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寒い冬に白ワインは合わないように思えますが、おいしく飲める白ワインもあります。普段飲みにちょうどいい1000円ぐらいのもの、ホームパーティーに持参してみんなをあっと言わせる3000円前後のもの、記念日や大切な人への贈り物に失敗しない5000円以上のおすすめワインを、お値段別で紹介します。
1,000円前後の白ワインなら、ポルトガルの「ヴィーニョ・ヴェルデ」がイチオシです。
直訳すると「緑のワイン」という意味になりますが、ワインが緑色というわけではありません。でも、グリーンがかった若々しい色調の白ワインが多いですから、ある意味、合っているかも?
ヴィーニョ・ヴェルデの産地は、緑が豊かで美しい土地としても知られていますので、“ヴィーニョ・ヴェルデは、緑豊かな美しい土地のワイン”、とぜひ覚えてください。
ヴィーニョ・ヴェルデのワインは、フレッシュな果実味と酸があり、アルコール度数も軽く、サッパリ&スッキリと飲めるものが多いのが特徴です。中には、軽い発泡のあるものもあります。料理とのペアリングでは、魚介のマリネ、シーフードサラダ、イカや白身魚の刺身や寿司など、シーフードとの相性が抜群です。
左から)ガタオ、ガゼラ、カザル・ガルシア
ヴィーニョ・ヴェルデは、白ワインだけでなく、ロゼや赤もありますが、日本に一番多く輸入され、種類も多く、お値段も手頃なのが、白ワインです。ブドウはポルトガルの地場品種のブレンドが多く、なかなか品種名を覚えきれませんが、まずは「ヴィーニョ・ヴェルデ‐Vinho Verde」という名前から覚えましょう。
写真で紹介した3本は、おそらくスーパーなどで見つけられると思います。
ブドウ品種は、アザル、ペデルナン、トラジャドゥーラ、アヴェッソのブレンド。「ガタオ」はポルトガル語で「猫」。エチケットにも猫が描かれているので、猫好きにはたまりません。(輸入元:木下インターナショナル)
使用ブドウは、ロウレイロ 40% 、ペデルナン 30%、トラジャドゥーラ 15%、アザル 15%。ほどよいボリューム感の果実味に、フレッシュな酸が加わり、キーンと冷やしてシャキッと飲めるワインです。(輸入元:サントリーインターナショナル)
ブドウ品種は、トラジャドウラ、ロウレイロ、アリント、アザル。上品で繊細なレースのデザインが女子のココロを鷲掴みにします。テーブルに置くだけで優雅な気分になれるワインです。(輸入元:播磨屋)
ヴィーニョ・ヴェルデは、寄せ鍋、タラちり、といった鍋料理にもおすすめです。鍋料理は魚介類の具材が多いですから、ヴィーニョ・ヴェルデの白がピッタリ合います。肉系なら、鶏の水炊き、豚しゃぶもおすすめです。
アツアツの鍋料理を食べていると、身体の中からホカホカしてきます。時には汗を流しながらハフハフ食べることもあるでしょう。そんな時に、キーンと冷えた、サッパリとした飲み心地の、ヴィーニョ・ヴェルデのような白ワインは嬉しいものです。
鍋を囲んでワイワイ飲む機会が多い冬だからこそ、軽快に飲めるヴィーニョ・ヴェルデは、ぜひ押さえておきたいワインのひとつです。
C.V.N.E. Monopole Classico
スペインのリオハ地区は赤ワインの生産がメインの産地ですが、ここにユニークな白ワインがあります。
1879年に創業した「C.V.N.E.(クネ)」社では、ビウラ100%の辛口白ワイン「クネ モノポール」(左)を1915年より生産していますが、2017年春、「クネ モノポール・クラシコ」という白ワインが日本に初上陸しました。
デイリーに楽しめる辛口白ワイン「クネ モノポール」(画像左)参考上代1,500円(税抜)に少量のシェリーを加えた特別なスタイルの白ワインが、「クネ モノポール・クラシコ」です。
白ワインにシェリーを加えるクラシコスタイルのワインは、1970年代まではスペイン全土でもよく見られましたが、時代とともにクラシコスタイルが人々の味覚やファッショントレンドと合わなくなり、生産されなくなってきました。それを復活させたのが、「クネ モノポール・クラシコ」です。
熟れた果物、スパイス、クリームを思わせる複雑なアロマと味わいがあり、ナッツの香ばしさもあります。酸の厚みがあり、しっかり骨太。味わいも複雑で、余韻も長く、個性的なワインです。人によって好みはあるかもしれませんが、驚かれること間違いなし!コックリした味わいの料理、チーズ、ゴマを使った料理などがオススメです。(輸入元:三国ワイン、参考上代:3500円(税抜))
5,000円以上の白ワインとなると、一般的に想像するのはシャルドネのワインでしょう。贈り物にする際にも、シャルドネを選んでおけば、大きく外すことはないはずです。
ですが、シャルドネは定番すぎて…と悩んだ時、相当のワイン好きの方への贈り物にするなら、こんな白ワインはいかがでしょうか?
Sanguis Beekeeper 2013
アメリカ、カリフォルニア州サンタ・バーバラの生産者「サングイス」がつくる「ビーキーパー」という白ワインです。使用ブドウは、マルサンヌ43%、シャルドネ25%、ヴィオニエ27%、ルーサンヌ5%。おなじみのシャルドネも使われていますが、マルサンヌ、ヴィオニエ、ルーサンヌという南仏のブドウ品種が主体です。
ステンレスタンク(60%)とフレンチオーク樽(40%)で24カ月熟成されていて、アルコール度数は15.1%もあります。
フローラル系と完熟フルーツ系のアロマが混ざり合い、口に入れると、とろりとして、花と果物の味わいが濃密で、しかもキュッと引き締まっています。優雅で洗練された余韻が長く続き、本当に素晴らしい出来のワインです。
暑い季節にキーンと冷やして飲むのではなく、気温の低い季節に、あまり冷やしすぎず、やや大きめのグラスで、上質な料理と一緒にゆっくり楽しみたいワインです。生産者のオススメ料理は、チーズフォンデュなど。それはたしかにおいしそう!
「ビーキーパー」は2017年春に日本に初上陸したワインですので、まだあまり知られていないと思います。蝋封の栓が高級感を出していて、こうした特別感も、贈り物のポイントになるでしょうか。(輸入元:アイコニックワイン・ジャパン、希望小売価格:8,000円(税抜))
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綿引まゆみ
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ワインジャーナリスト。ワイン専門誌「Winart」をはじめ、料理系雑誌、ライフスタイル誌、出版系webサイトなどで、ワイン、食、旅に関する記事を執筆。ワインセミナー講師、トークショー、海外のワインコンクール審査員を務めるなど、幅広い活動を行なっている。チーズプロフェッショナル、ビアソムリエ、コーヒー&ティーアドバイザーの資格も所有。
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