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ピルの使い方-上手にピルを使おう!ピルのメリットを説明します その1-

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女性として、一度は気になる「ピル」。なんだかこわーい。本当に大丈夫?体に影響ないの?と思って、なかなか試せないという人が多いようです。そんなあなたへ、今回と次回、2回にわたってピルのメリットやデメリット、使い方について薬剤師の三上彰貴子先生に教えていただきます。

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目次

家族計画とピル

結婚してもう少し夫と二人の時間を楽しみたかった、貯金を増やしたかったけど、いわゆる外だし(性交中断法、膣外射精)をしていたのに予想外に子供ができてしまった。
子供は2人と思っていたけど、3人目ができてしまった。将来の計画どうしよう…。
(冒頭から、性関連用語でごめんなさい。ヒトという生物のまじめな生殖活動に関係した医療的なお話ですので、引き続きご覧いただければと思います。)

子供は宝だと私は身をもって痛感しています。
が、一方、望まれない妊娠や出産があるという側面も事実です。
実際、日本における妊娠の1/4が妊娠中断(中絶)に至るという悲しい実態があります。そしてその中絶は、10代から20代前半、40代以降に多いというデータもあります。

私たちヒトにおいて、性交渉は子供を作るだけではなくコミュニケーションの一つとしても行われています。
避妊について考え、ピルについて良く知れば、女性の悩みが少なくなるのでは?と思いましたので、今回は少し詳しく解説してみようと思います。

ピルについて

簡単にいうと、ピルは女性ホルモンの薬です。
血中の女性ホルモンの量を妊娠しているような状態にすることで、排卵が抑えられます。
排卵しないので、精子がきても受精しないですよね(ピルには精子が入りにくくなるといった作用もありますが)。
このようにして、妊娠しない=避妊となります。

ピルのメリット

避妊のイメージが強いピルですが、ピルを使うメリットはSEXの時に相手の避妊行為に依存しなくてよくなること以外にもあります。
生理が重い・量が多いという悩みがある人は、生理がかるくなります。
排卵を抑えますので、卵巣がんのリスクが低下します。
婦人科に行く機会が増え、こまめな検診により女性関連の病気の発見が早くなります。

ピルはどうすれば使えるの?

ピルを使うには、まず婦人科(産婦人科)で相談してみてください。
可能であればホームページや電話でピルの処方をしているかどうか確認できるといいですね。
(実際、医師の中にも、ピルに否定的な人もいるようです。私の友人で、調べずに婦人科に行ったところ、「結婚しているんだったらいらないじゃないか。遊びたいのか?」と、言われたと泣いていました。
最近はそういう医師は減ったかもしれませんが、ピルの相談は緊張しますしハードルが高いですので、お話ししやすい方が良いですものね。)

婦人科に行くと、まず問診票を書いたあと、診察室に行きます(妊娠の有無をみるために尿検査をすることもあります)。
そして、子宮頸がんなどを含めた婦人科系の病気などを調べる内診をします。
内診…抵抗がある方もいらっしゃいますが、女性の膣にエコーの器具を入れて卵巣や子宮など診察したり、子宮頸がん検診と同様、細胞を綿棒のようなもので採取して異常な細胞がないかどうかなどを調べます。
その他、必要に応じて血液検査をする場合もあるようです。

問診や内診で特にピルを服用して問題ないようでしたら、ピルが処方されます。
問診で問題…!?と思うかもしれませんが、タバコを吸っている人はピルはNGです。
血栓ができるリスクが高まるので、喫煙をしている方は、禁煙してからになります。
でも、出産や育児、自身の健康、美容のことを考えると、禁煙した方が良いですね。
(禁煙についてはパッチやガムによりニコチンを補充する方法ではなく、内服薬により、ニコチンを摂取すると気持ち悪くなるようにするといった方法でもできます。それはまた別の機会に…。)

初回の受診では色々検査をしますし、ピルは保険がききませんので、初回は1万円ぐらいになります。ピル自体の代金は、2500円前後です。
自費なので医療機関が自由に価格を決めることができますが、地域の医師会や先生方でほぼ同じ金額に設定しているようです。
もし気になるようでしたら、受診前に金額などを問い合わせておくと当日びっくりしなくてもいいですね。

次回は、より詳しくピルの使い方やデメリットについてお話ししたいと思います。



この記事のライター

薬剤師

三上彰貴子

外資系製薬会社勤務後、慶應義塾大学にてMBA取得。卒業後、朝日アーサー・アンダーセン(現PWC)にて主に医療分野のコンサルティングを手がける。2005年より独立し、株式会社A.M.C代表取締役となり、製薬会社・化粧品会社関連のマーケティング、人財育成セミナーなどを行う。現在は、薬科大学博士課程にて研究も行う。その他、薬局薬剤師、登録販売者向けの講師、薬科大学非常勤講師としても活躍中。

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