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産経新聞社は、日本の現代アートに大きな足跡を残した2人の展覧会「須田剋太×白髪一雄 二人の曼陀羅」を11月27日(土)~2022年1月10日(月)の期間、尼崎市総合文化センター美術ホールで開催する。
須田剋太氏(1906-1990)は、埼玉県吹上町(現・鴻巣市)生まれ。旧制中学を卒業後に浦和市(現・さいたま市)に出て、独学で油画を学び、光風会、文展、新文展など戦前から戦後にかけて官展で活躍した。
戦後は関西に移り住み、長谷川三郎氏との出会いにより力強く、造形性豊かな抽象画を描き、世界の現代美術の動向の中で高い評価を得た。また、1971年から「街道をゆく」(司馬遼太郎著・朝日新聞出版)シリーズの挿絵を1990年に亡くなるまで担当するとともに、再び具象画を描きはじめ、書においても独創的な作品を残した。
白髪一雄氏(1924-2008)は兵庫県尼崎市に生まれ、京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)に進学して日本画を学ぶ。卒業後は洋画に転向して風景や人物画を描き始めたが、天井から吊るしたロープにつかまり、床に広げたキャンバスの上に絵具を置いて縦横無尽に素足で描くフット・ペインティングという独自の描画法による抽象画を生み出し、国際的に高い評価を得た。
また、1960年代後半に仏教に関心を抱きはじめ、比叡山延暦寺で得度し(法名:白髪素道)、1974年に修行を行った。その頃から密教をテーマとした作品も多数描いている。
須田氏は国画会、白髪氏は具体美術協会を拠点としていたが、1950年代の関西の現代美術界ではゲンビ展などにともに出品し、50~60年代に日本の現代美術が国際的な美術展で紹介される際に、二人は日本を代表する抽象画家として選出され、活躍の場を広げた。
同展では、大阪府20世紀美術コレクションの須田作品と、尼崎市所蔵の白髪作品を中心に、「抽象と具象」「仏教」「書」の3つのテーマを軸に約80点の作品を紹介する。
同展の入場料は、一般800円、シニア(65歳以上)、大学生700円、高校生以下無料、また、障がい者手帳等を持っている人は半額、その介助者1人は無料。
日本の現代アートに大きな足跡を残した2人の展覧会「須田剋太×白髪一雄 二人の曼陀羅」に訪れてみては。
■「須田剋太×白髪一雄 二人の曼陀羅」
会場:尼崎市総合文化センター美術ホール
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