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イタリア・ミラノ取材でご一緒して以来、石川次郎さんの人間力に引きつけられた筆者。『POPEYE』『BRUTUS』など人気雑誌を創刊した編集長である大先輩、そして75歳今なおバリバリの現役で活躍する次郎さんの住まい観をお宅で聞いてみたかった。そんな依頼に返って来た返事が「自宅は妻の城なので、僕のセカンドハウスはどう?」。うれしいお誘いに、編集部と富士山に向かって車を走らせた。連載【あの人のお宅拝見】
『月刊 HOUSING』元編集長など住宅業界にかかわって四半世紀以上のジャーナリストVivien藤井が、暮らしを楽しむ達人のお住まいを訪問。住生活にまつわるお話を伺いながら、住まいを、そして人生を豊かにするヒントを探ります。「富士山とはいろんな縁があるんだ」次郎’sセカンドハウスin山梨
われわれ一行が車で東京を出発してからおよそ1時間、目の前にドーンと富士山が現れて皆胸が躍る。そんなプロセスから、セカンドハウスを持つ意義を考えさせられる道中。
現地で待ち合わせた次郎さんは「うどんを食べてから行こう」と、行きつけの吉田うどんのお店に連れて行ってくださった。食にもこだわる次郎さんは「まず冷やしを食べて。次に、温かいのと食べ比べてみて!」と。
えっ、うどんを2杯!? と驚きながらも、ペロリと頂けるおいしさ……。次郎さんのペースに、編集部若者たちも巻き込まれている(この食欲が、バリバリ現役75歳の源か?)
なぜ、セカンドハウスを河口湖界隈で持つことになったのか?
「僕は富士山といろいろ縁があってね(笑)母が夢で見たらしいの。僕が生まれるとき、富士山の頂上で南次郎大将(大日本帝国陸軍)が日の丸の旗を振っている姿を。だから名前も次郎」、入学した都立高校やテニスクラブの名前も偶然“富士”絡みらしい。
「ここを購入したのは約20年前、リゾート開発の仕事なんかで富士方面に通っているときに、友人のアルフレックスジャパンの保科社長(当時)が手掛けた物件が売りに出て。やっぱり富士山の縁だね」
店を出て、少し車を走らせると別荘地らしい木立ちが見えてきた。
「戸建別荘も結構見て検討したけどね、やっぱり管理面では集合住宅が楽でいいよ」と、中へ案内してくれた。
好きなものだけに囲まれて過ごす、心地良さ玄関ドアを開けると、全面ガラスの内ドアがもう一枚。その正面から、木々の緑が日差しと共に迎え入れてくれるドラマチックなエントランスデザイン!
リビングルームは玄関から半階下のスキップフロアになっていて、広大な林を背にした裏庭に面している。
「東京の自宅は建てるまでが僕の楽しみで、建ててからは妻のもの。だから、セカンドハウスでは自分の好きなものに囲まれて心地よくしようと。家具や食器も全部、自分好みのものを置いてる」
ここへ来るだけで気持ちよく過ごせる、次郎さんのヒーリング・スポットだ。
55歳の時に、このセカンドハウスを購入した次郎さん。
「たった1時間で来れるから、別荘って言う感じじゃない。もう一つの仕事場ってところかな」
企画を練るなど一人で集中したいときや、ゆっくり眠りたいときなどに昼からでもサッと車を走らせて来るようだ。
「息子家族が使ったり、友人たちがイッパイ集まって合宿みたいになることもあるけど、基本僕の隠れ家」
正しく男のセカンドハウス、そんな憧れのデュアル・ライフを実践してきた次郎さん。
次回レポートでは、次郎さんが若かりしころに経験した貴重な住まいのヒストリーや、さらにこの別荘にちりばめられたお気に入りの数々を紹介するのでお楽しみに!
石川次郎この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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