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「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から北香那さんのインタビューをお届けします♪

Profile/Kana Kita
1997年8月23日、東京都生まれ。2010年、ミュージカル「赤毛のアン~アンからの手紙~」で主演を務めデビュー。
2017年のドラマ「バイプレイヤーズ」で注目を集め、映画『春画先生』『「桐島です」』、ドラマ「ガンニバル」「どうする家康」「ばけばけ」「替え玉ブラヴォー!」など、話題作に出演。現在はドラマ「さよならノワール」で心理学者の白石絵梨子役を熱演中。
映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍している。
寺山修司が天井棧敷を旗揚げする前の1965年に、たった1回の公演のために書き下ろした作品「獅子」。それから61年、寺山生誕90周年となる2026年の秋に、ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』として蘇る。ヒロイン役、弓子を演じる北香那さんに、「幻」の作品へ挑む意気込みから伺った。
「この作品はほとんど世に出ていないといってもいいので、私たちが今回演じる『獅子 THE LION-BEAT』が、この作品の第一印象になると思うんです。もちろん、プレッシャーは大きいですが、自分にできることを積み重ねながら、丁寧に作品を作っていきたいです」
北さんにとってミュージカル出演は16年ぶりとなる。
「主演を演じられる新原さんのダンスが本当に素晴らしいので、私が並んで大丈夫だろうか…と、不安でいっぱいです。まずは初心に戻って練習に没頭せねばと思っていますが、劇中歌が本当に好きなテイストで、聴くたびに元気をもらえるんです。この素晴らしい音楽をしっかりお届けできるように、歌での表現も、お芝居も頑張らないといけないですし。マルチタスクで頑張ります!」
本作は、印鑑屋で働く普通の青年・米沢貞夫が、不思議な力を持つ中年男・帽子の雨と契約して「ことば」を失う代わりに、貞夫が憧れていたボクサーとしての能力を手に入れるところから始まる。
「彼は富や名声、成功のために魂を売ってしまいます。この「違う誰かになりたい」という思いは、今も昔も変わらないんじゃないかなと思います。でも、SNSが普及した現代の方が、その気持ちはより強くなっている気がしていて。今は画面の向こう側にいる「美しい」と言われる人や「すごい」と賞賛される人が、いやでも目に飛び込んでくる時代じゃないですか。それと比べる必要はないのに、どうしても自分が劣っている気がして自分を追い詰めたり、否定してしまう人も多いと思うんです。でも大事なのは「あなたが、あなたでいるための個性」だと思うので、それを絶対に忘れて欲しくないですし、この作品を通してその想いが伝わればいいなと思っています」
SNSなどを通して、顔も知らない誰かの「声」まで届く時代。励まされることもあれば、ときには心ない言葉に傷つくこともある。そんな「言葉の力」について尋ねると、北さんは少し考えてから、こう語った。
「言葉にはものすごく大きな影響力があって、人の心を動かすものだと思っていて。私もラジオをやっているので、応援の声をいただくたびに本当に嬉しいですし、頑張るための原動力になっています。でもたまに突然カウンターパンチが飛んでくることもあります。いきなりノックアウトされちゃうような鋭い言葉が。もちろんショックなんですけど、それ以上に「この人、何かツラいことでもあったのかな、大変なのかな」って考えちゃう。私、怒りは悲しみから来ると思うんです。だから、鋭い声の裏側にある本当の気持ちの方に目が向いてしまうし、その人がどうしたら前向きになれるんだろうって考えてしまいます」
「願いを叶えるために、何かを差し出すとしたら?」と質問すると、「難しい…」と悩みながら、最後に返ってきた答えは意外なものだった。
「何も出しません!だって、別の人になってしまったら、これまで私が乗り越えてきた苦しかったこと、辛かったこと全部なくなってしまいますよね。その大変さをどうにかこうにか乗り越えてきたからこそ、今の私があるのに、自分が頑張ってきたことの意味までなくなってしまうのは悲しすぎます。欲しいものがあるなら、そのために努力して自分で掴み取りたいです」
そんな北さんの言葉を聞いていると、今回演じる弓子の姿とも重なって見えてくる。
「弓子は感情の起伏が激しい女性に見えますが、実は我慢が得意な人なんじゃないかと。ただ、自分では我慢しているつもりがない。イメージで言うと、コップの水が少しずつたまって最後に一気に溢れ出ちゃう感じかな…。そういうところは私と似ているかもしれません(笑)。普段は慎重に計画しながら進めるタイプですが、突然、糸が「パチン」と切れるように、自分でも想像していなかった選択をすることがあるんです。たとえば、18歳のとき突然「家出する!」と荷物をまとめて実家を出てしまったり。行き先はおばあちゃんの家だったのですが(笑)。母も驚いてました」
「自分の選択に後悔はない」と北さんは続ける。
「自分でも「なんで今、急に動き出した⁉︎」と、驚くこともあるのですが、不思議とその選択が功を奏してきました。きっと自分の感覚が「こっちだよ」と正しい方に導いてくれているのかもしれません。あとは、悩んで動けずにいると、後悔ばかりが残ってしまう気がして。これからも自分の気持ちには正直でいたいと思います」
最後に改めて作品の見どころを伺うと。
「寺山作品の魅力は、「この言葉にはどんな意図があるのだろう?」と考えたくなるところだと思いますが、ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』にもそういったセリフがたくさん出てきます。とはいえ、ストーリーは比較的わかりやすいと思うので、素敵な音楽やダンスと一緒に、寺山ワールドを楽しんでもらえたら嬉しいです」

作/寺山修司 演出/杉原邦生
出演/新原泰佑、北香那、田中俊介、勝矢、さとうこうじ、岡田義徳、田口トモロヲ、橋本さとし 他
東京公演/10 月4 日(日)~20 日(火)
会場/THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6 階)
この記事のライター
Poco'ce
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