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深まる秋にこっくりした味わい&色合いのロゼシャンパーニュを

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ロゼシャンパーニュというと、ピンク色のイメージがありますが、特別な製法で造られた、赤色に近い濃い薔薇色のロゼシャンパーニュがあります。その濃厚な色合いと、こっくりした味わいは、深まりゆく秋の季節にぴったりです。

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目次

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スパークリングワインといえばシャンパーニュ

グラスの底から優雅に舞い上がる泡は、スパークリングワインの最大の魅力です。

華やかなシーンによく似合うスパークリングワインは、世界のワイン産地で生産されていますが、最も有名な産地といえば、なんたってフランスのシャンパーニュ地方です。この地方で生産されたスパークリングワインだけが「Champagne」(シャンパーニュ)を名乗れます。

シャンパーニュは、いったん発酵が終わったワインに糖と酵母を加え、瓶の中で熟成させながら泡を発生させる“瓶内二次発酵”という製法で造られます。瓶内熟成の期間は、シャンパーニュの場合は36カ月以上と決められています。この時間がシャンパーニュをおいしくします。

ロゼは特別なシャンパーニュです

シャンパーニュの中でも、ピンク色の「ロゼシャンパーニュ」は生産量が少なく、その美しい色合いからも大変人気です。

ピンク色にするには、黒ブドウの果皮から色を抽出させる方法(セニエ方式)と、赤ワインを加える方法(アッサンブラージュ方式)がありますが、後者を採用するメーカーが大半です。

ロゼシャンパーニュにブレンドする赤ワインの比率は約5%、高くても10%程度のメーカーが多いですが、Champagne PIPER-HEIDSIECK Rosé Sauvage(パイパー・エドシック「ロゼ・ソヴァージュ 」)は、ピノ・ノワールで造った赤ワインを25%もブレンドしています。

「ロゼ・ソヴァージュ」の構成は、50~55%のピノ・ノワール、30~35%のシャルドネ、10~15%のピノ・ムニエです。黒ブドウは果皮だけが黒いので、中の果肉の部分で白ワインをつくります。

白ワインに赤ワインを加えると、ワインに苦みや青臭さが出てしまう危険性があり、さらに赤ワインの比率が高くなると、シャンパーニュとしてのパランスを取るのが非常に難しくなります。それを絶妙なバランスで仕上げたのが、「ロゼ・ソヴァージュ」です。

「ロゼ・ソヴァージュ」は収穫年の入らないノンヴィンテージシャンパーニュで、現在のシェフ・ド・カーヴ(醸造長)が就任した2002年から造られています。ただし、毎年は造られず、気に入った赤ワインができない年は生産しません。こだわりにこだわっているロゼシャンパーニュなのです。

シャンパーニュをワイングラスに注いでみましょう

赤ワインの比率が高い「ロゼ・ソヴァージュ」は、なんといっても色が濃いのが特徴です。それはもう、ピンクというよりも、赤ワインに近い濃いバラ色です。

ベリー系のアロマが濃密で、ほんのりと甘いスパイスの香りもあります。泡のキメはとても細かく、しっとりクリーミーで、果肉感たっぷりのアタックとともに、舌になめらかにからみつきます。口の中いっぱいに広がる厚みのあるフルーツと豊かな酸とのバランスも絶妙で、うっとり心地よいシャンパーニュです。

「ロゼ・ソヴァージュ」は、泡がやさしく、ボディに厚みがあり、酸もあるので、通常のワインのように、色々な食との可能性が広がります。例えば、注ぐグラスを変えることで味わいも変化し、幅広いフードに合わせて楽しめます。

いつものように、キーンと冷やしてシャンパングラスに注げば、乾杯やアペリティフにピッタリですが、赤ワイングラスに注ぐと、ベリーの香りがより華やかに開きます。味わいもまろやかになり、スティルタイプのワインを飲んでいるような感じがします。

脚のないコロンとしたグラスに入れても面白く、ボウル部分を直接手で持つことで温度が上がり、まったりやさしいニュアンスが出て、よりフルーツの甘みを感じます。

「ロゼ・ソヴァージュ」は酒質にパワーがあるので、空気に触れて温度が上がってもボヤけず、また、酸がしっかりあるため、時間をかけて飲んでも、最後までおいしく飲めるシャンパーニュです。

果実味がフレッシュな赤ワイン的に楽しめますから、肉料理やスパイシーなエスニック料理にも合わせられ、ラムチョップ、鹿肉、鴨などにもオススメです。マカロン(私のイチオシはフランボワーズフレーバー)にもピッタリですし、フレッシュなフルーツを加えてカクテルにしても楽しめます。

ふたりで何本ものワインを用意するのは大変ですが、これ1本で最初から最後まで通せる「ロゼ・ソヴァージュ」は、なんとも優秀!

美女たちが愛した「パイパー・エドシック」

1785年創業の「パイパー・エドシック」は、シャンパーニュで最も古いメゾンのひとつです。あのマリー・アントワネット(1755~1793年)にも献上され、宮廷でも人気を博しました。また、往年の名女優マリリン・モンロー(1926~1962年)が目覚めに飲んでいたシャンパーニュとしても知られています。

アントワネットといい、モンローといい、世界の美女たちに愛されてきた「パイパー・エドシック」は、現代では、カンヌ国際映画祭やアカデミー賞の公式シャンパーニュ・メゾンとして、レッドカーペットに華を添えています。

そんな華麗なエピソードいっぱいの「パイパー・エドシック」ですが、プライスは比較的リーズナブルな点も、人気の秘密なんでしょうね。

普段からよくシャンパーニュを飲むという方も、深まりゆく秋の夜長、ちょっといい気分に浸りたい時、ふたりでまったりしたい時に、ロゼシャンパーニュ「ロゼ・ソヴァージュ」を用意してみませんか?

その深みのある美しい色と味わいで、しっとりとしたシアワセな時間が過ごせること間違いなしだと思います。



この記事のライター

綿引まゆみ

ワインジャーナリスト。ワイン専門誌「Winart」をはじめ、料理系雑誌、ライフスタイル誌、出版系webサイトなどで、ワイン、食、旅に関する記事を執筆。ワインセミナー講師、トークショー、海外のワインコンクール審査員を務めるなど、幅広い活動を行なっている。チーズプロフェッショナル、ビアソムリエ、コーヒー&ティーアドバイザーの資格も所有。

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