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身近なものが子どもの安全を脅かすことがあります。しかし、知っておくだけで防げる事故もあります。今回は節分の「豆」が原因で起きた事故事例を紹介。豆・ナッツ類は子どもの誤嚥(ごえん)、窒息事故の原因となることが多いです。大人が何気なく食べているからとつい与えてしまうと、思わぬ事故につながるかもしれません。

※写真はイメージです
2020年2月3日、島根県のX保育園では節分の行事が行われていました。Aくん(当時4歳・男児)は他の園児とともに行事に参加。食べる用に配られた豆を食べてから、カップに豆まき用の豆を入れてもらいました。その後、部屋に鬼が入ってきて、鬼退治が始まります。
鬼の登場に逃げたり、怖がって泣いたりする園児がたくさんいる中、Aくんは鬼に捕まりますが手を振り切って逃げます。逃げた先でしゃがんでいたAくんの様子が急変したのはその直後でした。
バンバンバン!!
Aくんが床にうつぶせに倒れ、手で床を叩いたのです。しかし、その様子を見ていた保育士はつい先ほどまでAくんが鬼に捕まっていたこともあり、「機嫌が悪いのだろうか」と感じただけで声をかけることはしませんでした。
それから数分後、Aくんが仰向けになっているところを保育士が発見。駆け寄ると、Aくんの顔は青白く、唇は紫色になっていました。意識と呼吸がなくなっていたのです。
園内にいた看護師が救命措置を行い、その後救急搬送されました。Aくんは搬送先の病院で救命措置を受けましたが亡くなりました。原因は気道に豆が詰まったことによる窒息でした。[*1]

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消費者庁の資料によると、2014年から2019年までの6年間で発生した、食品による14歳以下の子どもの窒息死は80件。そのうち、9割を占める73件が5歳以下の子どもでした[*4] 。
過去には市販の乳幼児用パンやブドウでの窒息事故も起きており、食べ物による窒息は決して珍しいものではありません[*2] [*3]。
なぜ子ども、とくに5歳以下の幼い子は食べ物による窒息や誤嚥を起こしやすいのでしょうか。
ひとつは、乳幼児は食べ物をかみ砕いたり、飲み込んだりする力がまだ十分に発達していないことが挙げられます。また、大人と比べてせき込む力も弱く、気道に入りそうになった食べ物を咳で押し返せずそのまま気道をふさいでしまい、窒息につながるリスクがあるのです[*4] [*5]。
ほかにも、走りながら食べた、一気に食べ物を詰め込んだなど、食事の際の行動が原因で窒息や誤嚥につながったケースもあります。
3歳の子どもの口の直径はおよそ4cmと言われています[*6]。これはトイレットペーパーの芯とほぼ同じ大きさ。そのため、トイレットペーパーの芯を通る大きさのものは、子どもが飲み込んでしまうリスクがあると考えて注意してください。

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子どもの誤嚥、窒息を防ぐために、大人はどのようなことに気を付けなければならないのでしょうか。
今回のAくんの事故は、節分の豆が原因でした。豆まきをするときには、個包装の豆をまく、豆の代わりに丸めた紙をまくなどして、子どもが豆を口に入れないようにしましょう。また、拾って食べることがないよう、すぐに後片付けを行いましょう。
節分豆のほか、ナッツ類も5歳以下の子どもには与えないでください。
ほかにも、餅や白玉団子など粘着性があって飲み込みづらい食べ物、いか、こんにゃくといった噛み切りにくい食べ物を5歳以下の子どもに与えることは避けてください。

出典:日本小児科学会「〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜(2025 年8月改訂 ver.3)」より
ブドウやミニトマト、ソーセージ、うずらの卵といった、つるつるしている食べ物、丸い食べ物は、丸飲みのリスクがあります。5歳以下には4等分にしてから与えるようにしましょう。ソーセージは縦半分に切ってから与えましょう。
とくにミニトマトやソーセージはお弁当にも入れることの多い食材です。小さな子どものお弁当に入れる場合には必ず切ってから入れるようにしてください。

出典:日本小児科学会「〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜(2025 年8月改訂 ver.3)」より
食べ物による子どもの誤嚥、窒息は食べ物の大きさや形状だけでなく、食事中の行動が原因で起きた事例も多くあります。食べ物を入れたまま寝転がったり走り回ったりさせず、座って姿勢をよくし、食事に集中できる環境をつくりましょう。よく噛んで食べることも大切です。
一気に口に食べ物を詰め込んでしまう場合には、大人が一口分をスプーンですくってから渡す、小分けにして出す、合間にお茶など水分を摂らせながら与えてみてください。
また、泣いているときや眠そうなときに食事をさせようとすると、誤嚥や窒息のリスクが高まります。無理に食べさせないようにしてください。
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(文・構成:マイナビ子育て編集部/監修:山田 克彦 先生)
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この記事の監修ドクター 山田 克彦(やまだ かつひこ) 先生 佐世保中央病院小児科診療部長。大分医科大学(現・大分大学)医学部卒業。現在はリハビリサポートひうみ(介護老人保健施設)勤務 。専門は小児科一般、小児循環器、小児肥満、小児内分泌、動機づけ面接、老年医学。参考文献[*1] 松江市教育・保育施設等における 重大事故の再発防止のための事故検証部会 報告書(令和3年6月)[*2] 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)「No. 49ブドウの誤嚥による窒息」[*3] 日本小児科学会 Injury Alert(傷害速報)「パンの誤嚥による窒息(No.49 ブドウの誤嚥による窒息の類似事例4)」[*4] 消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」[*5] 日本小児科学会「〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜(2025 年8月改訂 ver.3)」[*6] 政府広報オンライン「赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!万一のときの対処法は?」
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この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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