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最近インテリアの話題は、シンプルでナチュラルな「北欧スタイル」や男子向けで武骨な「ブルックリンスタイル」が中心になっていたような気がする。それはそれで魅力的だが、もう少し女性向けのスタイルはないかと思っていた。そんなとき、行きつけのカフェで見つけたインテリアにグッときた。今回は柄と柄を組み合わせたちょっと上級者向けのインテリアについて教えてもらった。
柄と柄を組み合わせたときに生まれる効果
以前、取材させてもらったパンケーキのおいしいカフェ、味はもちろんだがいつもインテリアがすてきだと思っていた。さまざまなテキスタイルが組み合わさっているのに、不思議と統一感があり、女性らしい空間が生まれていた。
聞いてみると、カリフォルニアにスタジオを構えるDena Designs, Inc. のデザイナーであるDena(ディーナ)が発信するインテリアブランド『Dena Home』 (ディーナホーム)との期間限定コラボレーションだった。そのDenaさんにインテリアの秘訣を教えてもらった。
「美しい柄と柄を組み合わせることで、自分の好みに合わせたすてきなインテリアの“レイヤードルック”をつくることができます。まず寝室から空間をつくる練習をしてみてはいかがでしょう。例えば1つの柄だけですと、少し味気なくて殺風景に見えます。まず第1歩として、すでに柄と色が組み合わさっているコレクションを利用してみるのもいいですよ」とのメッセージだ。
確かに私自身も「シンプル イズ ベスト」と、室内にあまり色をたくさん使わないほうが無難だと思ってきた。ときどき海外の雑誌でさまざまなテキスタイルを組み合わせて、うまく調和させている例を見てあこがれていたが、センス良くまとめられる自信がなくてあきらめていた。広いリビングではなくて、寝室から始めて見るのは確かにハードルが低くなる気がする。
異なる柄でもまとまりを出すには「アクセントカラー」がポイント「柄と柄を組み合わせるときに、まず最初に考えなければならないことは柄同士の相性です。組み合わせやすい柄がある一方で、悪趣味な柄の組み合わせになってしまうこともあります。柄同士の衝突を避けるためにも、共通するような色をアクセントとして使うとまとまりやすいですよ」とのことだ。
そこで見せてくれたのが「Kumari Gardenシリーズ」というテキスタイル。同じ色調で花柄と幾何学柄が組み合わせていたり、同じ柄で違う色調のものが用意されていたりする。確かにこれなら初心者でも失敗がなさそうだ。
「私が好きな柄の組み合わせの1つに、花柄と幾何学柄の組み合わせがあります。これは上品で洗練された組み合わせになりますね。また異なる柄にさまざまなスケールの違う柄を組み合わせることも好きです」
家具とテキスタイルの関係を考える柄と柄の組み合わせを成功させるために、次に大切なのは家具の合わせ方だそうだ。「まず、ベッドや棚のような寝室に置く家具は、シンプルなものをそろえるようにします。家具の色は、白、クリーム色、天然木材のようななじみやすい色を選ぶといいでしょう。部屋全体のインテリアには、寝具と同じ色を使います」
部屋の統一感を保つためにも、色や形に特徴があったり、個性的な装飾がある家具などは避けたほうがいいようだ。そのほうがテキスタイルそのものの魅力が増すそうだ。
かわいい柄を合わせながら、大人っぽく演出できる工夫は?柄と柄を組み合わせた場合、子どもっぽくなってしまいそうで心配だが、その工夫も聞いてみた。「Kumari Gardenコレクションシリーズ等の柄の組み合わせは、寝室で美しく、居心地がいい空間を想像して考えました。テキスタイルを活かすために、カーテンもフリルなどがないシンプルなフォルムにしたほうがいいでしょう。家具の素材も無垢(むく)材等にすると、とても温かみのある洗練された雰囲気をつくり出すことができますよ。さらに枕カバーやブランケットの寝具、窓や壁の装飾には無地を組み合わせてみると落ち着きます」とのことだ。
また大人っぽくなる演出にはインテリアだけではないこだわりも大切だそうだ。「私は花や植物を飾ることも大切にしています。寝室は、1日の始まりと終わりを過ごす部屋です。家の中で寝室が一番長く過ごす部屋だからこそ、ゆっくりくつろげるこだわりの空間をつくってみてはいかがでしょうか」と教えてくれた。
2016年の春夏パリ・コレクションで話題になったファッションスタイルに「タッキー」というテーマがある。「悪趣味な」とか「変な」という意味があるらしいが、柄に柄を重ねた個性的なスタイルのようだ。シンプル一辺倒な流行の流れに物足りなさを感じる人も多いということだろう。インテリアにもその流れは確実に来ているように思う。壁紙を張り替えたり、家具を新しくしたりするのは、少し手間が掛かりそうだが、テキスタイルを変えるのは比較的簡単。挑戦してみてはいかがだろうか。
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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