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自分では気がつかず、無意識にしてしまっている言葉遣いがあります。特に、日本には敬語の文化があるので、社会人の言葉として正しい敬語が使えることは大切です。(一社)日本プロトコール&マナーズ協会・アカデミーの生徒さんがよく迷われる言葉遣いについて、本日はNGベスト5を主任講師の松田玲子先生に挙げていただきました。
【連載/気品を身につけるシンプルな教え#20/言葉遣い編】
◆「嬉しいです」は、NG!

「嬉しい」のように「い」で終わる形容詞に、そのまま「です」を付けて「嬉しいです」と話している方が多くいます。
しかし、本来は間違いです。形容詞を丁寧語に変える際には、「嬉しく思います」のように動詞を続けます。
いくつか例を挙げますので、使ってみてくださいね。
・「嬉しい」→「嬉しく思います」
・「嬉しかった」→「嬉しく思いました」
・「嬉しくない」→「嬉しくありません」
・「嬉しくなかった」→「嬉しくありませんでした」
◆食事を促す際に時折使われる「どうぞいただいてください」もNG!!

食事をする際によくあるシーンです。友達同士なら、「どうぞ食べて~」と気軽に言えるかもしれませんが、社会人の女性でしたら、敬語が使えないといけません。しかし、とっさだと、「お食べになってください」などと言う方がいますがこれもNGです。
「食べる」にはさまざまな敬語表現があり、状況に応じて正しい言葉を選択する必要があります。「食べる」の尊敬語は数種類ありますが、敬意を示すランクがあります。「食べられる」よりも丁寧なのが「お食べになる」で、さらに丁寧な言葉が「召し上がる」です。
ぜひ、食事を促す際には「どうぞお召し上がりください」と伝えましょう。
◆ビジネスでも良く使われる「お世話さまです」もNG!!

目上の相手に対して、「お世話さまです」という挨拶はふさわしくありません。なぜならば、お世話になったお相手なので感謝の意を表す言葉ではありますが、敬意は軽いため失礼になります。特に、お相手が上司や取引先など目上の場合は、「お世話になっております」と言いましょう。
◆「くださる」と「いただく」の違いは要注意!

「本日はお越しくださいまして・・・・・・」
「本日はお越しいただきまして・・・・・・」
こ2つの敬語表現にはどのような違いがあるかご存じですか?
生徒さんが迷われる言葉遣いで最も多い表現です。
「くださる」は尊敬語で、お相手が自分の意思でする行為に対して使います。
「いただく」は謙譲語で、こちらからお願いしたことの行為に対する敬語表現になります。これらはビジネスマナーでもありますので、きちんと使い分けましょう。
◆『すみません』の言い換え方について
日常よく耳にする「すみません」。人によっては、感謝するときも謝罪するときも「すみません」を使っていますが、「すみません」は、お侘びをする時に使う言葉です。
場面によって、次のように言い換えましょう。
・呼びかけるときは「すみません」→「よろしいでしょうか」「ごめんください」に!
・謝罪するときは「すみません」→「申し訳ございません」に!
・席を外す時は「すみません」→「失礼いたします」に!
・感謝するときは「すみません」→「ありがとうございます」「ありがとう存じます」に!
「恐れ入ります」を使ってみましょう

あらゆる場面で使える言葉として「恐れ入ります」をおすすめします。大変エレガントな響きを残します。
以前、レッスンで生徒さんからうかがったお話です。
いつも立ち寄るショップで「恐れ入ります」と店員の方に声をかけたところ、応対がいつもと違い大切に扱ってくださり、嬉しく感じたとのこと。またご自身も凛とした気持ちになったそうです。
言葉遣いひとつで、その場の空気を清々しくし、お相手への印象も変わることがうかがえますね。
言葉もファッションと同じくTPOに合わせるもので、他の人が気持ちよく感じる言葉を使うことが礼儀でもあります。実は、いつもいつもていねいな言葉を使うことが、マナーなのではありません。
たとえば、良く使われる敬語も流行語もご自分の知識のポケットに入れておくとコミュニケーションがスムーズに行く場合もあります。
そして、ビジネス等で目上の方やクライアントと話すときには、友人と話す時とは違って、自然と丁寧な言葉を選んでお話しをなさっているはずです。どのような年齢の方とも会話を楽しめるように、言葉遣いをTPOに応じて使い分けることができるのも、思いやりのマナーだということを覚えておいてくださいね。
この記事のライター
OTONA SALONE|オトナサローネ
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