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多くの女性を悩ませるヘアスタイリング。そのキモは「ドライ」にあるってご存知でしたか?働いている女性は、朝の数分ですら惜しいもの。「髪型が決まらない!」と嘆く前に、美容師の阿波連さんが教えてくれる、具体的なドライ術を試してみてはいかが?
みなさんこんにちは。
『ドライヤーとドラえもんって発声するときの音程がほとんど同じ』
そんな思いにふけながら記事を書き始めた美容師の阿波連 大竜(あなみ だいりゅう)です。
はい今、クチビルが少しでも動いたそこのあなた。
僕の勝ちなので最後まで読んでくださいね。
では、今回は髪の毛を上手にスタイリングするための基礎になる乾かし方のお話をさせていただきます。
美容室で教えてもらった感じにブローしてるのに、朝から髪の毛のスタイリングが上手くいかなくてイライラ…なんてことありますよね。
あれ実は、前日(もしくは朝)のドライヤーでの乾かし方に原因があったりするんです。
美容師がなにげなくかけているように見えるドライヤー。
彼らは長年の経験と知識で
・ドライヤーの風の方向
・手ぐしの通しかた
・毛流の修正
・根元の立ち上げ
…etc
等を、にこやかに雑談しながらも緻密に計算しています。
髪の毛は性質上、『濡れた状態から乾いていく過程でカタチがつく』ので、ドライの過程がとても重要(ブラシでのブローやアイロンなどは、自然な状態での髪の毛の中に残った水分を使ってクセ付けしています)。
特に、毛流れの修正や毛の立ち上がりなどのヘアスタイルの基礎であるフォルム作り(ボリューム感など)を乾かす時にやっておくことが大切です。
この過程がヘアスタイルの見え方の7~8割を作っているといっても過言ではないので、今回の記事を参考に是非意識してみてくださいね。
人間の頭には、つむじを中心に渦を巻くように髪の毛の流れがあります。
以前の記事でも書きましたが、頭皮には髪の毛の立ち上がりに影響する『立毛筋(りつもうきん)』という組織があり、この組織が元気なうちは髪の毛を支え起こしてくれているのでつむじの流れの影響もそこまで強くありません。
しかし年齢を重ねるごとに『立毛筋』の働きが弱まってくるため、徐々に髪の毛が倒れて寝てきてしまいます。
そうすると、つむじからの毛流れも強くなってくるため髪の毛が頭に巻き付くように全体的につぶれてボリューム感が無い印象になりやすいんですね。
それをカバーしながら乾かすには、ご自分の髪の毛の流れをよく見て把握することが大切。
まずは手鏡などを準備して、ご自分の毛流れよーく観察してみてください。
トップのボリュームが出にくい方は分け目を中心に左右に倒れていたり
前髪が割れやすい方は割れやすい箇所に弱いつむじのような毛流れがあったり
右側だけハネやすいなんて方は、右側の髪の毛の根元が後ろに倒れていたりしていませんか?
しっかり観察してご自分の毛流れを把握したらもうコッチのもんです。
ボリュームが欲しいところや割れやすい箇所などを中心に、『毛流れに逆らう方向』に髪の毛を動かしながら乾かしてみてください。
その際、しっかりと根元の方向を修正したところにドライヤーの風を当ててくださいね。
こんな風に、毛先を持ち上げてるのに根元の毛流れがそのままだったり持ち上げてる毛先や中間部分に風をあてても毛流れの修正が出来ないので注意してください。
それ以外にも、髪の毛自体にクセがある方は毛を引っ張りながら乾かしてクセを弱めておくとその後のスタイリングが楽になります。(クセ毛でお困りの方はご存知の方が大半だと思いますが…)
これが上手に出来るようになったらスタイリングの下地は完璧!
次は、ドライヤー時のフォルム(ボリューム)コントロールのコツをお教えしますね。
ドライヤーで乾かす時の髪の毛の立ち上がりや割れる部分などの修正が分かったところで
更にフォルムをコントロールするコツとして『ボリュームの引き算』があります。
先ほど根元の立ち上げるように乾かして作ったボリューム感を、より効果的に見せるために不必要なボリュームを潰しましょう。
先ほどとは逆で、髪の毛の立ち上がりによって変にボリュームが出過ぎてしまう箇所や、骨格などの影響で張って見えやすい箇所の根元を倒しながら乾かします。
例えば、日本人の骨格にありがちな
『ハチ張り』(ハチマキを巻くところの骨が張っている)
ハチが張ったフォルムになると、その影響で相対的にトップが平らに見えやすくなります。
この部分のボリュームを抑えるためには、髪の毛をナナメ下方向に引っ張りながら乾かすとカバーできます。
この時、ハチの部分の髪の毛の根元が下方向にしっかりと倒れていることを確認しながらやってみてください。
次は、今挙げた『ハチ張り』なども含め
日本人に多い骨格や、毛流れをカバーする方法を頭全体で考えていきます。
日本人の頭の骨格の特徴として『ハチ張り』以外にも『絶壁』などが挙げられます。
これに加えて日本人は欧米人と比べて平面的な顔立ちの人も多かったり
年を重ねるごとにだんだんとトップのボリュームも無くなってきやすいので
正面(顔)や背面(絶壁)、そして上面(頭頂のボリューム感)がフラットになると
頭部の理想形と言われる『タマゴ型』というより、どちらかと言うと『サイコロ型』のように見えやすくなります。
この日本人のウィークポイントともいえる骨格をフォローして頭部全体のシルエットがキレイに見える乾かし方のコツをお教えしますね。
ここにサイコロ君を用意しました。
ハチが張り、絶壁で、トップが潰れやすい。
まあ、ここまで四角い人はいませんが(笑)
このサイコロ君を頭に思い浮かべながらスタイリングすると上手くいきやすいです。
まずは、引き算でボリュームをダウンさせるところ
それは、
「辺」と「角」
この部分をボリュームダウンさせるように根元を潰しながら乾かすと良いです。
(もちろんアゴとかは無理ですが。汗)
特に、「角」の部分は見落としがちなポイントなので意識してみてください。
ただし!
顔回りの「辺」は、立ち上がりを潰し過ぎると前髪のふんわり感がなくなってぺたんこに感じたり、こめかみ辺りの骨格や毛流れの影響で元々潰れやすいところを更に潰してしまう事になり顔回りの印象が暗くなってしまうので、潰しすぎないようにしてくださいね。
次に足し算でボリュームを出すところ
それは
「面」
この面をボリュームアップさせるように根元を起こして乾かしてみてください。
(もちろん鼻とかは無理です。汗)
この時、面全体をボリュームアップさせると『辺』や『角』が滑らかにならないので
各面がサイコロの『1』だったとして、1の赤丸部分が頂点になるようなイメージでやってみると上手くいきますよ。
この『辺』『角』『面』を意識しながら、ヘアスタイルのフォルムを作ることで理想形のタマゴ型に近づきます。
そうすると頭が小さく見えるだけでなく、相対的に顔の中心にある鼻も高く見えて顔にも立体感を感じやすくなります。
ボリュームバランスのとれたキレイなフォルムが出来たら、あとは楽しい装飾です。
毛先をカールさせたり、ハネさせたり、前や後ろに流したり。
毛先の動きでヘアスタイルのニュアンスやテイストを作っていきましょう♪。
本来はここまでのフォルム作りという土台があって初めて毛先の動きが活きてくるのですが、わからないと印象の強い毛先だけを一生懸命やってしまいますよね。
僕も美容師じゃなかったら確実に毛先の動きばかりを一生懸命作ろうとしていると思います。
しかし先にも書いたように乾かし方がヘアスタイルの見え方の7~8割を作っているといっても過言ではないので、今回のドライヤーでの乾かし方を参考にしてもらい、みなさんの毎日のスタイリングが少しでも楽しくなってもらえたら嬉しいです。
たかがドライヤー、されどドライヤー。
お腹まわりはドラえもんの阿波連大竜でした。
この記事のライター
阿波連大竜
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美容師が好きがゆえ、オーナーにならずに美容師として生きていく道はないかと模索しながら様々なタイプのサロンを渡り歩く。その傍らヘアメイクの講師を務めていたデザイン系の学校が代官山に新しくヘアサロンをオープンさせる事になり立ち上げから参加。店舗責任者を任せられる。二年後、ここらで独立したらなんだかワクワクしそうだなという思い付きのみで2008年、代官山に自身のサロン『VoguA』をオープン
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