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今や何をするにも欠かせなくなったスマートフォン。便利な連絡手段として、子どもに持たせている保護者も多いでしょう。一方で気になるのが、スマートフォンをきっかけにトラブルなどに巻き込まれること。そこで今回は、「子どものスマートフォンに関する実態調査」から、子どものスマホトラブルについて見て行きます。
ネット関連のトラブルの相談・対応を得意とする弁護士・法律事務所を検索できるポータルサイト「ベンナビIT」が、高校生以下の子どもをもつ保護者に対して、子どものスマートフォンに関するトラブルの実態調査を行いました。実際にどのようなトラブルが起きているのでしょうか。気になる調査結果を一緒に見て行きましょう。
なお、調査対象となったのは4,259人で、子どもの年齢別でみると、小学生未満が1,358人、小学1年生〜3年生が811人、小学4年生〜6年生が793人、中学生が746人、高校生が551人となっています。
※画像はイメージです
まず、子どもにスマートフォンを持たせているかという設問に対しては、44.0%が「持たせている」と回答しています。一見すると半数に満たないため、それほど多くないという印象を持つかもしれません。
しかし、調査対象のうち、小学生未満の子どもを持っている保護者が31.8%を占めます。小学生未満の子どもにスマートフォンを持たせるケースは少ないだろうということを考慮すると、44.0%は必ずしも低い数字ではないでしょう。小学生以上の子どもでスマートフォンを持っている割合は、これよりも多いことが想像されます。
前問で、子どもにスマートフォンを「持たせている」と回答した保護者に対し、いつから持たせたかを聞いた設問で、多い回答となったのは「中学1年生から」24.4%、「小学校高学年から(5~6年生)」24.3%でした。約半数の親は小学校高学年~中学校1年生の間に、子どもにスマートフォンを持たせるようになるようです。
また、「小学校低学年から」「小学校中学年から」という人もそれぞれ15%超と、一定数見られました。なかには「幼稚園/保育園から」というケースも5.7%あり、子どもが幼い時期からスマートフォンを持たせることも、珍しくなくなってきています。
同じく子どもにスマートフォンを「持たせている」と回答した保護者に対し、子どもにスマートフォンを持たせていて不安に思うことを聞いた設問で、最も多かった回答が「スマートフォン依存」で1,205人(64.3%)でした。次いで「SNSでのいじめ」776人(41.4%)※、「知らない人とのやり取り」756人(40.3%)、「視力の低下」616人(32.9%)、「生活習慣の乱れ」534人(28.5%)などとなっています。
なかには「ゲームの高額課金」や「家族内での会話の減少」などを挙げている保護者も。やはり親にとって子どものスマートフォン所有は、何らかの心配の種になっていることがうかがえます。
※SNS…LINE/X/Instagram/TikTok/Facebookなど
同様に、子どもにスマートフォンを「持たせている」と回答した保護者に対し、子どもがスマートフォンに関わるトラブルを経験したことがあるかを聞いた設問では、23.2%が「ある」と回答しています。2割以上が何らかのトラブルに巻き込まれたことがあるというのは、決して小さくない数字だと感じられます。
前問で「子どもがスマートフォン関連のトラブルを経験したことがある」と回答した保護者の中から、無作為に200人を選定し、その具体的な内容を聞いたところ、「友人間でSNSいじめがあった」72人、「子どもがSNS上で誹謗中傷をされた、もしくはしてしまった」69人がほぼ同数となりました。
次いで、「アプリ・ゲームで高額な課金があった」57人、「有害なサイトや画像を見ていた」50人などとなっています。やはりSNS関連のトラブルが多いようです。SNSは便利なコミュニケーションツールですが、いじめや誹謗中傷のリスクもはらんでいるため、十分に注意して使う必要があるでしょう。
最後に、前問でのトラブルの最終的な結果を具体的に聞いたところ、以下のような声が聞かれました。
✅「SNSいじめについて学校・先生・保護者を巻き込み、話し合いと事実確認の場を設け、謝罪することで解決した」(神奈川県・30代・男性)
✅「フィッシングサイトにアクセスしたのでフィルタを設定した」(兵庫県・30代・男性)
✅「ゲームの高額な課金があったので、購入時にパスワード入力を必須として子どもが自由に課金できないように設定を変えた(東京都・30代・女性)
✅「長時間使用や兄弟間のスマホの取り合いで喧嘩をした際は、本人としっかり話をすることで、親子お互いに納得できる使用ルールを決めた」(栃木県・20代・女性)
いじめや喧嘩に関しては、親など周りの大人が間に入り対応することで解決したようです。また、その他のトラブル対策としては、使用ルールを決めたり、設定を変更したりすることが有効であるとわかります。
スマートフォンを子どもに持たせることは、通信手段として便利でGPS機能を使えることもあり、親として安心材料になるかもしれません。その一方で、今回の調査からわかるように、SNSでのトラブルに見舞われるリスクなども生じます。また、トラブルにとどまらず、何か事件に巻き込まれてしまう恐れも。警察庁によるとSNSに起因する事犯の被害児童数は、令和5年には1,663人だったということです[*1]。SNSの危険についてしっかりと子どもに理解させ、スマートフォンの使用ルールも取り決めたうえで、持たせることが大切ですね。また、もし何かあったときには自分だけで何とかしようとするのではなく、親や学校の先生といった大人に相談するように、日頃から子どもに伝えておくとよいでしょう。
(マイナビ子育て編集部)
■子どものスマートフォンに関する実態調査調査対象:全国の高校生以下の子どもを持つ親4,259人対象とする家庭の子どもの世代ごとの人数:小学生未満(1,358人)、小学1年生〜3年生(811人)、小学4年生〜6年生(793人)、中学生(746人)、高校生(551人)調査期間:2024年6月28日~7月1日
出典:ベンナビIT(株式会社アシロ)https://itbengo-pro.com/columns/334/
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この記事のライター
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