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世界的なデザインの祭典[ミラノ・サローネ]レポートの最終回は、筆者が見本市会場&ミラノ市内を走り回ってチェックした今年の印象をまとめてみました。インテリアのカラートレンドや新しい素材、取り入れたいエッセンスをご紹介します。これまでの記事:【速報】ミラノ・サローネ2017[上]、[中]
色調は優しく柔らかなパステルや、大人ソフトなスモーキー系
Panton(パントーン)社(米国)が発信するトレンド・カラー、2017年は「Greenery(グリーナリー)」。ということで、各社で緑のプロダクトをアイコンや挿し色に使った展示が見られた。
また、今年のサローネ見本市会場で目立ったのは“スモーキーなパステル”調。全体的に柔らかで軽い、ライトカラーによる落ち着いたコーディネートが新鮮だった。
街中のショールームでも、パステルな展開が見られた。
90周年記念で大規模な記念展示を行った「Cassina(カッシーナ)」。加えて、昨年からアートディレクターに就任したPatricia Urquiola(パトリシア・ウルキオラ)によるショールームのコーディネーションも印象的だったが、そのなかでもMario Bellini(マリオ・ベリーニ)デザインのチェアがパステルカラーで生まれ変わったのに目を奪われた。
日本に多いベージュやホワイト系の空間では、スモーキー・パステルな小物を加えることでも、柔らかく心地よいインテリアデザインを楽しむことができそう。
メタルや石、素材を活かすデザインも毎年進化さまざまな異素材を一つのプロダクトに使った“マテリアル・ミックス”デザインも、近年多くみられるが今年、筆者のお気に入りなのがこのメタル使いのチェア(画像8)。アルミ材を一つ一つ溶接して成型された、エレガントな後ろ姿が美しい。
また昨年、数千年前の古代木をキッチン扉材に使って魅せた「Boffi(ボッフィ)」。今年も、こんな素材を使って驚かせてくれた。
このピンク色もスモーキーで今年っぽいと思っていたら、見本市会場では「baxter」でテーブルに使われているのを見つけた。
“おうちリゾート”に必須のアイテム!『day-bed』今年の各社展示では一層、アウトドア・ファニチャーのラインナップが充実していた。ウォータープルーフや耐久性の高いファブリックが開発されたことで、ホテルやリゾート商業用だけでなく、一般家庭での需要も広がっているようだ。日本でもそろそろ、アウトドア@ホームの流れが来るかも?
日本でも、 プチ・ラグジュアリー・リゾートを自宅で満喫できそうな“一点モノ・アイテム”をお勧めしたい。それは『day-bed』(お昼寝用ベッド)。日本でデイベッドとは来客用ベッドのことを指すようだが、いわゆるビーチベッドのこと(ビーチベッドと言えば、あの青い折りたたみ式が懐かしい(笑))。
中庭や広めのバルコニー、都市住宅の屋上などに、一つベッドを置くだけで“おうちリゾート”になる。非日常感と最高のお昼寝タイムを与えてくれそう。
アート・ディレクターとして活躍する注目のデザイナー家具メーカー各社でトータルにブランドイメージと住空間をデザインする、アート・ディレクターの活躍も興味深かった。
例えば、ミラノ・サローネ2017[上]の記事で紹介した、Vincent Van Duysen(ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン)は家具Molteni&C社とキッチンDada社の統合した“HOME” ショールームをデザイン。
B&B Italia社ではデザイナーAntonio Citterio(アントニオ・チッテーリオ)が、同じくデザインをするキッチンメーカーArclinea(アルクリネア)社のキッチンをショールームのメイン・ウインドウに展示した。
Piero Lissoni(ピエロ・リッソーニ)も、キッチンのBoffi社がグループ化した家具De Padova(デパドバ)のショールームに家具からキッチンまでコーディネーションし話題を呼んだ。
そんななかでもう一人、忘れてはならないアート・ディレクターが2001年に自らのブランド「Moooi」を設立したMarcel Wanders(マルセル・ワンダース)。大人の遊び心あふれる独創的なデザインで、家具から照明、ライフスタイルまでをも大胆に提案するデザイナーだ。
さて、3回にわたってレポートした今年のミラノ・サローネ。ここで見た新作プロダクトやトレンドが、日本のマーケットに入ってくるのは来年になるが既に見本市会場には、2018年[EuroCucina(ユーロ・クッチーナ)]キッチン見本市の告知。
見本市会場だけでも6日間で165カ国34万人以上が来場し、ミラノ街中がデザインに満ちあふれた[Milan Design Week]は幕を閉じた。Addio Milano!(さよなら ミラノ!)
●ミラノ・サローネ2017の記事この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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