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これから一戸建てを買う人は知っておきたい、耐火建築物ってどんな建物?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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これから一戸建てを買う人は知っておきたい、耐火建築物ってどんな建物?

2016年12月に発生した新潟県糸魚川市の大規模火災をはじめ、火災による被害のニュースは連日のように報道されている。自宅の周りが火事になったら、はたしてわが家は大丈夫なのだろうか。
建物の耐火基準は地域によって規制されている

まずは住宅地の耐火基準について知っておこう。都市計画法や建築基準法では、市街地について「防火地域」と「準防火地域」を規定しており、例えば東京23区はすべてがそのどちらかの地域に指定されている。自分が住む地域でどこが防火地域や準防火地域に指定されているかは、自治体でマップが公開されているはずなので、インターネットで「市区町村名 防火地域」などと検索してみよう。

2つの地域のうち耐火基準が厳しいのは防火地域で、平屋か2階建てで延べ床面積が100m2以下の住宅なら「準耐火建築物」でもよいが、3階建て以上か延べ床面積100m2を超える住宅はすべて「耐火建築物」にしなければならない。

一方、準防火地域はもっと基準が緩く、延べ床面積500m2以下の平屋か2階建てであれば「木造建築物」、つまり普通の木造住宅でよいことになっている。ただし外壁や軒裏(屋根の軒先の裏側)、屋根などはサイディングやモルタル、瓦などの防火仕様としなければならない。3階建ての場合は耐火建築物か準耐火建築物などにする必要がある。

ちなみに防火地域が指定されるのは、駅前などの繁華街や、幹線道路沿いなどが多い。一戸建ての多い住宅地は準防火地域か、もしくは指定のない地域が一般的だ。ただし指定のない地域でも行政によって「屋根不燃区域」に指定され、外壁、屋根、軒裏を燃えにくくしなければならない地域は少なくない。

木造住宅でも十分な耐火性能を確保できる

では耐火建築物とはどんな建物かというと、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造などのことだ。近隣や室内で火災が発生しても、最低1時間は倒壊せず、外からの火災が室内に延焼せず、室内からの火災が外に燃え広がらないように定められている。木造でも認定工法等を用いれば耐火建築物とすることができる。最近では、防火地域の2階建て住宅が木造耐火構造で建築されている。

これに対し、要求性能をやや緩くした準耐火建築物や省令準耐火建築物があり、外壁をサイディングやモルタルなどで仕上げるといった基準が設けられている。木造住宅では省令準耐火の建物が多く建てられている。

また、隣地との境界線から1階部分は3m以内、2階以上の部分は5m以内を「延焼のおそれのある部分」と規定しており、窓を網入りガラスなどにするといった規制がある。網入りガラスは窓越しの景色に影響すると感じる人もいるようだが、近隣からの延焼を防ぐうえでは効果的だ。

このように防火地域や準防火地域では建物に厳しい耐火基準が設けられており、それ以外の地域でも外壁や屋根を燃えにくくすることで火災が燃え広がらないように規制されているのだ。「木造住宅というと火災に弱いイメージがあるかもしれませんが、基準を守ることで一定以上の防・耐火性能が確保されます。木の柱などは中まで燃えるのに時間がかかるので、むしろ鉄骨よりも倒壊しにくい面もあるのです」と話すのは、一般社団法人日本木造住宅産業協会・技術開発部長の神宮靖範さんだ。

古い木造住宅は現行基準を満たしていないケースも

それではなぜ、糸魚川市で大規模な火災が発生してしまったのか。国土交通省などの調査によると、2016年12月22日に発生した火災により、144棟、約4万m2の地域に被害がおよんだ。この地区は1960年から1968年にかけて準防火地域に指定されており、本来であれば大規模な火災は起きにくいはずだった。だが実際には防火対策が十分でない古い建物が多く、折からの風速10m前後の強風で火災が燃え広がってしまったという。

防火地域や準防火地域の規定は1950年代から導入されているが、その後改正が繰り返され、ほぼ現行の基準となったのは1970年になってからだ。それ以前に建てられた古い木造住宅は現行の耐火基準を満たしていないケースが少なくないと考えられる。1970年以降に建てられた住宅なら、近隣からの延焼で家が全焼するリスクは小さい。ただし、周辺の道路が狭く消防活動に支障をきたすようであれば危険度は増す。古い木造住宅が密集する地域では、大規模な火災が発生するリスクがあり得るだろう。

これから住宅を買う人は、「不安や疑問を感じたら必ずプロに相談してほしい」と話す、一般社団法人日本木造住宅産業協会・技術開発担当部長の高橋雅司さんは次のようにもアドバイスしてくれた。「省令準耐火構造は、火災の被害を受けにくく、火災保険料も安くなります。特に中古住宅を買う場合は売買契約の前の重要事項説明などで防・耐火構造を確認するとともに、木造住宅が立て込んだエリアでは窓を網入りガラスに変えるなど『防火リフォーム』も検討するとよいでしょう」

木造だからといって必要以上に不安がらなくてもよいが、周辺環境や建物の防・耐火構造も念のため確認しておきたいところだ。

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この記事のライター

SUUMO

『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。

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