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冬になると口の周りが荒れる!という方はいませんか?口の周りの皮膚は顔の中でもとても薄くて敏感なことから荒れやすくなります。体調不良が原因でなることも。日常の洗顔方法や産毛の処理などで負担をかけていないか確認しましょう。また、唇はもっと乾燥しやすいので、油分の入ったリップクリームやワセリンを塗り、なめないようにしましょう。
こんにちは。薬剤師の遠藤さちこです。
冬になると口の周りが荒れる…乾燥してファンデーションがのらない…なんていう経験がある方もいるのではないでしょうか。特に乾燥しがちな冬は、乾燥だけでなくぶつぶつや湿疹、かゆみ、赤みなど、口の周りの荒れが起きやすい状況にあります。
でもなぜ口の周りだけ?と不思議に思いませんか?それは、様々な原因が絡んでいることが考えられます。
なぜ口の周りが荒れるの?日常の生活でできる改善方法ってあるの?などの疑問に対して、簡単にお答えしたいと思います。
ご存知のように、全身の皮膚はつながっていますが、場所によって厚さが異なります。例えば、“皮膚の厚いところ”というと、どこを思い出しますか?
「足の裏!」と思いつく方が多いかもしれません。そう、正解です!足の裏が体の中で最も皮膚が厚い場所なのです。その足の裏の皮膚は1.5mm程度あると言われています。
一方、塗り薬などで「目の周りや口の周りは塗らないでください」という注意書きを見たことはありませんか?それは、目の周りや口の周りの皮膚が他の部分より薄く、敏感であることが理由です。目の周りや口の周りは0.6mm程度と言われており、顔の中でも最も皮膚が薄い場所なのです。
では、皮膚が薄いとどのようなことが起きるのでしょうか。
皮膚は外側から、「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層の構造になっています。皮膚の役目というのはいろいろあって、外からの菌の侵入を防いでバリアしたり、汗をかいて体温を調節するなどの機能をはたしています。これを皮膚のバリア機能と言います。
そのさまざまある機能のうちの一つとして、皮膚にある程度の水分を保つことで乾燥を防ぐことも行っているのですが、皮膚が薄い場所は、その水分量が少ないことから、バリア機能が弱く、環境によって荒れやすい傾向があります。
また、目の周りや口の周りは、汗を出す“汗腺”も少ないことからも、さらに乾燥がしやすい、また荒れやすい場所なのです。
しかも、女性は年をとるにつれ、皮膚が薄くなる傾向があります。理由にはさまざまな説がありますが、ホルモンの変化によるコラーゲンの減少が関連していると言われています。これらは、目の周りや口の周りだけでなく、皮膚全体に言えることですので、michill読者には「そういえば最近、口の周りの荒れが気になってきたかも…」という方もいるかもしれません。
また、胃腸の不調がある場合、口の周りに症状が出やすいと言われています。食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎなどはありませんか?荒れて乾燥するとしわの原因にもなりますので、注意したいところですね。
そんな口の周りの皮膚を荒れないようにするためには、とにかく“保湿”と“刺激の軽減”、“睡眠不足やストレスの軽減”です。
生活において、口の周りの皮膚に対する刺激には、主に以下のようなものがあり、少しでも皮膚への負担を軽減する必要があります。
・日焼け
・メイクや洗顔
・産毛剃り
・冷房や暖房などによる乾燥
まず、メイクや日焼け止めは紫外線を防ぐためにもある程度必要です。紫外線は少量でも長く浴び続けると光老化(ひかりろうか)というシミやしわを引き起こします。
その一方で、メイクを落とす時に不用意に洗顔で顔の油分を取りすぎていませんか?また、洗顔後の洗い流しについても、熱いお湯だと顔の油分を取りすぎてしまい、負担になることがあります。十分に水かぬるま湯で洗い流すようにしましょう。
私自身の経験ですが、界面活性剤(いわゆる泡立って顔の油分を取り除く成分)が入っていない洗顔料に変更したことによって、顔の乾燥が和らいだ経験があります。
洗い終わったあとには、水分を拭き取る際ごしごしこすらず、柔らかいタオルで水分をおさえるようにして拭くと、物理的な刺激が抑えられ、皮膚への負担が軽減されます。
洗顔料や洗い流す際のお湯の温度、タオルの柔らかさや拭き方など、細かなことですが、1日のうちで必ず1度以上は行うことです。これらを改善することで、口の周りの薄い皮膚への負担が軽減され、乾燥や荒れを防ぐことができます。
また、ひげ…おっと失礼、産毛の処理ですが、こちらもできるだけ皮膚に負担のない方法を選びましょう。毛の生える方向に沿って刃を動かす、剃る前にジェルや泡をつける、剃った後にはすぐに化粧水や保湿剤を塗るなどの工夫を行うことで多少は負担を軽減できます。
そして、保湿は、化粧水とクリーム(または乳液)をこの順に重ねてつけましょう。水分を十分含ませて、油分の入ったクリームや乳液でふたをするようなイメージです。
どうしても乾燥がひどい時は、マスクをすることでも悪化を防ぐことができます。保湿してからマスクをつけるとより効果的です。
睡眠不足やストレス、皮膚の水分や油分コントロールにも影響を及ぼします。これらは肌の荒れだけでなく、様々な体のコントロールに影響するので、まずもって改善することをオススメします。
荒れやかゆみ、赤みがひどい場合は、かゆみ止めやステロイド剤などの塗り薬が症状をおさえるのに効果的です。薬局やドラッグストアの薬剤師や登録販売者に相談してみましょう。
口の周りが荒れる場合、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)をサポートしてくれるビタミンやミネラルが不足していることも考えられます。
特にビタミンB2は皮脂の分泌をコントロールして肌を健康に保つ役割を担います。ビタミンB2は尿が黄色くなることがありますが、服用したあとであれば心配する必要はないでしょう。
また、ビタミンCもコラーゲンの生成を助け、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。医薬品のビタミン剤でもいいですし、マルチビタミンのようなサプリメントやドリンク剤でもいいと思います。
口の周りの皮膚よりも薄いのが、唇です。(実は唇は消化器系という分類に入るため、皮膚には入らないのです。)
乾燥して荒れた唇をぺろぺろとなめていたら真っ赤になった!なんて経験のある方もいるのではないでしょうか。
唇はとにかく摩擦と乾燥に弱いので、ぺろぺろなめると唾液がついてそれが乾燥する、という繰り返しだけで赤くなったり、皮がむけてしまうのです。
口の周りの皮膚よりも、さらに油分の入ったケアが必要ですので、刺激の少ないリップクリーム、もしくはワセリン(薬局で格安で購入できます)をこまめにつけることをオススメします。そして、あまりなめないようにしましょう。
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この記事のライター
薬剤師、MOT(技術経営修士)
遠藤さちこ
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薬剤師、MOT(技術経営修士)薬局、製薬会社、流通会社等で医薬品やヘルスケアサービスに携わる。コンビニエンスストアと薬局の併設店舗の企画業務等も経験。さまざまな立場で医療や健康を見つめ、幅広い情報収集活動と情報発信を行っている。
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