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薬剤師の三上彰貴子です。デリケートゾーンのかゆみ、臭いの相談を受けることがあります。生理用品で蒸れることもあるかと思いますが、日焼けやアルコール、遊び過ぎ、寝不足などによる免疫低下や、プール、公衆浴場やエッチなどで雑菌が入って感染症が起こることも。今回は、デリケートゾーンのケアについてご紹介します。
デリケートゾーンのかゆみの原因はいくつかありますが、生理用品などでかぶれた、免疫力が低下して膣(ちつ)の雑菌やカンジダなどカビの菌が増えた、または性行為による感染症などが考えられます。
生理用品などでデリケートゾーンがむれたり、こすれてかぶれることがあります。軽い症状であれば、清潔にしておくことで治ることもありますが、かゆみがかなりある、かぶれが少し酷くて痛いという場合には、デリケートゾーン用のお薬で対応するのが良いでしょう。
ただ、患部が広かったり、痛みが酷い、薬を塗って5日ぐらい経っても治らない、悪化するといった症状があるようでしたら直ぐに婦人科を受診してくださいね。
生理用品は蒸れないように工夫されているものもありますが、どうしても蒸し暑かったり、運動で汗をかいたりして、むれてかぶれてしまうこともあります。それが原因でデリケートゾーンがかゆくなることもありますが、かいてしまうと、さらにヒリヒリしたり、患部に雑菌が入って悪化することも。患部を清潔にしたり薬を塗ったりして、なるべくかかないようにしてくださいね。
シャワーを浴びるなど、一度むれた状態をきれいにできればいいのですが、難しいようであれば、ウエットティッシュなど身体をふけるようなものか、ティッシュかペーパータオルを濡らして拭いて清潔にしてもいいですね。ただ、消毒や殺菌成分としてアルコールが入っているウエットティッシュはとてもしみたりしますので、避けてくださいね。
また、薬を塗るのも効果的です。市販薬には、以下のようなものがあります。
・フェミニーナ軟膏、ジェル、ミスト(小林製薬)
かゆみを抑えたり、雑菌を抑える成分が入っています。ヒリヒリとした痛みがひどい場合には、軟膏かジェルをおすすめします。リドカインという局所麻酔成分が入っています。
・メンソレータム フレディ クリーム、クールジェル(ロート製薬)
こちらも、かゆみを抑えたり局所麻酔薬が入っています。クールジェルタイプにはメントールが入っていますので、スーッとした感じがします。
疲れていたり、抗生物質を飲んだり、性行為などで、膣カンジダになることがあります。これもかぶれのように陰部が痛いようなかゆいような、ひりひりするような状態になります。また、おりものも以下のような状態になります。
・強いにおいがある(いつもと違う)
・量が多い
・白いツブツブしたおりものが出る、または性器についている
・色が黄色、緑、灰色、茶色っぽい、または、泡立った感じである
このような症状であれば、早めに婦人科を受診しましょう。膣の中に薬を入れたり(膣錠)、塗り薬などで対応すると3~5日ぐらいで症状が治まってきます。
一度、病院で医師からカンジダと診断されて治療したことがあり、同じような症状で再発したのであれば市販薬が使えます。(あくまでも、再発治療薬ですのでカンジダのような症状でも初めてであれば、一度受診してください。カンジダではない可能性もあります。)
市販薬ですが、全て第一類医薬品という薬剤師から説明を受けて購入する薬です。ドラッグストアによっては薬剤師がいなかったり、いる時間が限られていたりしますので電話で確認してから行くと良いですね。
・メディトリート 膣坐剤(ちつざざい)、クリーム(大正製薬)
膣坐剤という坐薬(ざやく:お尻の穴に入れる薬)に似ている形で、中に入りやすくなっています。このサイトにある膣カンジダチェック表を使ってセルフチェックもできます。
・フェミニーナ膣錠(小林製薬)
フェミニーナブランドの膣カンジダの薬で、膣の中に入れます。
・メンソレータム フレディCC クリーム、膣錠、膣錠A(ロート製薬)
膣錠は膣に入れる薬なのですが、指でなかなか入れられない場合には、アプリケーターがついて入れやすい膣錠Aがおすすめです。
膣錠で中から、クリームを陰部にと、併用するのもいいかと思います。
ただ、3日ぐらい使用して改善しない、膣剤を使いきっても改善しないようでしたら、面倒でも一度受診してくださいね。ご自身の大事な身体ですので。
なお、カンジダは男性器や口にもうつることがあります。自分がカンジダのような症状であれば、早めに病院や市販薬を使って治るまでSEXは避けるようにしてくださいね。
男性にうつった場合には、性器が同様にひりひりしたり薄い皮がむけてくるような状態になることもあります。男性の場合には早めに泌尿器科を受診して塗り薬などで対応してください。
口の場合には、舌が白くなったり、白いカッテージチーズのような状態になったりします。放置せずに病院に行きましょう。
デリケートゾーンのかゆみ、臭い、ヒリヒリは、恥ずかしくてなかなか言えなかったり、我慢してしまうこともあるかと思います。軽かったり、膣カンジダの再発でしたら市販薬で治せる可能性もありますので、一度薬局で薬剤師さんに相談してみてくださいね。
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この記事のライター
薬剤師
三上彰貴子
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外資系製薬会社勤務後、慶應義塾大学にてMBA取得。卒業後、朝日アーサー・アンダーセン(現PWC)にて主に医療分野のコンサルティングを手がける。2005年より独立し、株式会社A.M.C代表取締役となり、製薬会社・化粧品会社関連のマーケティング、人財育成セミナーなどを行う。現在は、薬科大学博士課程にて研究も行う。その他、薬局薬剤師、登録販売者向けの講師、薬科大学非常勤講師としても活躍中。
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