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DIYで自分好みの部屋に変えてみたい、でも何から始めればいいのやら……。最近では「DIY可」の賃貸物件も少しずつ増えているなか、そんなお悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。そこで、今回はDIYで築47年の自宅を生まれ変わらせ、モデルルームのプロデュースなども手掛ける”DIYer Mari”さんこと、久米まりさんに、初心者でも簡単にできるDIYについて聞いてみました。
大きな工具が不要な“簡単DIYグッズ”も続々登場! DIYのトレンドと注意点
DIYと聞くと、重い工具や大きな材料が必要なイメージがあり、手を出しにくいという人も多いかもしれません。しかし、久米さんいわく、最近は初心者でも手軽にできるDIYグッズがたくさん登場しているとのこと。
「昔は壁紙のDIY一つとっても、『マスキングテープ』で壁を保護し、その上に『両面テープ』を付けて『ベニヤ板』を貼ってから作業する、とすごく大変だったんです。でもここ数年で、剥がせる両面テープやのりも出てきてとても簡単にできるようになりました。ホームセンターやネットで、貼って剥がせる壁紙や敷くだけの床材など賃貸物件向けのDIY商品も買えるようになっていますので、うまく活用すると賃貸に住んでいる人でも簡単にチャレンジできますよ」(久米さん、以下同)
最近のホームセンターでは、工具を貸し出してくれたり、その場で作業ができたりするスペースを設けているところも多いそうです。これなら誰でも簡単にDIYを楽しめそうですが、賃貸物件には『原状回復義務』が課せられている所も多いので、トラブルを避けるためにも、事前にDIY可の物件かどうかを確認しておきましょう。
初心者はまず「壁」や「床」など“大きい面積”を変えてみよう以上の注意を守って、いざDIYスタート! ……でも、どこから手を付けたらいいのでしょう?
「初心者の人は、まずは広い面積、例えば壁や床を変えるのがおすすめです。最近は剥がせるのりで直接貼れる壁紙や、畳の上にそのままおいて使えるフローリング材なども数多く登場しています。大きな面積が変わると部屋の雰囲気もガラッと変えられるし、DIYへのモチベーションも高まりますよ」
なお、「いきなり壁紙の色を変えるのは勇気がいる」という人には、手持ちの雑貨や家具を使ってリメイクしてみるのもいいそうです。
「例えば、テーブルの天板だけ変えてみるのはどうでしょう。輸入壁紙にはかわいいデザインのものがたくさんあるので、それを貼ったら全くイメージが変わりますよ。壁紙を貼った後に撥水性のあるニスを塗ることで、水拭きもできます」
さらに、お風呂や台所のDIYで人気の“タイル貼り”の前段階として、コースターや鍋敷きに挑戦してみるのもおすすめだといいます。
「鍋敷き、もしくはコースターサイズの木材に接着剤を付けて、タイルを貼って、目地埋め材を練って隙間を埋める。そうすると、小さくてもかなり“やった感”があって、達成感が出ます。壁にタイルを貼りたい人も多いと思いますが少し難しいので、小さなもので練習して、自信を付けてから壁にステップアップしてみるのもいいかもしれないですね」
憧れのアイランドキッチンも自作できる! 中上級者におすすめのDIYDIYに慣れてきたら、少し大掛かりな家具やインテリアにも挑戦してみたい……と思う方もいるはず。そこで、久米さんに中・上級者におすすめのDIYインテリアを教えてもらいました。
《材料》
・高さ60cmほどの木板 2枚
1.それぞれ板の真ん中あたりに、板の厚さ+2、3mmの幅(1cmの厚さがあれば、1.2~1.3mm)の直線を、板幅の半分くらいまで引く。
2.糸のこぎり、電動のこぎりなどで切り込みを入れる
3.切り込みを入れた部分を組み合わせると、“X型”のマガジンラックが完成
「簡単だけど、すごくオリジナリティがあるマガジンラックができます。マガジンラックが大きいと引っ越しの時に大変ですが、これならすぐ持ち運べるのもいいところ。2の作業は板を買った際に、ついでにホームセンターの工具を借りてやってしまうとゴミも出なくて便利です」
《材料》
・木製のパレット(荷物を運ぶときの荷役台) 適量
1.ベッドのマットレスの大きさに合わせて、パレットを好みの高さに積む
2.上にマットレスを置けば出来上がり
「置くだけで出来るのでお勧めです。パレットの間に照明をいれるとリゾート風に、壁に立てかけるとヘッドボードになるなど、色々工夫しても面白いかもしれません」
《材料》
・市販のカラーボックス 適量
・テーブル天板 1枚
1.カラーボックスを並べる
2.その上に天板を載せ、ビスなどで固定する
3.お好みでニス、ペンキなどを塗る
「憧れのアイランドキッチンも、市販のカラーボックスなどを使って簡単につくることができます。天板にはテーブルのDIY同様、壁紙+ニスでもいいし、タイルを貼ってもいいと思います」
中・上級とはいうものの、どれも少ない材料で手軽にできるものばかり。久米さんいわく、こうした手軽なものを「細く長く」続けていくことが、DIYを楽しんで、続けるコツだそうです。
「あんまり難しいものに手を出してしまうと、『買ったほうが早いやん!』と嫌になってしまいがち。だから、簡単で時間もわずかしかかからないものから、細く長く続けていくといいと思います。『春になったらあの壁紙変えてみたいな……』とか、目標を季節ごとに頭の中に描いていたら、楽しみもできるし、日常的にDIYに取り組めると思います」
なお、つくった家具やリフォームした部分の“メンテナンス”も重要になるといいます
「マスキングテープや“剥がせる”と銘打っている接着剤なども、経年劣化してしまい、はがれなくなってしまったり、跡が残ったりする可能性もありますし、カビが生えることもあるかもしれない。ですから、模様替えの意味も込めて、何年かに1回は剥がしてメンテナンスをすると、後々困らないと思います」
話を聞いていると、意外と手軽に挑戦できそうなDIY。「家族や友人を巻き込んでいくと、コミュニケーションが生まれて絆も深まりますよ」と久米さん。DIYを始めたいと考えている人は、今週末、家族や友人たちと一緒にホームセンターに出かけてみてはいかがでしょうか?
●取材協力この記事のライター
SUUMO
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『SUUMOジャーナル』は、魅力的な街、進化する住宅、多様化する暮らし方、生活の創意工夫、ほしい暮らしを手に入れた人々の話、それらを実現するためのノウハウ・お金の最新事情など。住まいと暮らしの“いま”と“これから= 未来にある普通のもの”の情報をぎっしり詰め込んで、皆さんにひとつでも多くの、選択肢をお伝えしたいと思っています。
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