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妊婦さんの食事について、昔から「食べてはいけない」と言い伝えられているものがいくつかあります。今回は妊娠・出産と柿についてお伝えします。
この記事の執筆者 奥野由 先生(管理栄養士/母子栄養指導士) 前職は加工食品の研究開発職。自身の出産を機に離乳食アドバイザーを取得し、活動を開始する。ベビーフードの開発および監修の他、大阪府高槻市にて離乳食教室開催、育児広場での相談会などを実施。食品科学、調理学をベースに手軽で美味しいレシピの考案に尽力している。◆離乳食教室 FooMiLab HPこの記事の監修者 川口由美子 先生(管理栄養士/母子栄養指導士) 一般社団法人母子栄養協会 代表理事 女子栄養大学 生涯学習講師。大学時に小児栄養学を学んだのち、育児用品メーカーでベビーフード開発を経て栄養相談、離乳食レシピ執筆、講演会に携わる。2児の母。現在は、母子栄養協会にて離乳食アドバイザー®他、専門家を養成している。 ◆一般社団法人母子栄養協会HP
妊婦さんが柿を食べると流産するというようなお話もありますが、その根拠はあるのでしょうか?
結論から言いますと「柿を食べると流産する」は迷信です。流産の原因は先天的な因子が大きく、柿に含まれる成分によって流産につながることはありません。なお、流産のリスクを上げると明確に分かっている行為は喫煙で、自然流産の発生率が2倍になります[*1]。
果物はすっきりとした味わいで、つわりの症状などがあり、食欲がない妊娠初期などの時期は食べやすいですよね。旬の季節に食べることでビタミン類などの栄養価も期待できますので、迷信に惑わされず、食事に取り入れてみてくださいね。
柿はビタミンCを豊富に含んでいます。食事の後のデザートやおやつとして取り入れることで、栄養バランスをアップさせることができますよ。
柿は果物の中でもビタミンCが豊富で積極的に取り入れたい食品ですが、食べ過ぎることでのリスクはあるのでしょうか?
柿を食べ過ぎたからと言って、妊娠中の大きなトラブルに繋がるということはないでしょう。ただし、一つの食材に偏りすぎると、他の食材を食べないことによる栄養のアンバランスなどが起こることは考えられます。妊娠期は赤ちゃんの発育のために様々な栄養素がたくさん必要になります。色々な食材を食べるようにしたいですね。また、便の調子などが変わることもあるかもしれません。
つわりの時期などどうしても食べられる食材が柿だけになってしまうということもあるかもしれませんね。一時的な栄養のアンバランスが赤ちゃんに影響することはありませんので、ご安心ください。つわりの時は「食べられるものを食べられる時にでOK」ですよ。
甘くておいしい柿ですが、他の食品もバランス良く食べるためにも、1日200g程度、1〜2個にしておくと良いでしょう。
柿は大根やかぶなど野菜とも相性が良いです。野菜と一緒にマリネや甘酢漬けにしてみても良いですね。柿と一緒に色々な食材を楽しんでみてください。
柿は干し柿として出回っているものもあります。また出産後、母乳育児中の食事についても気になりますよね。
干し柿はその名の通り “柿を干したもの”で、ドライフルーツの一種です。食物繊維が豊富なので、妊娠中に起こりやすい便秘解消にも効果が期待できます。
甘味がしっかりあるので、ヨーグルトに入れる食べ方がおすすめですよ。
授乳中、柿も果物の一つとして是非楽しんでください。母乳を作るためだけでなく、出産で消耗した母体の回復も大切ですので、特定の食材を避けることはせず色々なものを食べてくださいね。
「流産する」というインパクトのある迷信があり、柿を食べることが不安になってしまうことがあるかもしれませんが、そのような言い伝えに根拠はないのでご安心くださいね。柿が旬の季節には是非お食事やおやつに取り入れて楽しんでください!
(執筆:奥野由 先生:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
参考文献[*1]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)・第2章(データ) 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版) 国立健康・栄養研究所:栄養摂取状況調査のための標準的図版ツール(2009年版)に基づく重量目安表(2009版)食品安全委員会ビタミンAの過剰摂取による影響
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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