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子どもや若者が被害を受ける可能性も少なくない、痴漢という犯罪。しかし、被害を報告されるケースが少なく、その実態が見えにくいという課題がありました。そうしたなか、今年7月、内閣府は若者を対象にした全国的な調査となる、「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」の結果を公表。どのような実態が浮き彫りとなったのでしょうか。
内閣府では、若年層の痴漢被害の実態やその傾向及び痴漢被害に対する認識を把握し、痴漢被害撲滅のために効果的な施策のあり方の検討に役立てることを目的に、「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」を実施。全国の16~29歳の男女を対象とし、スクリーニング調査で痴漢被害にあった経験のある人を抽出したのち、本調査が行われました。
本調査の有効回答数は2,346人となっており、性別(性自認含む)は女性91.5%、男性7.6%、その他0.9%でした。本記事では本調査の回答結果の一部をご紹介します。
※画像はイメージです
まず、これまでに痴漢被害(※)にあった回数を聞いた設問では、最も多かったのが「1回」で42.2%、次いで「2回」27.3%、「3回」23.4%となっています。6割近くの人は2回以上の痴漢被害にあっていることになります。中には「11回以上」という回答も見られました。
—————–※痴漢の定義:路上や商業施設などの公共の場所または電車やバスなど公共の乗り物において、衣服の上から触られたり、同意がなくされたわいせつ行為をさす。なお、ぶつかられた、怒鳴られた、じっと見られたなどの迷惑行為は除く
痴漢被害回数(n=2,346)―内閣府「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」より
前問で2回以上痴漢被害にあったことがあると回答した人を対象に、その加害者は同じ人物か違う人物だったかと聞いた設問では、「すべて別の人物」が最も多く69.4%と約7割を占めました。
「同じ人物の時もあった」は12.4%、「すべて同じ人物」は5.1%となっています。「わからない」という人も13.1%でした。
このことから、同じ人物から複数回、痴漢被害を受けている人もいることがわかります。痴漢には行きずりの犯行というイメージがありますが、そうしたケースばかりではないようです。
加害者は同じ人物か、別の人物か(n=1,355)―内閣府「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」より
さらに、前問の回答を年齢層別にしたデータを見てみましょう。
「20~24歳」と「25~29歳」は各回答の割合に大きな違いはありません。一方、「16~19歳」は「すべて同じ人物」が12.3%と、他の年齢層と比べて多いことがわかりました。
年齢層別、加害者は同じ人物か、別の人物か―内閣府「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」より
初めて痴漢被害にあったときの年齢を聞いた設問では、最も多かったのが「16~19歳」で46.4%、次いで「15歳以下」が35.4%でした。したがって、19歳以下の時に初めて痴漢被害を受けている人が8割以上を占めることになります。
20歳以上は比較的少なく、「20~24歳」は16.3%、「25~29歳」に至っては1.9%となっています。
この結果から、未成年を含むより若い世代が被害を受けやすい傾向にあるといえます。
はじめて痴漢被害を受けたときの年齢(n=2,346)―内閣府「若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査」より
今回の調査で、痴漢被害の経験者の中には、複数回の被害にあっている人も多いことが明らかとなりました。なかには同じ人物から受けている人も見られます。さらに、10代、あるいはそれ以下の年齢で、痴漢被害にあっている人が多いこともわかりました。心が未熟な年齢で遭遇することで、被害がより深刻になることも懸念されます。子どもが被害にあわないか不安な親も多いでしょう。警視庁のサイトには被害を防ぐ対策が載っているほか、警視庁防犯アプリ「デジポリス」には痴漢撃退機能が搭載されています。参考にしてみてください。
▶警視庁:痴漢等の性犯罪被害防止対策▶防犯アプリ デジポリス
(マイナビ子育て編集部)
■若年層の痴漢被害等に関するオンライン調査/内閣府調査対象:オンライン調査の登録モニターの全国の16~29歳の男女調査時期:2024年2⽉6⽇〜29⽇有効回答数:スクリーニング調査=36,231、本調査=2,346
この記事のライター
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