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千葉大学発医療スタートアップ企業「Smart119」はこのほど、鎮痛剤として広く知られる「ロキソニン」と「カロナール」についてのイラストレーションを一般公開しました。
画像は(株)Smart119 提供
頭痛、歯痛などの痛みを和らげ、また発熱の際には解熱作用がある「ロキソニン」と「カロナール」は、一般の人でも馴染みのある薬です。
同じような薬効がある2種ですが、副作用や服用については大きな違いがあります。どちらもドラッグストアで手に入れられる市販薬もあることから、安全な服用のために知識が必要です。
今回、同社は救急集中治療医の見地から、「ロキソニン」と「カロナール」の違いを、親しみやすいマンガで解説しています。この資料は学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用することが可能です。
鎮痛剤、解熱剤として知られる「ロキソニン」と「カロナール」は、医師による処方はもちろんのこと、ドラッグストアなどで取り扱いされる市販薬、またジェネリック薬品もあって、その効用と入手しやすいことから一般的な薬剤です。同じ効き目の2つですが、大きな違いがあります。
「ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)」は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と言われます。「抗炎症」とあるように、炎症、発熱、痛みなどを起こす体内物質「プロスタグランジン」の生成を抑える作用があります。注意点は、胃腸への副作用があることです。空腹時の服用は避けましょう。また消化潰瘍がある、胃腸が弱い場合は、吐き気や嘔吐感、腹痛などを伴うリスクがあります。
「カロナール(アセトアミノフェン)」は、非ピリン系解熱鎮痛薬と言われ、脳内の中枢神経に作用し、解熱鎮痛効果を発揮します。抗炎症作用はありませんが、ロキソニンと比較して穏やかな効き目から妊婦や小児へ用いられます。副作用としては、発疹や嘔吐などが報告されています。
「ロキソニン」は、手術後や外傷などの炎症を伴う痛みを抑える薬剤として、医療機関では使用されています。ただ、小児用には使用されず、また子どものための用量設定がされていません。この場合は、小児や子どもへの用量設定がある「カロナール」が処方されます。
このように「ロキソニン」と「カロナール」には、大きな違いがあります。特に15歳未満の子ども、妊婦、また胃腸の状態には注意が必要です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)には、「ボルタレン」「イブプロフェン」「アスピリン」などの解熱鎮痛剤がありますから、服用の際には、医師や薬剤師へ相談をしましょう。
ロキソニンとは・一般名:ロキソプロフェンナトリウム・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のタイプ・体内の「痛み、炎症、発熱」などを引き起こす物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑えることによって、炎症に伴う腫れや痛みをやわらげ、熱を下げます・副作用:胃腸障害、食欲不振、胃もたれ、腹痛など・胃腸が弱い方や消化潰瘍の方は、服用には注意が必要です・剤型:錠剤、テープ、粉、ゲルなど
カロナールとは・一般名:アセトアミノフェン・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)ではない・アセトアミノフェンには、鎮痛・解熱作用はあるものの、抗炎症作用はほとんどありません・ロキソニンよりも穏やかに効き、小児、妊婦にも使用できます・剤型:坐剤、粉、錠剤、シロップなど
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは・痛みをやわらげたり、炎症を抑えるために使われる薬物の総称のことです・代表的なものにロキソニン、ボルタレン、イブプロフェン、アスピリンなどがあります・胃粘液が少なくなってしまうことがあるため、空腹時の服用はできません
妊娠中や子どもの場合、基本的にはカロナールの使用をおすすめします
※解熱鎮痛剤を使う際には妊婦検診・小児科へ相談する
ロキソニンは炎症を伴う痛みに対して効果がありますそのため、手術後、外傷など炎症を伴う痛みなどに対して使用されることが多いです
◆解説者中田孝明株式会社Smart119 代表取締役千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授https://twitter.com/Nakada119
◆監修協力新井久美子(救急科専門医)矢澤まり(外科専門医)
◆印刷用資料ダウンロードリンクhttps://smart119.biz/manga/000597.html
◆参考資料・一般社団法人日本ペインクリニック学会https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_keynsaids.html
・がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年版https://www.jspm.ne.jp/guidelines/pain/2014/pdf/pain2014.pdf
(Antonucci R, Zaffanello M, Puxeddu E, Porcella A, Cuzzolin L, Pilloni MD, Fanos V. Use of non-steroidal anti-inflammatory drugs in pregnancy: impact on the fetus and newborn. Curr Drug Metab. 2012 May 1;13(4):474-90. doi: 10.2174/138920012800166607. PMID: 22299823.)
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページhttps://smart119.biz/manga/
Smart119https://smart119.biz/
(マイナビ子育て編集部)
この記事のライター
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