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HSPとは、Highly Sensitive Personの頭文字を並べたもので、とても繊細な人という意味です「繊細さん」という表現で日本でも広まりましたが、人によっては生きづらさにつながり、ストレスをためやすいと考えられいます。そんな繊細な人にはどう接するべきなのでしょうか?覚えておいてほしいことを解説します。
とても繊細な人を意味するHSP(Highly Sensitive Person)は、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士によって提唱されました。5人に1人が当てはまると考えられています。
特徴が不安神経症や発達障害と似ている部分がありますが、HSPは心理学的な概念で、医学的診断名ではありません。
様々な場面でとても敏感に反応してしまう為、生きづらさやストレスを感じやすく、それが蓄積するとうつ状態などの二次的な症状へつながる可能性もあります。
HSPの程度を確認できるチェックテストを紹介します。当てはまる場合は「YES」、あまり当てはまらない思った場合は「NO」と回答してください。—————————1.周囲の微妙な変化によく気がつくほうだ2.他人の気分に左右されやすい3.痛みにとても敏感である4.忙しい日々が続くと、刺激から逃れられるひとりだけの場所に逃げたくなる5.コーヒーを飲むとすぐ眠れなくなる6.明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい7.想像力が豊かで、空想にふけりやすい8.騒音に悩まされやすい9.美術や音楽に深く心動かされる10.他人に対し、とても良心的である11.些細なことにもびっくりする12.短期間にたくさんのことをしなければならなくなると混乱する13.人が何かで不快な思いをしているとき、その人が何を求めているかすぐに気が付く14.一度にたくさんのことを頼まれるのは避けたい15.ミスをしたり、物忘れをしたりしないように常にチェックしている17.暴力的な表現のある映画やテレビは見ないようにしている18.空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる19.生活に変化があると混乱し、慣れるのに時間がかかる20.デリケートな香りや味、音、音楽を好む21.動揺するような状況を避けることを普段の生活で最優先している22.何かをするとき、競争させられたり観察されていたりすると、緊張し、実力を発揮できなくなる23.子どもの頃、親や教師に「敏感だ」とか「内気だ」といわれていた—————————YESが12個以上あればHSPの可能性があります。12個以下であっても、その程度がとても強いか、DOESの4つの特徴が当てはまればHSPであると考えられます。
※HSPは医学的根拠や診断基準のある概念ではありません。HSPと自己判断してしまうことは、類似性があるほかの精神疾患や障害などへの対応を見過ごしてしまうリスクがありますので、日常生活に問題を抱えている方は、医療機関の受診も検討することをおすすめします。
では、パートナーや子どもなど、あなたの身近にいる人がHSPだったときにはどうでしょうか。
繊細さゆえに生き辛さを抱えている人は、周囲に正しく理解されることを必要とします。困り事の内容や訴えが不安神経症や発達障害の症状と似ていて区別が難しいときには、念のため医療機関に相談することも視野に入れましょう。医学的診断がつかずHSPの可能性がある場合には、その特性についてまず理解を深めてください。
HSPは生まれもった気質であるため、本人の頑張りや意志の強さでどうにかできることではありません。繊細であることを本人の性格や考え方のせいだとして、我慢させたり変えさせたりするのは適切ではありません。苦手な状況や強すぎる刺激からは離れることと、安心できる一人の時間や休息が必要であることを前提として接するようにしましょう。
HSPの人は繊細で疲れやすく、対人関係においてもストレスをためがちですが、一方では慎重で責任感が強く、誠実で他者に対して優しいところがあり、それは長所としてとらえることができます。また、想像力が豊かで物事を深く理解しようとすることも、無駄であるとか考えすぎであると決めつけないようにしてください。芸術作品に親しみ思索を深めることや、一人の時間を有意義に過ごしたいという意志が尊重されることで本人のストレスが軽減されるでしょう。
HSPの特徴を持つお子さんのことをHSC(Highly Sensitive Child)といいます。その特徴はHSPと同じで刺激に敏感なので、幼児であればよく泣いたり、集団生活が苦手だったりして大人が心配になることがあるでしょう。でも感受性が豊かで物事をよく理解できる力を持っています。そのお子さんらしさとして認め、自尊心を低めないように接することが大切になります。—————————HSCについては以下の記事をご参照ください。▶︎HSCは繊細な子供のこと?4つの特徴と23のチェックリスト【心理カウンセラー解説】
ありのままの気質や個性を否定されることはどんな人にとっても辛く、自己肯定感が下がるきっかけになりますが、もともと繊細なHSPの人は特に生き辛さやストレスを抱えがちです。物事を深く感じ取り、他者への気遣いができるといった長所もたくさん持っていますので、そういった個性を活かして過ごせるよう、周囲もHSPについて正しく理解し、尊重していく姿勢が大切ですね。
(文:うららか相談室 大岡みほ/構成:マイナビ子育て編集部)
※写真はイメージです
この記事は「繊細で感受性が強い「HSP」への対処法|自分が/相手がHSP…楽になる方法とは【心理カウンセラー解説】」をもとに、一部抜粋・再編集されたものです。全文はこちらからご覧ください。
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参考文献エレイン・ℕ・アーロン、富田香里(翻訳)、『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』SBクリエイティブ、2008高田明和、『脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』幻冬舎、2017イルセ・サン、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2016高田明和, 2020, 12個以上当てはまったら“超過敏”。HSP自己診断テスト, 幻冬舎plus|自分サイズが見つかる進化系ライフマガジン
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、専門家の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます
この記事のライター
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