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美容学校教員兼スタイリストの野澤琢眞です。ヘアアレンジする上で1番難しいとされているのが「どの程度崩すのか」「どんな感じで崩すのか」です。そもそもヘアアレンジをした後に何故崩しを入れなければならないのか、どうやったらうまく崩しが入れられるのかなどなどの疑問を今回は丁寧に解説したいと思います。
ヘアアレンジをした後になぜ崩しを入れなければならないのかという疑問についてお答えします。
理想的な頭の形は卵形と言われていますが、日本人の骨格は頭頂部が潰れていて、はち(頭のてっぺんとサイドの間の最も出っ張っている部分)が張り、後頭部に奥行きがありません。その頭の形を卵形に近づけるために、髪の毛を使って骨格矯正する技が生まれました。
トップに高さを出すことではちがしまって見え、後頭部の髪を引き出すことで奥行きが生まれます。
ヘアアレンジの崩しは日本人のコンプレックスが生み出した技術と言えます。
ヘアアレンジの崩しをうまくするためには、ヘアアレンジ前の下ごしらえが大切です。
ヘアアレンジ前の髪にはスタイリング剤を適量つけておいてください。
スタイリング剤は接着剤の代わりに使用します。髪を最後に引き出す場合や崩す場合に、髪と髪をある程度密着させ、崩した時に髪がパラパラ落ちるのを防止してくれる効果があります。
また、スタイリング剤は髪にツヤを出してくれるので、崩した後の見た目の印象がバサバサになるのを防ぎます。
髪のボリュームの少ない方はクリームタイプのスタイリング剤を、髪のボリュームが多い方はオイルタイプのものを使うと良いでしょう。
これまでのお話を踏まえて実際に一つ結びを可愛く崩していきます。
今回はロングの髪を使って解説しますが、一つ結びができればどの長さでも出来ますのでぜひお試しください。
① ゴムで普通に一つ結びをします。この時のゴムはキツキツにし過ぎてしまうと最後の髪を引き出す作業がうまく出来なくなってしまいますので、キツキツの一歩手前で縛るようにしてください。
② 最初はゴム付近の髪を程よく崩します。
崩す時のポイントは髪をなるべく細かくつまむことです。あまり多くつまんでしまうと、ヘアアレンジ自体が崩れてしまうのと、崩した髪とベースの髪の間に空間が生まれないので立体的に見えません。
10本くらいの毛束をつまむイメージで引き出すとうまく立体的に見せることが出来ます。
③ 一番はじめに結んだ髪の隙間を狙って後頭部に奥行きが出るように引き出します。ここだけで絶壁矯正が出来ます。
④ 最後に頭頂部に高さを出すように引き出せば完成です。頭頂部を引き出す時はあまり引き出しすぎると立ち上がりがなくなってしまうので、根元の部分が少し立ち上がるくらいの崩しにして下さい。
今回ご紹介した崩しの基本は、ヘアアレンジの応用編でもほぼ同じイメージで崩せばお洒落っぽくルーズで可愛い印象を持たせることができます。
この基本の崩し方をマスターして、周りとは少し違うヘアアレンジをお楽しみ下さい。
この記事のライター
野澤琢眞
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三重県内の美容室に11年勤務した後、現在は美容専門学校の教員をしながら直営サロンでスタイリスト業務も行う。美容学生に向けて発信したInstagramのヘアアレンジ動画が分かりやすいと人気となり1年で10万フォロワーを達成。2017年「次世代インフルエンサー美容師」全国1位を獲得する。学校外でも若手美容師の為のヘアアレンジセミナーを開講し活躍の場を広げている。
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