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『産後が始まった! 夫による、産後のリアル妻レポート』『夫婦のミゾが埋まらない 産後にすれ違う男女を変えるパートナーシップ学』(ともにKADOKAWA)など、夫婦のパートナーシップをテーマにした著書が話題の渡邊大地さんによる新連載! 令和における新たなワーパパ像を、読者のみなさんとともに考えます。
(編集部注)2022年に公開し、反響のあった記事を再配信します。記事の情報は公開時のものです。
執筆者プロフィール 渡邊大地さん 株式会社アイナロハ 代表取締役/札幌市立大学看護学部非常勤講師大学卒業後、会社員を経て、2011年に株式会社アイナロハを設立。2012年より「産後サポート“ままのわ”」事業をスタート。自治体の産後サポート事業、全国の産院での両親・父親学級の開催、講演など、多方面で活躍中。三児の父。◆株式会社アイナロハHP:https://www.ainaloha.com/→1話目から読む→前回のお話はこちら→これまでのお話はこちら
先日、甥っ子(小2)が遊びに来て、我が家の子どもたちとゲームをして楽しんでいました。甥っ子は、大声で笑ったりゲームに負けて怒ったりすることもなく、ほかの人が言うことをウンウンと聞いて、ときどきニコッと笑う程度のおとなしい性格です。
さて、3時のおやつタイムになり、みんなでテーブルを囲んでおやつを食べているときのこと。5歳の娘が「パパぁ、サンタさんのデンワバンゴー、しらない? プレゼントのこと、おでんわしたいんだけど」と言いました。「サンタさんの番号はパパも知らないな~。そう簡単には教えてくれないと思うんだよね」と答えると、これまで黙ってニコニコしていた甥っ子が突然大声で、「ぼくのママ、サンタさんのLINE知ってるよ!」と喰らいついてきました。「よくLINEしてるもん!」と。
どうやら、良い子にしていないとサンタさんに連絡するよ、ということのようで……。数年前は、「鬼から電話がかかってくるアプリ」っていうのが物議をかもしたことがありましたが、今はサンタさんも懐柔できる時代なんですね(笑)。
皆さん、こんにちは。渡邊大地です。今回も、「ワーパパ」とは何たるかを一緒に考えていきましょう!
昨年の今ごろはコロナ禍で帰省もままならないなか、「リモート帰省」が推奨されていましたよね。今年は少し落ち着いてきたということで……「リアル帰省」?それとも「対面帰省」?いずれにせよ、年末年始はおじいちゃん・おばあちゃんのいる実家に戻ろう、という家庭が増えるんじゃないでしょうか。
そこで、最初に大事なお話。それは、「義実家への帰省はくつろげない」という人が多いということです。もちろん、義理の両親とものすごく仲良くできる人もいるにはいますが、基本的にぼくも苦痛です(笑)。妻の実家に行くたびに、さっさと昼寝してしまう妻や、所かまわずお菓子を漁っては食べ散らかす子どもたち、勝手にテレビのチャンネルをゲームに切り替える子どもたちを見ては恨めしい気持ちでいっぱいになります。早く自宅に帰りたくて仕方ないです。
これは、夫婦どちらも同じですよね。ぼくの周囲に聞くと、「パートナーの自宅への帰省はできる限り短い方がありがたい」というのが、メジャーな意見のようです。※もちろん、子どもにとって祖父母との時間は貴重ですから、「子どもと祖父母のためにも長くいてあげたい」という意見もあると思います。
だからこそ、帰省のときはお互いに気遣いあって、気持ちよく過ごせるようにしたいものです。そこで今回は、帰省時にぼくたちパパが気を付けるべく、「ママ達に聞く、帰省時のパパへのお願い」を紹介していきますね。
まずは、パパの実家に帰省した際にパパが気にかけてほしいことをママに聞いてみました。
今回、ぼくの周囲のママたちにヒアリングしたら、この手の報告が非常に多く挙げられました。「夫が毎晩地元の仲間と飲みに行ってしまい、夫の家族の中にひとり残されて気まずい思いをし続けた」「子どもに授乳している間に、夫がどこかへ遊びに行ってしまった」などなど。
パパは、久しぶりの地元でテンションが上がってハッスルしすぎないように注意です(「ハッスル」がわからない人は「アゲアゲ」に置き換えてもらってもいいです)。夫の実家に残される妻の心境たるや、完全に四面楚歌・断崖絶壁ですから、出かけるなら一緒に出掛けるか、地元の仲間との飲み会ならば時間をきっちり決めて、その間にできるだけ妻が居心地悪くならないように手配しておくべきです。
入浴には、家庭それぞれ暗黙のルールがあると思います。夕飯前(夕飯後)に入る、誰が最初に入るかが決まっている、ガス代節約のためにできるだけ間を空けずに続けて入る、寝る1時間前に入る、などその数は家庭の数だけあるでしょう。
しかし妻からすると、明文化されていないルールを読み取れというほうが無理なこと。今回ぼくが話を聞いたママたちからも、「夫がさっさとお風呂に入って寝る準備を進めてしまった」「いつお風呂に入っていいかわからず、タイミングを伺い続けてドッと疲れた」といった声が聞かれました。
パパからすれば「入りたいときに入ればいいのに」くらいの感じでしょうが、ここはみんなの前で「お風呂に入ってきなよ」と声をかけてもらった方が、ママも遠慮なく入れて助かります。さらに一歩先に行くとすれば、「子どもを入れるなら、新しいお湯がいい」というママもいるでしょうから、お風呂が沸いた時点で「俺が子どもと先に入ってくるね」「子どもがいるから、ママと子どもに最初に入ってもらうね」と家族に伝えるとベターです。
自宅ではリビングで授乳しているかもしれませんが、さすがに義理の両親の前で授乳するわけにもいきません。授乳中の子どもを連れていく場合は、みんなの前で、「おっぱい飲ませるときはこの部屋を使ってね」と声をかけてもらえると、ママが授乳難民にならずに済みます。さらに、授乳中は部屋に誰も入ってこないように見ていてあげるとなおGOODです。
NG例は、リビングでみんながそろっているときに「ここでして大丈夫だよ、誰も見ないから」というやつです。
ママからすると、義母はもちろんのこと異性である義父や義兄・義弟の前で授乳だなんて考えられません。また、もし実家の家族から「誰も見ないから、ここでしなさいよ」とママが言われてしまったら、ママは断りづらい状況です。そんなときには、パパが率先して「こっちの部屋で授乳しなよ」と授乳の部屋を確保してあげましょう。
一方で、帰省に関する夫の態度でうれしかったことを聞いてみると、「義理の両親の前で、私が育児をがんばっていると褒めてくれた」「私が疲れているのを気遣って、当初の予定より帰省日数を短縮してくれた」という意見もありましたよ!
続いて、ママたちに聞いた、「ママの実家に帰省した際に気を付けてほしいこと」をご紹介します。
意外に多かったのがこの意見、「実家のリビングの特等席はいつも父が座るところなのに、夫が真っ先に陣取ったので、父がちょっと困惑していました」といった類です。特に新婚ほやほやだったり、義理の実家にあまり行ったことがないパパに多いかもしれません。なんとなくいつもの癖で、座り心地良さそうなところ(テレビの正面や、部屋の暖かいところ)にポジショニングしたくなるものですが、義理の家族や妻から勧められた場所に座るのが妥当ですよね。
食べた食器を下げることはできても、忘れがちなのが、お菓子の袋や、鼻をかんだティッシュ、飲み終えたペットボトルなど、ゴミを何となくそのままテーブルに置きっぱなしにしてしまうこと。両親から「片付けをしない旦那さん」と思われると妻も肩身が狭くなりますし、ママがパパの分までその都度ゴミを捨てるのでは、せっかく帰省しているママの心が休まりません。ちょっとしたことですが、義実家のゴミの処理や分別は妻に確認しておくか、「ゴミ箱はどこですか?」「分別はどうすればいいですか?」の一言を添えて義理の家族にも気を配りたいですね。
あるママからは、「私の両親の前で夫が私のことを“お前”“こいつ”と呼んで、両親に不快な思いをさせた」という声もありました。もうこれは普段からそう呼ばないでほしいんですけど、義理の両親の前では絶対にやめたい呼び名です。自分の大切な娘がパートナーからそんな呼ばれ方をされていたら、誰でもイヤな気持ちになるものですよね。
パパが株を上げた事例としては、「年末年始の買い出しのために積極的に車を運転してくれて両親が喜んでいた」「母が作った料理を“うまい!うまい!”とたくさん食べてくれたので、母が大喜びでした」などがありましたよ!
ちなみに、帰省される祖父母に意見を聞くと、帰省の際は「いつからいつまでいるのか」事前に明確にしてほしいのだそうです。夫婦によっては帰る日を「2日か、3日か……もしかしたら5日くらいまでいるかも」というように曖昧にしていることも結構多いようです。
迎える側としては、「今日は食べるものないからお茶漬けで我慢してね」というわけにもいかないので、あらかじめ1日目はコレを食べて、2日目はコレを食べて……と献立を計画しておかないといけないですよね。
また、祖父母にも、年始のご挨拶の予定などがあるケースもあります。事前にきちんとした帰省のスケジュールを知っておかないと、顔ではニコニコしてくれていても、心の中では「いつまでいるつもりだ……」となりかねません。
お互いの実家も喜ぶ、妻や子どももうれしい、そんな帰省の思い出を作りたいですよね。感染症対策に気を付けて、楽しい年末年始を過ごしましょう!
それはさておき…気付けばクリスマスまで1週間、我が家はまだプレゼントを用意できていません……。サンタさんのLINEは知りませんが(笑)、Amazonで注文しておかないと間に合わないことは理解しています。急がねば。
皆さん、素敵なクリスマスを!
年末年始の帰省は、妻がくつろぐことも視野に入れられるワーパパになろう!
(文:渡邊大地、イラスト:村澤 綾香、編集:マイナビ子育て編集部)
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この記事のライター
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