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実りの秋の到来です。山からは栗やきのこ。田畑には稲穂が輝き収穫期を迎えます。海からは秋刀魚の便りが。秋を彩る豊かな食材をごはんと一緒に炊き込むだけで食卓は一気に秋色へ。土鍋で炊けばおもてなし仕様に、炊飯器でお手軽に、行楽弁当にも。美味しく作るポイントを含めて紹介させていただきます。
秋の食材を一緒に炊き込むおこわ。下準備をしたら炊くだけで、ごちそうメニューになります。
ポイントは「具材に下味をしっかりとつけること」。ごはんを炊く際に加える調味料では具材に味が染み込みません。ひと手間をかけて味にメリハリをつけましょう。
具材を大きく切って存在感をしっかりと出せば食卓の主役の完成です。
もち米 1合
米 1合
干椎茸 2枚
出し汁+干椎茸の戻し汁 350ml
A(酒 大さじ1・みりん 大さじ1/2・醤油 小さじ2)
鶏もも肉 120g
しめじ 60g
栗 7個
B(醤油 小さじ1.5・みりん 小さじ1.5)
すだちの皮 適量
① 干椎茸は、ひたひたの水に3時間以上漬けて戻し、薄切りにする。戻し汁は出し汁に合わせて計量する。鶏もも肉は3㎝角に切る。シメジは3㎝の長さに切り、手でほぐす。もち米・米は合わせて研ぎ、1時間出し汁につける。栗は熱湯に30分以上つけてから包丁で皮をむき半分に切る。塩水につけておく。
② テフロンフライパンを熱し、油を敷かずに鶏もも肉を皮目を下にして中火で焼く。皮目が濃い茶色になってきたら表裏を返し、しめじを加えてさらに炒める。干椎茸・栗を加え、Bを加え水分がなくなるまで混ぜながら加熱する。
③ 土鍋(炊飯器でもよい)に出汁と米、Aの調味料、②の具材を入れてひと混ぜし、普通に炊く。仕上げにすだちの皮を削りかける。
今回は土鍋で炊いてそのまま食卓に。炊飯器でも美味しく炊けますよ。時間がたっても美味しいので行楽弁当にもOK。
魚の炊き込みご飯のポイントは「魚に下味を付けて香ばしく焼いてから米と一緒に炊き込むこと」。鯛や甘鯛でもできます。初めに焼くことで生臭さはなくなり香ばしい香りがご飯に移ります。丸ごと炊くことでふっくらした魚の身の美味しさが感じられます。普段の食卓はもちろん、お酒を飲んだ後にお出ししても喜ばれる一品です。
米 2合
出し汁 390cc
A(酒 大さじ1/2・薄口しょうゆ 大さじ1/2・しょうゆ 小さじ1・塩 小さじ1/5・生姜の千切り 10g)
秋刀魚 2尾
B(みりん・薄口しょうゆ 各小さじ2)
たくあん・柴漬けなど食感のよい漬物 50g(5mm角に切る)
仕上げ用
三つ葉 4本(2センチ幅にカット)
① 秋刀魚は、うろこ、内臓を取り除き、Bの調味料につけ20分~30分置いて下味を付ける。 魚焼きグリルで両面香ばしくなるまで焼く。(中心部は完全に火が通ってなくてもよい)
② 米を研ぎ、ザルにあげて水けを切り、鍋(炊飯器)に出し汁と共に入れ、30分置いておく。Aと生姜を入れてひと混ぜし、①の秋刀魚をのせる。鍋の場合、蓋をして沸騰するまで強火→弱火17分~18分→表面の水分がなくなったら10秒強火。→火を消し蓋をしたまま10分蒸らす。
炊飯器の場合はそのままスイッチオンです。秋刀魚をほぐし、骨を外して漬物と共にごはんに混ぜる。茶碗に盛り、三つ葉を散らして食卓へ。
炊いた後の骨をほぐす際、バットに移し頭と上身をはずして中骨をまとめてはずすと簡単です。お鍋で炊いた場合はまずは姿を見ていただいて、それからほぐすと食べる方も期待が高まりより美味しくいただけます。
甘辛風味に仕上げたおこわはお子様からお酒の席まで大人気。「秋刀魚のかば焼き」はそれだけでもごはんの進む一品です。そのかば焼きをおこわに!甘辛のタレをおこわにも加えて親しみやすい味に仕上げました。ポイントは「仕上げにかば焼きをごはんにのせて蒸すこと」。ふっくらと仕上がり一体感が出て美味しくなりますよ。
① 秋刀魚は1枚を3つに切る。
② フライパンに油を熱し、①の皮目を香ばしく焼いたら裏返し、すぐにAの調味料を加えて煮立てる。とろみがつき始めたら火を止め、煮汁を50ccとっておく。
③ もち米、昆布だし、②の煮汁を鍋(炊飯器)に入れ、蓋をして中火で加熱し、沸いたら弱火に落とし、15分加熱する。
④ ②の秋刀魚と山椒の佃煮を炊きあがった③にのせ10分以上蒸らす。
⑤ ラップを使い、球状に整えて盛り付ける。好みで大葉の千切りを添える。
今回は球状に仕上げましたが茶碗やお弁当箱にそのまま盛り付けても美味しいです。かば焼きは大目に作って、翌日はそのまま白いご飯と食べたり、パスタや茶碗蒸しの具材にしても美味しいですよ。鯵やイワシ、穴子でも美味しく作れます。
3つの炊き込みご飯を紹介させていただきました。下味にひと手間かけるのは共通。あとは炊くだけで食卓の主役になる秋色ごはんばかりです。季節の食材は身体も心も喜び会話も進みます。料理研究家の日々の食卓よりお届けしました。お試しいただけましたらうれしいです。
この記事のライター
Citronヨーコ
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料理研究家Citronヨーコ。神奈川県横浜市たまプラーザで料理教室PetitCitronを主宰。フランス料理・和食・イタリアン・豆腐料理をベースにした家庭料理が専門です。四季をいかした梅干・ラッキョウなどの保存食つくりも年間を通して大切にしています。世界・日本各地の生産地を廻って美味しいものを求め歩くのもライフワーク。シェフを呼んでのレッスンや年に数回、レストランでの食事会も主宰しています。フランス2つ星レストラン研修・豆腐マイスター協会理事。
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