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ビジネスメールを書くとき、結びの言葉を戦略的に使っていますか?
過去のメールで自分が素敵だと思ったものや、マナーの用語集などから引っ張ってきて、テキトーにコピペしていませんか?
「終わりよければすべてよし」という言葉があるように、人間、終わりの状態に気持ちが引きずられます。内容に関係のない結びの文を書いてしまうと、相手に誤解される恐れもあります。
例えば、急ぎの案件なのに、なかなか返事が来なくて、恐る恐る催促してみたら、返事を要するメールだと思われていなかった! そんなトラブルにもなりかねません。こんな状態を避ける為には、内容に沿った戦略的な結びの言葉にすることが大切です。いくつかの条件に分けて、どのような結びの言葉がふさわしいか、どのような結びの言葉の例があるか、見てみましょう!
返答が欲しい内容のメールは、きちんと「返答が欲しい」と書かなければいけません。
もちろん、本文でも書きますが、その際、結びの言葉に関係ないものを持ってきてしまうと、「要返答」の印象が薄れてしまいます。
例えば、次のメールを読んでみてください。
例文
春寒の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
先日ご依頼いただきました商品のお見積りが用意できましたので、お知らせいたします。
お見積りの内容について、直接ご説明差し上げたく存じますので、来週あたり、お時間をいただけないでしょうか。
今後とも末永くお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
どうでしょう?このメールは短いので、まだ話が迷子にはなりませんが、もう少し情報が入った文章だと、その情報に紛れてしまい、「え?返答が必要だったの!?」となりかねません。そして、さすがに取引相手へのメールだと、返答がないことを相手の読解力不足のせいにはできませんよね。「ちゃんと『お時間をいただけないでしょうか』って書いてあるじゃない!」とは言えません。
返答が欲しい場合は、最後に「返答が欲しい」ときちんと書くこと。用をなさないメールを出すよりは、しつこいと感じられない程度にきちんと最後にも催促を意味する文章を入れることが、むしろ礼儀正しいということです。
*本文で返答期日を書いた場合は、結びの言葉では省略しても良いでしょう。
こちらから何かを依頼した場合、もちろん返答も欲しいのですが、その前に相手に取ってほしい行動があるわけです。
こういう場合も、結びの言葉にテキトーなものを持ってきてしまうと、「はて。何が書いてあったメールだったかな?」という事態になりかねません。
このような、急を要さないメールほど、後回しにされがちですよね。実際、皆さんの方でも、何をどうしてほしいのか書いてあるメールでも、結びの言葉で一般的なものを使っている場合、「急ぎじゃないな」と判断し、後回しにしていませんか? 自分のメールがそんな目に遭わないように、結びの言葉を工夫して、相手の行動を促しましょう。
返事が要らない場合も、返事はいらないと書いておくと、相手は内容を読むだけで良いと分かるので、好印象です。不必要なメールがその後も行き来する手間も、お互い省けます。メール処理に追われるビジネスシーンではとても良いことです。
男性上司が部下に、ビシッと「取り急ぎ」とするのは潔いのですが、女性の場合は「取り急ぎ、メールにて失礼します」のような書き方は、できたら避けたいものです。「取り急ぎ」は、確かに言葉通りなのですが、受け取った方には不評です。いわば、自分から送ってきたメールなのに「今、手が離せないの」と添えてあるようなものです。自分勝手な印象になってしまうのですね。
何かこの件よりも大切な用事があり、今はそちらにかかり切りなので、こちらの案件はあとで詳しく話すけど、とりあえず、要件だけは押さえておいてね、と言われているような印象なのです。
「取り急ぎ」を「まずは」に帰るだけで、こんなに印象が変わります。
言いたいことは同じですが、「まずは」と書くことで、「一刻も早くお伝えしたかったんです!」という感じさえ伝わりますね。
他にもこのような書き方もあります。
返事を書いてほしいのか、対応してほしいのか、それとも返事は不要なのか。
メールを読んだ後、相手に何をしてほしいのか、その設定をきちんとして、結びの言葉を戦略的に使うようにすると、何通も不要なメールが行き交うことや、メールの内容を相手が誤解してしまうミスを減らせます。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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