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夏休みは子育て世帯にとって、1年の中でも大きなイベントと言えます。長期休暇だからこそできることをしたいという家庭も多いと思いますが、一方で、困窮している子育て家庭にとっては、夏休みの「長さ」がつらいという実態があるようです。認定NPO法人キッズドアが行った調査から、その本音を見ていきます。
日本国内の子ども支援に特化して活動している認定NPO法人「キッズドア」では、困窮している子育て家庭の保護者への物資や情報提供、就労支援などを行う「キッズドア・ファミリーサポート」に取り組んでいます。今回、キッズドア・ファミリーサポートに登録している世帯に対して、支援のニーズを把握することなどを目的とした「子育て家庭アンケート」を実施、1,821の有効回答を得ました。その結果、夏休みを喜べない切実な実態が見えてきました。
※画像はイメージです
まず、キッズドア・ファミリーサポート登録世帯のうち、小学生か中学生の子どもがいる家庭を対象に、夏休みの長さについてどう思うかを聞いた設問の結果を見てみましょう。
最も多かった回答は「今より短い方がよい」で47%でした。次いで「今のままの長さでよい」36%が続いています。
小学校・中学校の夏休み期間は年度や地域ごとに多少異なりますが、だいたい40日前後の場合が多いでしょう。1ヶ月以上にわたる夏休み期間に対して、長すぎると感じている親が約半数を占めることがわかりました。
また、「なくてよい」と回答した世帯も、13%と1割以上でした。
夏休みの長さについて―キッズドア「2024 夏 子育て家庭アンケートレポート」より
前問で、夏休みは「今より短い方がよい」「なくてもよい」と回答した人を対象に、その理由を聞いてみると、「子どもが家にいることで生活費がかかるから(エアコン代など)」で78%、「給食がなく、子どもの昼食を準備する手間や時間がかかるから」76%、「子どもに夏休みの特別な体験をさせる経済的な余裕がないから」74%、「給食がなく、子どもが必要な栄養を摂れないから」68%といった理由が見られました。
困窮している子育て家庭にとって、夏休みが大きな負担になっている状況がうかがえます。現在の日本の夏の暑さを考えると、節約のためとはいえエアコンの使用をやめることは現実的ではないので、夏休み中の生活費の増加はとくに切実さを増していると思われます。また、夏休みに合わせていろいろなイベントが催されますが、そうした体験をさせてあげたくてもお金がかかるので難しい、というシビアな現実がみてとれました。
夏休みはなくてよい/今よりも短い方がよいと考える理由(複数回答)―キッズドア「2024 夏 子育て家庭アンケートレポート」より
夏休みに予定しているアクティビティがあるかについては、「特に予定しているものはない」が最も多く、52%の世帯が回答しています。予定しているアクティビティとしては、「地域の夏祭り、バザーなど」(25%)、「保護者の実家への帰省」(14%)が比較的多く、以下、「買い物や部活動のコンクール、試合・遠征」(9%)、「海水浴・キャンプ」(8%)、「家族旅行(国内)」(7%)などは、いずれも1割に満たない結果となっています。
夏休みに予定しているアクティビティ(複数回答)―キッズドア「2024 夏 子育て家庭アンケートレポート」より
子どもにとって夏休みといえば、普段はできない体験をする絶好の機会でしょう。しかし、この楽しいはずの長期休暇が、困窮している子育て家庭にとっては、より生活の負担を増やす事態を招いているようです。「少しでも子どもたちに楽しい思いをさせたい」「ほかの子どもと同じように過ごさせてあげたい」と思っている保護者は多いことでしょう。そうした思いと家計の現実で苦しい思いをしている様子が、今回の調査からうかがえました。
(マイナビ子育て編集部)
■2024 夏 子育て家庭アンケートレポート調査対象:キッズドア・ファミリーサポート登録世帯調査期間:2024年5月27日~6月3日回答数:1,821
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