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「灯台と水平線を望むお詣り支度の宿」をテーマとした、島根県にある星野リゾートの温泉旅館「界 出雲」に、俳優でフォトグラファーの染谷ノエルが訪問。そこでの体験を2回にわたってレポートします。前回の「ホテル堪能編」に続き、今回は「界 出雲」でできる体験を紹介する「アクティビティ編」をお届けします。ご当地楽「石見神楽 国譲り」など、出雲ならではの文化を味わってきました。
それぞれの地域の特徴的な魅力を楽しめるよう、界がそれぞれの施設で行っている「ご当地楽」。「界 出雲」では、島根に伝わる伝統芸能「石見神楽(いわみかぐら)」をスタッフが演じます。
演目は、出雲大社の起源となる神話を題材にした「国譲り」です。国譲りとは、天上の国である高天原から遣わされた使いと、出雲の国を治める大国主命(おおくにぬしのみこと)の息子が、国をかけて戦いを繰り広げる物語です。
迫力のある音楽と華やかな衣装が特徴で、戦いの途中の衣装の変化も見どころです。
衣装は全て職人の手作業でつくられていて、豪華が故にとても重いのだとか。重い衣装をまといながらも、初めから終わりまで、ほぼノンストップで舞い続けている姿に魅了されっぱなし。
至近距離で鑑賞できるので、演者の息遣いまで聞こえてきて、迫力満点です。
冬場以外は、外にある「ご当地楽広場」にある舞台で、炎をバックに行われます。ご当地楽広場には、石見神楽が伝わる石見地方特産の、少し赤みがかった「石州瓦(せきしゅうがわら)」のベンチが設置されています。
公式サイトをチェック >「界 出雲」の中で最も開けた場所にある「かわたれテラス」。遮るものがほとんどなく、日本海に佇む出雲松島と水平線を眺めながら過ごせます。
テラスにはソファ席もあるので友達とお喋りしながら楽しい時間を過ごすのにも最適。
テラスに併設された「トラベルライブラリー」で、島根の文化や旅に関する本を片手に一服。
「かわたれテラス」は、朝の日の出の時間「かわたれ時」の情景が映えるロケーションから命名されています。天気のいい朝に訪れると、美しい朝の風景に出会えます。
「界 出雲」のエントランスを入ってすぐのフロント周りの装飾も見どころです。青い壁と円形の装飾は、日本海と沈む夕日をイメージ。
夕日のモチーフには、中世の製鉄法「たたら製鉄」から受け継がれる伝統技法によって生み出された「玉鋼(たまはがね)」と「鉄滓(ノロ)」の素材が使用されています。
中央近くにある一際大きな石が、日本刀の原料になる玉鋼。その周りを玉鋼をつくる工程で生まれるいわば不純物である、鉄滓が囲んでいます。
必ず生まれるにもかかわらず光が当たることのない鉄滓と玉鋼を同時に掲示することで、島根のものづくりの営み、そして陰と陽を表現しています。本来は捨てられてしまう部分も、このように装飾として美しく存在していることに心奪われます。
2階からフロント全体を見渡すこともお忘れなく。大きな窓からは太陽の光が入ってきて、フロントがとても美しく見える、おすすめ撮影スポットです。
まるで太陽が海の中を照らしているようで、青の壁がより印象的に見えます。宿泊する人を優しく出迎えてくれているかのよう。
お部屋にも置いてある石見焼のマグカップを、自分へのお土産として購入しました。
島根県石見地方で登り窯を唯一使い、石見焼独特の「しの作り」でつくられた、大型陶器が得意な窯元「石州嶋田窯」の作品です。重厚感があるのに可愛らしくもあり、このマグカップを見るたびに心が明るくなりそう。
他にも湯呑み茶碗や一輪挿し、石鹸、手作りアクセサリーなど様々なジャンルのお土産が並びます。「松葉茶」や「出雲しょうがシロップ」、「スモークナッツ」など、どんな味がするのだろう、と興味がそそられるものもたくさんあります。
「界 出雲」から車で約15分、国譲り、国引きの神話で知られる浜「稲佐の浜」へ。大きな岩のような丸い島「弁天島」の上に鳥居が佇む、神聖な雰囲気が漂う場所です。
その場の空気感に圧倒されて、大きな岩に近づくのが恐れ多い気持ちになるほど。訪れた時には雪が降っていて、より幻想的に見えました。
弁天島をシルエットに夕日が沈む風景は、「日が沈む聖地出雲」のシンボルとして日本遺産にも登録されています。
稲佐の浜の砂を少しだけ袋などに詰めて、出雲大社に持っていくといいと教えてもらったので、手持ちの袋に詰めて、いよいよ出雲大社に向かいます。
稲佐の浜から車で約2分、縁結びの神・福の神として名高い「出雲大社(いづもおおやしろ)」へ到着です。神々の国と呼ばれる出雲を象徴する出雲大社。
4つの鳥居をくぐりながら参道を通り、拝殿で参拝してから本殿へ向かいます。現在の本殿は1744(延享元)年に造営され、1952(昭和27)年に、国宝に指定されています。
八足門
本殿には特別な日以外は入れないので、本殿前に立つ八足門(やつあしもん)から参拝します。
神楽殿
神楽殿
神楽殿(かぐらでん)正面のしめ縄は、想像していたよりも遥かに大きくて圧倒的な存在感!長さ13.6m、重さ5.2トンを誇る日本最大級の大きさです。
そして、稲佐の浜から持ってきた砂を、素鵞社(そがのやしろ)の床下にある砂箱へと納め、そこに元々納められている砂をいただきます。家に持ち帰ってから鬼門に撒くといいそうです。
「界 出雲」は出雲大社参拝前に宿泊すると、心と体が清められ、より素敵な縁が引き寄せられるような気がします。強塩温泉の温泉で禊湯をして、神様と同じ食事をいただく「神饌朝食」を体験して、お詣り準備は万端。ご利益アップが期待できそうです。
宿泊中にさまざまなアクティビティを体験するなかで、出雲のことを深く知ることもでき、出雲観光がより充実したものになることでしょう。
豪華な客室や絶景大浴場を紹介したレポートは【星野リゾート】ご利益もアップ?!「界 出雲」で体験する極上の癒し♡~ホテル堪能編~でチェックしてみてくださいね♪
界 出雲の予約はこちらから! ><住所>〒699-0763 島根県出雲市大社町日御碕604
<TEL>050-3134-8092(9:30〜18:00)
<駐車場>あり
<車>山陰自動車道「出雲IC」から約30分
※12月〜3月中旬頃は、周辺道路は積雪や道路凍結の場合があります。スタッドレスタイヤもしくはチェーンの着用を強くおすすめします。
<電車・バス>JR西日本「出雲市駅」から一畑バスにて約40分、「日御碕灯台」バス停から徒歩で3分
※この記事は2023年2月の取材内容に基づき執筆されています。時期により、イベントや食事などの内容が変更になっている可能性があります。詳細は「界 出雲」にお問い合わせください。
星野リゾートの温泉旅館「界」をチェック >染谷ノエル(Noel Someya) / 俳優・フォトグラファー
東京都出身。演劇を学ぶため中学卒業後に単身渡英し、ノーサンプトンのBosworth Independent Collegeなどに通う。4年半後に帰国、上智大学にて英文学を専攻。在学中より劇団、東京ジャンクZに所属、舞台俳優のキャリアは15年目を迎える(2023年時点)。写真は留学中、"Photography"の授業がきっかけで本格的に取り組むようになった。旅や日常をドラマチックに切り取る表現を得意とし、雑誌やWEBメディアなどでの作品掲載多数。 撮影、執筆、被写体の三役をこなすキャリアを活かし、取材、連載などでも活躍する。
Twitter: @noel_engeki
Instagram: @noelle.s12
STAFF
Photo&Writing:Noel Someya
Edit:michill編集部
この記事のライター
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