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「毎月きちんと収入があるのに、なぜか気づいたら毎月お金を使い切ってしまう…」そんな貯蓄が苦手な方でも、知らず知らずに貯めることができる方法があります。
今回は貯蓄を始めたい人におすすめの「積立預金」について解説します。貯蓄ができるようになるための一歩として、まずは貯蓄体質への改善を目指してみることから始めてみませんか?
お金が貯まらない人の特徴として、「まず使いたいだけ使って、残ったら貯めようかな」というスタンスが挙げられます。
元々無駄遣いをしない金銭感覚を持っている人であれば、このスタンスでも貯蓄は可能です。一方、元々計画的にお金を使うことが苦手な人ほど、こういった考え方では手元にお金が残りにくく、貯蓄が増えていかない傾向にあります。
上記いずれかのタイプの見分け方としては、子どものころのお年玉を思い出してください。お年玉を「いつか必要な時のために」と貯蓄する人は、計画的に使えるタイプです。
反対に、もらったお年玉をお正月の間にすぐ使ってしまう人は、計画的にお金を使えない貯蓄下手な可能性があると考えられます。
計画的に使えないタイプの人が貯蓄するなら、「先に貯めておいて残った分を使う」方法がよいでしょう。つまり、先取り貯蓄で貯める、というスタンスに切り替え、強制的に貯めていく仕組みを作ることが必要です。
給与天引きであれば、お金を「初めから無いもの」と思うことができるでしょう。同じように、給与が入ったらすぐ自動的にお金を別口座へ移動させましょう。このように先取りして貯蓄をすると、お金を「無いもの」として毎月過ごすしかなくなります。
これまで自由に使えてきた金額から一定額が少なくなってしまいますが、だからこそ残りのお金を計画的に使うことができます。結果的に「余ったお金」が生まれて、新たな貯蓄ができるサイクルを作ることができるでしょう。
このように、貯蓄体質に変わるためには、先取り貯蓄を始めるのがおすすめです。
貯蓄ができない体質を改善できる先取り貯蓄の代表的な商品と言えば、積立預金です。この積立預金には、大きく分けると3つの種類があります。
財形貯蓄
社内預金
銀行等の積立預金
財形貯蓄は、給与天引きで指定した銀行に毎月貯めていく方法です。勤め先が制度に加入していれば利用することができます。
金融機関に預金を預けるのですが、積立期間が3年以上(1年経過したら払い出すことは可能)と長く、これまでお金を貯められなかった人にはハードルがやや高いかもしれません。
社内預金も、勤め先に制度があれば給与天引きで利用できます。利息は金融機関より高めに設定されていますが、金融機関で運用するのではなく会社が預金を管理するため、倒産してしまうと元本が戻ってこないこともあり得ます。
どなたでも利用できるのが、この銀行等の積立預金です。始める際もネットを通じて開設できるところが多く、銀行ごとに積立額や期間、金利などが異なります。次項から銀行の積立預金について詳しくお伝えします。
銀行の積立預金は、金融機関を決めて金額と期間などを設定すれば、毎月一定額が積立口座へ自動引き落としされるシステムです。もちろん、ボーナス時に追加額を設定することも可能で、まとまった資金があったときも貯めていくことができます。
今はネットなどで申し込みが完結する金融機関が多く、わざわざ銀行に足を運ぶ必要がないので便利です。
お金を貯めると決めれば、たくさん貯めたくなるものです。だからといって、初めから目標が高すぎると、そもそも貯めるのが苦手な人の場合は途中でイヤになってしまい、リタイアしてしまう可能性もあります。
貯蓄を続けられるようにするためには、達成できそうな目的を具体的に決めて、目標額や期間を設定するのがおすすめです。
具体的な目標設定の方法
目標の設定の具体的な方法について、例を挙げてみましょう。例えば、1年後の結婚式のために100万円を貯めたいとします。この場合、83,334円×12月で目標を達成できます。
「月々の負担が多めだな」と感じる場合には、ボーナス時に20万×2回を追加すれば、月々は5万になります。このように、無理のない金額と回数を設定するのが目標達成のポイントです。
マイカーの購入なども具体的に見積もりを取ってみると、予算立てしやすくなります。目標額に達するように積立額を決めていく中で、購入時期をずらす・車種やオプションを変えるなど、目標の調整も考慮しながら積立額と期間を決めていくといいでしょう。
当面お金を使用するための目標がない場合、まずは1年などの短いスパンで少額から積立預金を始めてもいいでしょう。
私も社会人になりたての頃に、毎月2万円を給与振り込み口座の銀行で積立預金していました。他に目標を設定して貯めていたものもあったので、積立預金は特に目標は設定しないまま続けました。
その約3年後、積立額の70万円を使って新婚旅行で贅沢にスイートルームに泊まることができました。目標を決めていたわけではないものの、積立を続けて良かったと感じたものです。
積立預金を続けるのが難しい場合、積立を途中で一時中止することも可能です。残高が不足している際も振替は中断されます。保険料のように翌月に併徴になることはなく、このような場合は手数料もかかりません。
また、普通預金に残高が不足していると、クレジットカードなどの他の引き落としが滞ることがあります。積立預金をしている場合、積立預金の金額の90%を上限に、上限額(金融機関により異なる)まで自動融資が実行される金融機関があります。
この場合の利息は定期預金の約定金利の+0.5%(変動金利)となり、緊急時に役立つこともあります。
解約の際の手数料はかかりませんが、設定した期間外に中途解約になってしまうなどの場合、その時期によっては普通預金の金利が適用されることもあります。
ペナルティなしに一部解約できるところもあるなど、それぞれ規約が異なりますので確認しておきましょう。いずれにしても、元本が割れることはありません。
普通預金より金利が高い
手間いらずで、一度設定してしまえば放っておいても貯まる
少額からスタート可能
期日や積立額が自由に選べるオーダーメイドであること
長期利用で複利(一年)効果が期待できる(ゆうちょ銀行は半年複利)
投資と比べると金利が低い
つみたてNISAのように非課税制度がない
「同じ預金をするなら、定期預金の方が金利が高いのでは?」と思う方もいるでしょう。
定期預金は、スーパー定期(300万まで)、スーパー定期300(300~1000万まで)、大口定期(1000万超)と、金額に応じて主に3つの種類があります。
定期預金の考え方としては、まとまった金額が大きいほど、預け入れる期間が長いほど、金利は優遇されます。つまり、まとまった額を長期に預ける場合は金利が高くなり、より貯まりやすくなるのです。
ですが、現在の低金利の状況では、メガバンクやネット銀行でも積立預金との差がない金融機関が多くなっています。以下で金融機関ごとの金利を確認してみましょう。
預金種別ごとの金利比較表
ソニー銀行
三井住友銀行
ゆうちょ銀行
普通預金金利
0.001%
0.001%
0.001%
定期預金金利
0.02%
0.002%
0.002%
積立預金金利
0.02%
0.002%
0.002%
適用金利は変動金利で、積立日の金利が適用されます。(上記金利は、2020年11月28日現在のものです)
積立定期預金などとしている金融機関もあり、今は積立も定期と同様の金利であると考えてよいでしょう。ネット銀行の方が金利は高めですが、給与口座でない場合や目標期間が短い場合などは別途費用が生じることもありますので、手数料規約なども確認が必要です。
https://manetasu.jp/1267887
積立預金をする場合は、給与振込口座の金融機関で積立を実施するのがおすすめです。給与が振り込まれたらすぐに引き落とされるため、うっかり使ってしまうことを防げます。
もし複数の口座に収入がある場合は、金利や利便性を考慮して金融機関を選んでください。積立預金は銀行だけではなく、信用金庫や信用組合などでも扱っており、名称が定期積金となっている場合もあります。
メインバンク以外の銀行でも手数料がかからずに送金できるなら、金利が高めなネット銀行もおすすめです。
積立期間は下記のように、金融機関により異なります。
金融機関別の積立期間比較表
ソニー銀行
三井住友銀行
ゆうちょ銀行
積立期間
1年、2年、3年
3か月、6か月、1年
2年、3年、4年
6年以内
据え置き期間
1年
1か月
6か月
あらかじめ目標期日を設定している場合、自動的に普通預金の口座へ送金されるため、手続き不要で引き出しが可能な銀行もあります。
金融機関別の積立額と回数比較表
ソニー銀行
三井住友銀行
ゆうちょ銀行
積立単位
1,000円以上
1,000円単位
1,000円以上、1円単位
(総合口座の場合は10,000円以上1円単位)
1,000円以上
1,000円単位
積立回数
毎月
(+年2回増額可)
毎月
(+年6回増額可)
毎月
(+増額分含め最大108回)
ボーナス時などは、積極的に増額してもいいでしょう。
積立預金を行うことで、特典を受けられる場合があります。たとえば、三井住友銀行(適用には条件があります)では以下のような特典があります。
一部ローンの繰り上げ返済手数料が無料
リフォームローンの金利を年1%引き下げ
その他の地銀や信用金庫なども特典やキャンペーンを用意しているところがあるため、チェックしてみましょう。
貯蓄が苦手な方も、積立預金なら少額からコツコツ貯めることができるので、スタートしやすいのではないでしょうか。投資などのリターンの高い資産運用や非課税のものもありますが、余剰資金のない状態で投資を始めるのは少々危険な考え方です。
まずは、貯めることができる体質改善から始め、少しずつ投資による資産運用も活用して貯蓄をしていきましょう。
この記事のライター
マネタス
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