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学費に教育費、日々の食費や日用品費など、子育て中は何かとお金がかかる時期。さらに自分たちの老後資金も必要……。そんなお金に悩めるパパママに向け、子育て中の共働き夫婦に「やってよかった!」家計管理術についてインタビュー。今回は「ボーナスの使い方」をピックアップ。夫婦で年間350万円を貯金するえまさんにお話を聞きました。
えまさん
都内在住の30代ママ。夫婦で共働き。小学3年生の男の子、保育園に通う2歳の女の子、犬と一緒に暮らす。学生時代は浪費家だったが、社会人になってからはお金について見直すことに。結婚・出産後は節約が加速し、月に30万円付近で生活。年350万円の貯蓄を達成する。続けやすい家計簿の工夫や、節約しつつも好きなもの・ことは大事にするメリハリのある暮らしが話題となり、過去に3冊の著書を出版。近著に『貯金ゼロから「楽しく貯まる」すっきり暮らし』(主婦の友社)がある。
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夏といえば、ボーナス!すでにもらったよーってご家庭も多いのでは?ただ、ボーナスって曲者で。「毎回貯金に回そう!」と考えているのに、気がつくとほぼ残ってない……なんてこと、ありませんか?
そこで参考にしたいのが、今回お話を聞くえまさんのボーナス管理方法。えまさん夫婦はどちらも企業に正社員として勤め、月給をもらっていますが、毎日の暮らしで使うのは、旦那さんの給料のみ!ボーナスも同様で、自分の分は貯金や投資に回しているそう。ただ、そうできるのにはしっかりとした工夫があるんです。
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旦那さんがもらったボーナス分の使い方に、えまさん夫婦の貯める秘密あり。どんな使い方をしているのでしょう?
えまさん:夫のボーナスは特別費の支払いにあてます。特別費とは、簡単に言うと“毎月必ずかかる費用以外に出費が予想されるお金”のことです。
我が家では家族の誕生日などのイベント費用や旅行・帰省費用などはもちろん、税金や一括払いの保険料、サブスクの年会費、美容院代などもすべて特別費として計上しています。
こう聞くと「うちも旅行代や家電の購入などに使うよ!」なんて声が出そうですね。しかし、えまさん夫婦がボーナスで支払う特別費は、支給時期前後に発生するものだけではありません。
えまさん:今回の夏ボーナスは、7〜12月分の特別費に。さらに次の冬ボーナスは、来年の1〜6月分の特別費にあてる予定です。事前に特別費の年間計画を立て、予算を設定しているので、その範囲で旅行代を出したり、物を買ったりします。
特別費の年間計画とはどのようなものでしょう?
えまさん:普段の家計簿とは別に、1〜12月の特別費が一気に見通せる、一括管理シートを作っています。これがイコール年間計画ですね。
使うのは普段の家計簿でも使っている無印のB5ルーズリーフ。表裏を使って、1〜12月の月ごとの欄を設け、各月の欄の左に予算、右に実績を書き込みます。
予算を立てるときのポイントは、その月に発生予定のお金を細かく洗い出すこと。たとえば、1月なら「お年玉3万円、誕生日2万円、帰省代1万5000円」など。この項目・予算と月の予算合計を12カ月分書き出します。
それぞれの項目が終わったら、各実績を計算して書き込み、予算欄の項目は赤線で消去。その月の実績の合計を記入し、収支を確認して終了です。
えまさんの場合、1〜3月分の予算は前年の年末に、4月以降の分は年度末の3月末に詰めているそう。今からマネして計画するなら、7〜12月の半年分を書き出してみるのが良さそう。
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ここで2つの疑問が。ボーナスは会社の実績によって左右されるもの。えまさんはそのあたり、どう考えているのでしょう?また、元手がボーナスだと気が大きく、あれもこれもとなりがちなのが人の常。物欲はどのようにコントロールしているのでしょうか?
えまさん:我が家の場合、今年の特別費の合計予算は年間でおおよそ80万円程度です。これは「これくらいは必ず出しますよ」という、企業の定めるボーナスの最低保証ラインが決まっており、そこから設定しているので、支給額の振り幅に左右されません。
年によって多少の上下はあるものの、だいたいこの前後の合計予算で特別費を設定し、何にいくらお金をかけるかを調整します。もちろんすべての項目に多額の予算をあてることはできないので、妥協できるポイントを考えながら各項目の予算を振り分けていきます。
人によってこのポイントは異なると思いますが、たとえば、今の我が家にとって美容院代は必要だけど、額は減らしていい項目です。以前は月1くらいのペースで美容院に通っていた私ですが、今はその回数も年4回ほどに。基本は黒髪で、飽きてきたら、毛先に色を入れるグラデーションカラーに。髪が伸びてもプリンにならないので、こまめな美容院通いがいらず、おすすめです!
一方で旅行や帰省は私たち家族にとってとても大切なもの。とくに年1回のディズニーは外せない項目で、お金がかかっても必ず予算に組み入れます。こうしたご褒美や抜けがあるからこそ、普段の節約も頑張れる!ダイエットと同じで、我慢や妥協をしてばかりの生活じゃ続かないので、メリハリを大事にしています。
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こんなしっかり、やりくり上手のえまさんですが、現在、小学3年生の長男くんが乳幼児のころは、違ったそう。
えまさん:そのころはすでに節約を意識し、食費や自分のものにかかるお金は抑える生活をしていました。だけど、子どもに関わるお金は別でしたね。長男にかわいいブランド子ども服をたくさん着せたり、「今しか行けない!」と海外含め旅行にしょっちゅう出かけたり。旅行代だけでも50〜60万円をオーバーしたりして、あとからクレジットカードの請求に驚きました。全部洗い出してみると、特別費だけで年間100万円を超えていたんです。
これではいけない!と、一念発起。特別費の年間計画を立てて予算を設定し始めると、確実に変化が起きたと話します。
えまさん:年間でかかる特別費の見える化ができたことで、特別費って本当にたくさんあるから、何も考えないで使っていると、ボーナスだけでは収まりきらないぞと気づきました。
また、予算を設定したことで、自然とブレーキがかかり、毎回散財するみたいなことがなくなりましたし、以前は固定資産税のような高額請求に慌てていましたが、慌てず対応できるように。
もちろん、今も事前に予測できない突発費でお金が飛ぶことはあります。だけど、それが起こったとしてもおおよそは予定通りなので、大きなずれはなく、収支が安定するようになりました。
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こうした取り組みのおかげで貯蓄はぐんと加速し、額が大幅にアップ!
えまさん:振り返っても、このボーナス=特別費のコントロールをできるようになったことが、我が家の家計管理において大きなターニングポイントでした。
節約となると食費の削減などに意識がいきがちですが、特別費って気が緩みやすいのに額が大きいから、きちんと管理できれば、大きな節約効果が期待できます。我が家では、前月の実績を締めたあとに「翌月はどんな特別費が発生するんだっけ?」と一括管理シートをチェック。この範囲を守るにはどうしよう?と、ゲームみたいな感じで楽しく取り組めていますね。
えまさん夫婦がボーナス=特別費のコントロールをできたのは、家族で同じ方向を向いていたからとも言えます。
えまさん:我が家は夫婦共有財布です。家計に関しては私が担当ですが、夫には月1で家計簿を見せながら振り返りをしているほか、普段からお金のことについて何でもオープンに相談しています。もちろん、特別費の年間計画についても夫はチェック!
お互いに何か欲しい!というときは、頭ごなしにNOではなく、それを実現するためにどうしようかという方向で考えます。ダメダメばかりじゃ息苦しいですもんね。これからも家族で協力しながら、楽しみながら、メリハリのある使い方でお金を貯めていければと思います。
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(取材・文/江原めぐみ)
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この記事のライター
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