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続けているからこそ発信できることがある。これからも表現し続けます。
1982年5月15日生まれ。1997年、蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」主役オーディションでグランプリを獲得し、俳優デビュー。2003年に日本演劇史上最年少の21歳で主演を務めた舞台「ハムレット」で、主な演劇賞を総なめに。舞台、映画、ドラマなどで幅広く活躍中。近作は、連続ドラマ「リバース」、映画「22年目の告白—私が殺人犯です—」など。
数々の舞台で圧倒的な演技力と存在感を発揮してきた藤原竜也さん。15 歳で蜷川幸雄さんに見出され、デビューを果たした藤原さんは、今年で俳優生活20 周年。演劇界の次代を担うふたつの才能が出会う今作「プレイヤー」への意気込みや、今後の展望などを聞いた。
「演出家の圭史さんの作品はいくつも観させてもらっていますし、一緒にやらせていただけるのであれば早い時期にぜひ組んでみたいと思っていました。自分と近い世代で才能のある人ですから、圭史さんのひとつひとつの言葉を大切にしながら、吸収していきたいです。蜷川さんが亡くなってもう1 年が経ちますが、僕にとっては正確な秤を失ったような感覚で、本当に大きな出来事だった。蜷川さんには、間違ったジャッジをするほど怖いものはないという教育をずっと受けてきました。でも偏ってしまうのも良くないと思うので、色々な演出家や作家とご一緒して、もっと広い世界を見たほうがいいと思っています。今回の長塚さん、前川さんもそうですが、新しい演出家や作家の方と組ませてもらうことで自分の視野も広がりますし、どんな方向に導いてもらえるのか楽しみです。初めての現場はもちろん緊張しますが、やっぱり新鮮だし、ゼロからものを作れる楽しみのほうが大きいです」
舞台では、身を削るような難解な役を演じることも少なくない。役や台詞を自分のものにするために、稽古場で毎回どんな努力や役作りをしているのだろうか。
「10 代の頃からずっと、真面目に稽古に向き合うことを信念にやっています。基本的で当然のことですが、それだけはぶれずにやってきました。10 代の頃は若くてほかの役者さんとスタートラインのレベルが違うし、そうするしかなかったんです。それは今も変わらず、共演者に迷惑をかけないように台詞をきっちり覚えていくとか、的確かどうかは別として自分なりの解釈をもって本を読み込んで稽古に臨むとか。それ以外に特別なことはやっていません。あとは稽古場でその瞬間に生まれるものを大切にして、初日という目標に向かってみんなで作り上げていくものだと思います」
Bunkamuraシアターコクーンは、蜷川さんが演出を手がけた藤原さんのデビュー作「身毒丸」が上演された劇場であり、思い入れも強いのでは。
「猥雑というか、すごく危険なバランスの渋谷という街に、確実に演劇をやっている場所として存在している。そういうところがすごく好きで。「身毒丸」のラストで、白石加代子さんと僕が渋谷の雑踏の中に消えて行くというシーンがあるのですが、そのイメージがずっと残っているのもあって、この劇場で芝居が打てるのは嬉しいです。今回の舞台はシアターコクーンという親しみのある場所でやらせてもらえるので、また新しい気持ちで挑戦できる気がします。近くて通いやすいのも助かりますね(笑)」
最後に、俳優生活20 周年を迎えた心境と今後については。
「とにかくこれからもやり続ける、表現し続けたいです。それが僕にとってみなさんとのコミュニケーションだと思うし、芝居を続けているからこそ発信できること、言えることもあるから。とにかく立ち止まらずに、体調に気をつけてやることが大事だと思っています。20 周年と言ってもまだ35 歳ですから、もっとがんばらなきゃいけないですよね
TEXT / Yukari Tanaka PHOTO / Shinji Kubo Stylist / A rata Kobarashi(UM) HairMake / Shuji Akatsuka(Makeup room)
この記事のライター
Poco'ce
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