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一人でいると、ついご飯を食べすぎてしまうことってありませんか?もしかしたら気持ちが体重の増減に影響しているのかもしれません。“気持ちと太ることの関係”について研究された論文がありますのでご紹介します。
こんにちは。薬剤師の遠藤さちこです。
みなさんは、家でご飯を食べることが多いですか?
それとも外で食べることが多いでしょうか。ちなみに、私はここ3年ほど、基本的に食事を作らないと決めています。作れないというわけではないのです!(いちおう、言っておきたい)
旦那さんも夜遅いことが多く、なかなか都合がつかないため、基本はそれぞれで友人などと食べ、旦那さんと時間が合う時は外で食べます。「今日はつくるぞ!」と思ったら、食材をその分だけ買ってくる、ということにしています。
ここまで極端な人は少ないとは思いますし、勇気が必要ですが、思い切ってやってみてよかったと思っています。
食材のコントロールをしないで済む、相手が早く帰ってこないことにイライラしないということは、非常にストレスフリーです。
最近では、様々な「食」に関する研究がおこなわれているようです。我が家のスタイルもその一例かもしれませんが、「食」は時代を反映する鏡であるとも考えられています。
例えば、どこでどうやって食べるか、という分類に目を向けてみると、レストランなどで食べる外食、家で作って食べる内食(ないしょく)に加え、その中間でお総菜や弁当を買って帰って食べる中食(なかしょく)産業が注目されて数年がたちます。
働く女性が増えてきたからかもしれませんね。
さて、みなさんは、ひとりでご飯を食べる時と、誰かとご飯を食べる時で、“その後のお腹の空き方”に違いがあると思ったことはありますか?
食事は誰かと食べるほうが美味しいけど、ついつい食べ過ぎちゃう!…なんて思っている方もいるでしょうか。
食事と体重の増減は切っても切れない関係です。それに加えて“気持ち”というのも、実は体重の増減に影響しているかも!?“気持ちと太ることの関係”について研究された論文がありますので、ご紹介します。
Jaremka LM, et al.“Loneliness predicts postprandial ghrelin and hunger in women.”
Hormones and behavior. 2015 Apr;70;57-63. doi: 10.1016/j.yhbeh.2015.01.011.
「孤独を感じる女性は、食後に食欲を増すホルモンが増え、お腹が空きやすい」
すっごく簡単に言いかえると「ひとりでご飯を食べると太る」ということでしょうか。
ひとり暮らしや独身の方には聞き捨てならない情報です!
この研究結果についてもう少し詳しく解説します。
これはアメリカで行われた研究ですが、女性42名を対象として、高脂肪食等を摂取し、その食事の2時間後、7時間後にグレリンという食欲を増すホルモンを計測しました。
また、食事の2時間後、4時間後、7時間後に空腹感を感じるかどうかを質問しました。
孤独を感じるかどうかは、孤独感スケールというとある大学の一般的なアンケートを用いたとされており、はじめから孤独な人を分けて実験をおこなったわけではないようです。
結果は、孤独を感じる人ほど、食後のグレリンの値が高かったとされました。また、孤独を感じる人ほど、食後の空腹感の感じ方が強いとされました。
孤独感は食後の食欲を増し、空腹感を感じさせるという結果です!
ただし、今回の結果は、やせている(BMI値が低い)女性にのみ当てはまったとされており、太っている(BMI値が高い)女性には当てはまらなかったとされています。
太っている女性は、寂しいか寂しくないかなんて、食事の満足感や空腹の感じやすさに関係ないということでしょうか。食事が美味しければいいのかしら。これはこれで面白い結果ですね(笑)。
この研究結果から言えることは、孤独感を感じているやせ型の女性は、ホルモンの観点からも、空腹を感じるという実感の点からも、過食や肥満に注意が必要ということです。
寂しさと言うのは、ただ単に気持ちだけの問題なのではなく、将来の肥満にもつながる可能性があるなんて、恐ろしいですね!
今回ご紹介した論文は、体重コントロールと気持ちは関係している可能性があるという結果でした。
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この記事のライター
薬剤師、MOT(技術経営修士)
遠藤さちこ
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薬剤師、MOT(技術経営修士)薬局、製薬会社、流通会社等で医薬品やヘルスケアサービスに携わる。コンビニエンスストアと薬局の併設店舗の企画業務等も経験。さまざまな立場で医療や健康を見つめ、幅広い情報収集活動と情報発信を行っている。
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