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薬剤師の三上彰貴子です。友人から、薬局で質問しにくいからと時々プライベートでの相談を受けます。その中で、痛み止めに関する内容がとても多いので、まとめてみました。
痛み止めは、痛みが酷くなってから飲んだらいいように思うかもしれませんが、痛みが酷いと効くまでに時間がかかったり、あまり効果が無いように感じるかと思います。
あー、なんだか痛くなりそうだなー。痛くなってきたなー。という時に飲むのが効果的です。
痛み止めは、『痛みを感じさせる物質(ブラジキニンなど)』が作られるのを抑えることで、効果があります。
ですので、痛みを感じさせる物質が沢山できてしまって、すごく痛ーい!と、なってから飲むと、効くのに時間がかかったり、飲んでも効かないじゃん!と、なってしまうのです。
特に生理痛はイライラしますよね。あー、痛くなりそう!という時に飲んで、少しでも快適に過ごせればいいですね。
痛みどめを飲んでも効きが悪いと、もう一回分飲んでしまいたくなりますよね。
でも、5~6時間以上は間隔をあけるようにしてください。胃が荒れたり、副作用が出る可能性が高くなります。
前に書いたように、できれば早めに飲むようにできるといいですね。
ただ、早めに飲んでも痛みが酷い、いつもより痛みが酷い、ようでしたら早めに受診をしてください。生理痛でしたら女性のトラブルが隠されているかもしれませんし、頭痛で我慢できない痛み、冷や汗が出るようでしたら単なる頭痛ではない可能性もあります。
場合によっては、救急車を呼ぶ方がいいこともあります。
効かない、痛みが酷い、時には自己判断せず、受診してくださいね。
相談でよく「痛み止めって身体に悪いんでしょ。だから痛いの我慢しているんです」と、言われます。
が、生理痛や頭痛などで、月に3~5日ぐらい飲むぐらいでしたら、特に問題ありません(湿疹や、呼吸困難などのショックのような副作用が出た場合にはもちろん中止してください)。
痛いのを我慢して、イライラしたり憂うつな気分で過ごすより、薬で少しでも楽に過ごした方が良いように思います。
ただ、自己判断で痛み止めを1ヶ月に10日以上飲んでいる場合には、一度、受診してください。例えば頭痛で1ヶ月に14日ぐらい痛み止めを飲んでいると、薬剤性の頭痛を発症する可能性があります。
もちろん、飲み過ぎや長く飲み続けることで副作用として腎臓(むくみなどが現れることがあります)や、肝臓(だるさ、湿疹など)にトラブルが起こる可能性もあります。
1ヶ月に数回は良いと思います。が、痛み止めの服用があまりにも癖になっているようでしたら、受診してくださいね。
痛みに効くからと、「胃が痛いんだけど飲んでいいかなー。」と相談されたことがありました。絶対NGです!
確かに、生理痛はお腹の中の子宮関連に効いているので、ちょっと上にある胃にも効果があるって思っちゃうかもしれません。が…。
胃の痛みが悪化する可能性がありますので、胃の痛みには胃薬にしてくださいね。
胃薬は、胃酸の出過ぎを抑える成分、胃の粘膜を保護する成分、胃がキューっとなるような痛みに効く成分(胃の過剰な動きを抑える)等の薬がありますので、薬局などで相談してみてください。
なお、生理痛に痛み止めが効くのは、ちょっと専門的になりますが、痛いと感じる物質ができるのを抑えたり、子宮の内膜がはがれるときの炎症や、子宮の過度な収縮を抑えたりするからです。
いたーい!早く薬飲みたい!けど、水がないので水なしでそのまま飲んじゃえ!ごっくん。は、絶対NG。
どの薬にも言えることですが、特に痛み止めはNGですよ!
薬が水分を吸収しようとして、のどや、胃の粘膜に貼りついて、さらに粘膜が炎症を起こして潰瘍(かいよう)ができたり、出血したり…。大変なことになりますので、止めてくださいね!
薬は、コップ一杯(100ml以上)の水で飲んでくださいね。薬は水に溶けて、吸収されて効果がでます。薬の効果を研究するときにもコップ一杯の水でデータを取っています。
もし、水が無くて、お茶、ジュースしかない!のでしたら、痛み止めでしたら、水なしで飲むよりもお茶やジュース、牛乳などで飲んだほうがまだましです。積極的には勧められませんが、必ず水分(アルコールは絶対NG!)で、飲むようにしてください。
ただ、一部の薬は、ジュースや牛乳などで飲んだらNGなものもあります。薬剤師に確認するといいですね。
(余談ですが、アレグラという花粉症の薬はグレープフルーツ、グレープフルーツジュースと一緒に摂取すると、効き目が弱くなりますので気を付けてください。)
痛みどめは一番使う機会の多い薬ですが、だからこそ、なんだか変だなと思ったら、気軽に薬剤師に相談していただくか、受診をしてみてくださいね。
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この記事のライター
薬剤師
三上彰貴子
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外資系製薬会社勤務後、慶應義塾大学にてMBA取得。卒業後、朝日アーサー・アンダーセン(現PWC)にて主に医療分野のコンサルティングを手がける。2005年より独立し、株式会社A.M.C代表取締役となり、製薬会社・化粧品会社関連のマーケティング、人財育成セミナーなどを行う。現在は、薬科大学博士課程にて研究も行う。その他、薬局薬剤師、登録販売者向けの講師、薬科大学非常勤講師としても活躍中。
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