをした場合は、文字を修正ペンで直したりせずに新しく書き直します。このことは、手紙をお送りするときも同じです。
現在の郵便事情では、郵便番号があれば都道府県を書かなくても届くのですが、省略してもいいのでは・・・・・・と思うかもしれません。しかし、特に目上の方へお送りするときは都道府県から書きます。使用する数字は、縦書きの場合には漢数字、横書きの場合には算用数字を使いましょう。
また、仕事の取引先へお送りする場合は、社名については「株式会社」を(株)のように略さないで正しく書きます。
喪中はがきを受け取ったら返事をするのが望ましい?

喪中はがきが届いた場合は、年賀状をお送りすることを控えて、松の内(1月7日まで)が明けてから寒中見舞いをお送りするのが一般的です。この場合のはがきは、年賀用ではなく普通のはがきや最近では寒中見舞いのはがきも店頭に出ていますので、それを用いてお送りしてもよいでしょう。
喪中はがきに関するマナーは複数あり、今までに喪中期間を経験したことのない人にとってはわからないことが多いかもしれません。喪中の連絡をいただいたときや返事を送るときは相手の気持ちを慮ることが何より大切です。
時代の変化と共に、年賀状の送り方も変わってきていますが、相手に失礼のないよう、お互いにマナーを守って気持ちのよいやりとりをしたいものです。今ちょうど、年賀状の準備をなさっている方もいるかもしれませんね。ぜひ、参考にしてみてください。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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