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「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の言葉があるように、昔からその美しさが称えられてきた牡丹(ぼたん)。一方で、牡丹が出てくる怪談もあることから牡丹に怖いイメージをもつ人も少なくないようです。そんな牡丹にはどのような花言葉がつけられているのでしょう。牡丹の花言葉や由来、花の特徴などを解説します。
花びらを何枚も重ね大輪の花を咲かせる牡丹(ボタン、ぼたん)。
牡丹につけられている花言葉は「王者の風格」「富貴」「恥じらい」。
原産国の中国では、観賞用の花として牡丹が大人気に。唐代の詩人・白居易は牡丹の人気を「街中の人が狂ったようだ」と記しています。その人気ぶりと大きく鮮やかな花姿から、牡丹は「花王」「花神」とも呼ばれ、中国でもっとも格式の高い花とされました。そこからつけられたのが「王者の風格」「富貴」の花言葉です。
「恥じらい」の由来は諸説ありますが、花の中央にある芯の部分を隠すような花姿が恥じらっているように見えるから、という説がよく知られています。
牡丹は実に色のバリエーションが豊富。赤、ピンク、黄色、白、紫、複色などバラエティに富んでいます。が、色別の花言葉は特に設けられていません。
一般的に白色の花は清楚な意味をもつ花言葉がつけられていたり黄色の花にはネガティブな花言葉がつけられていたりすることが多いのですが、牡丹にいたっては、全般の花言葉のみとなります。
「牡丹 花言葉」と検索すると「怖い」というキーワードも出てきます。牡丹の花に怖いイメージを抱く人も少なくないようですが、牡丹に「死」や「呪い」を意味するような怖い花言葉はありません。
牡丹に怖いイメージがついている理由としては、「牡丹灯籠(ぼたんどうろう)」が挙げられるでしょう。「牡丹灯籠」は明治の怪談。恋仲になった男性を想うあまりに死んでしまった娘が幽霊となり、牡丹の灯籠を携え夜な夜な相手に逢いに行く物語で、日本の三大怪談のひとつとされています。
牡丹はボタン科ボタン属に属する落葉低木。春になると、葉が落ちた枝から新芽を出し、先端に15~40cmほどにもなる大ぶりの花を咲かせます。
一般的な牡丹は春に花を咲かせる春牡丹ですが、春と冬の2回花をつける寒牡丹もあります。また、冬でも花が楽しめるように春牡丹を温度管理し人工的に開花させるケースもあり、これは冬牡丹と呼ばれます。
品種改良が盛んに行われている牡丹は品種が豊富なのも特徴。色のバリエーションが多いほか、一重咲き、八重咲き、千重咲き、万重咲きなど花形も多種多様。品種により異なる美しさを持ち、楽しませてくれます。
・分類…ボタン科ボタン属・原産地…中国・別名…フウキグサ(富貴草)、ハツカグサ(二十日草)、ヒャッカオウ(百花王)、牡丹(和名)・開花期…5~6月・出回り期…11~5月
「牡丹」は原産国である中国の漢語で、「牡」はオスを意味し、雄しべや雌しべが花弁になることからつけられたとされています。「丹」は赤色の意味。色の種類が豊富な牡丹ですが、赤色が基本とされたことから「丹」がつけられ、「牡」と「丹」を合わせて「牡丹」」になったといわれています。
一方、名前の由来には別の説も。牡丹の原産国は中国とされていますが実はブータン原産で、「ブータン」が訛り、やがて「ボタン」になったともいわれています。
誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。牡丹が誕生花となる生年月日は以下のとおりです。
葉牡丹(ハボタン)は名前に「牡丹」がついていることから春牡丹や寒牡丹のような牡丹の一種と思われがちですが、実は牡丹とは異なる植物。アブラナ科アブラナ属に属する多年草です。その姿が牡丹に似ていること、花でなく葉が色づくことから「葉牡丹」と名づけられました。
葉牡丹の花言葉も牡丹とはまったく異なり、「祝福」「物事に動じない」「利益」といった言葉がつけられています。その花言葉どおり縁起のよい花とされている葉牡丹は、お正月に飾られることも多い花です。
牡丹というと、「立てば芍薬、座れば牡丹…」という美人を例える言葉が有名ですね。
ここに出てくる芍薬(シャクヤク)は同じボタン科ですが、牡丹が「落葉低木」であるのに対しシャクヤクは「多年草」で、違う属植物になります。
ただ、花の見た目は見分けるのが難しいほどそっくり。そのため、英語では「peony」の名でひとくくりにされています。
見た目も華やかで花言葉も高貴な牡丹は贈り物にもおすすめの花。美しい女性を例える「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の言葉にちなんで、牡丹、芍薬、百合の花をまとめてブーケにして贈るのもすてきですね。
この記事のライター
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