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さんきゅう倉田さんは、オトナサローネでの連載をまとめた書籍(電子)『お金持ちがしない42のこと』がロングセラー人気の、元国税芸人であり吉本芸人でもあります。この3年間は仕事の傍ら、受験勉強にも専念する多忙な日々を送り、23年4月に晴れて東京大学文科二類に合格。各メディアで大きく報道され、話題になりました。
東大生たちに囲まれる暮らしが始まり、彼らの瞬時の判断力や教養、その合理性は「学ぶことばかりだ」と言います。そんな東大生たちの知られざる世界を、さんきゅう倉田さん独自の視点で語っていただきます。
今回はそんな東大生のランチ事情を紹介していただきます。
東大ではお金に困窮している学生が多く、みんな食堂の価格には常に閉口しています。コンビニのおにぎりでも高すぎるので、スーパーで1個70円のおにぎりを見つけた友人は、すぐにクラスメイトにその店を紹介していました。
そのような状況を知ってか知らずか、東大では食料が配られたり食事が振舞われたりする機会があります。サークルの先輩が食事を奢ってくれるようなことはどこの大学でもあるでしょう。しかし大学や特定の講義から食事が供されることは珍しいように思います。
少なくとも、ぼくが卒業した日本大学理工学部では1度だけ行われたパーティだけでした。
東大ではとにかく人と人とを繋げようとします。自己紹介をさせる講義も多く、Slack内での自主的な交流も推奨していて、知り合いがどんどん増えていきます。
交流の場として食事が振舞われることも多々あります。
例えば、この記事を書いている今日の夜には、留学生の歓迎パーティがあります。ぼくもクラスのみんなと参加する予定です。外国人との交流は大学だけでなくサークルや諸団体などが行っていて、軽食やお菓子が用意されます。
また、講義のあとに食事会が行われる場合もあります。担当教員や講義を支援している企業の人も参加するため、学生は食事代を負担しません。
無料でなくとも参加する価値があるくらい、同じ講義を履修している学生との交流は有意義ですが、金銭的余裕がないために外食ができない学生がいるのでとても助かります。
講義ではありませんが、講義の延長で参加しているコミュニティでは2泊3日の研修に行ったりピザパーティをしたりしています。何もかも無料です。
どこからお金が出ているかというと、そのコミュニティを主宰している研究室が出したり支援する企業が出したりしています。
なぜそんなことをするのか。
人と人との出会いによって、講義の満足度が高まり、学生の成果物が向上し、大学生活そのものが楽しくなる。引いては、日本全体の学問の発展に寄与すると考えているからだと思います。

段ボールいっぱいの食料品が配られたこともありました。どうして配られるのかは分かりません。賞味期限が迫った保存食なのかもしれません。
配られる日時は、一部の学生だけがなぜか知っていて、彼らと親しい学生やダンボールを運ぶ人々を見つけた学生が食糧を得ることができます。人との繋がりが、ここでも重要になっています。
人との繋がりは、講義の履修や試験においても重要です。全員が教養学部に所属する東大では、履修の選択肢が他大学より多く用意されています。同じ名称の授業でも担当教員が複数いて、単位の取りやすさが大きく異なります。
試験の前には過去問と授業内容をまとめた「シケプリ」を入手しなければいけません。高校や予備校の友人が大量に東大に入っていれば入手は容易ですが、そうでない人は大学でネットワークを作って手に入れます。ぼくもそれなりに友人を作ったけれど、試験対策には十分とはいえません。もっと繋がらないといけないですね。
▶【後編】につづく
東大生は知らない人ともランチにいく⁉ そのワケは…。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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