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春の食材が美味しい季節になりました。フキも春を代表する山菜。ほろ苦く香り高いフキを食べると春の訪れを感じますね。料理家Citronヨーコがお届けするお料理連載。今回はフキの葉と茎の下処理~調理法をご紹介します。大きなフキも一度に下処理してしまえば様々なお料理に。あっという間に食べきってしまいますよ。
フキは日本原産の山菜。今でも庭先に生えているのを見かけます。紹介するのは市場に出回っている栽培もののフキです。長さが60cm以上あって葉が30cmほど大きいもの。
鮮度が良いものが香り高く瑞々しくて美味しいです。葉に張りがあり色が鮮やかなものを選びましょう。
フキを洗い、葉と茎に分ける。さらに茎の長さを3等分に切る。塩小さじ1を茎にふりかけ、両手を上にのせ、前後に動かして板摺りをする。約1分続け塩がなじみ、茎からじんわりと水分が出てきたらよい。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩が付いたままのフキを入れ、3分茹で冷水に放つ。全面に薄い筋のある皮があるのでナイフできっかけを作り、引いて皮をむく。薄い茶色がなくなるまでむき、水に漬ける。この状態を“フキの水煮”という。
タッパーなどに入れ水を毎日かえれば4日冷蔵保存可能。そのまま鰹節と醤油をかければおひたしに。和え物やサラダにも。この後紹介する煮物にするのも水煮にしたものを使う。
同じ湯に塩小さじ1を加え、フキの葉を入れ約1分茹で冷水に放つ。何度か水を替える。この後紹介する佃煮・フキの葉寿司もこの下茹でをしてから始める。水につけたまま冷蔵保存2日。
旨みたっぷりのおふくろの味。爽やかなフキに豚肉と油揚げのコクと旨みを足しました。フキは味の染み込みが良いので一緒に煮るもので味わいが変わります。滋味深い家庭ならではの味わいです。
フキ(水煮にしたもの 上記参照) 200g
豚バラスライス 100g
油揚げ 2枚
人参 8cm
A出し汁(昆布・鰹) 400ml
A薄口醤油 大さじ1
A味醂 小さじ2
A醤油 小さじ1
A砂糖 小さじ1
① 鍋に湯を沸かし油揚げを入れ、1分下茹でする。ザルに上げて冷まし、軽く絞って縦半分横4等分に切る。豚バラスライスは4cmの長さに切る。人参は1cmの厚さの輪切りにし、好みで花型に抜く。下茹でしたフキは4cmの長さに切る。
② 鍋に人参とAを入れて中火で沸騰させる。豚肉・フキ・油揚げを加え、中火で煮る。沸騰したら灰汁をとり、落し蓋をして15分煮る。時間があればそのまま冷ましておく。(鍋置きと言い、冷めるときに味が染み込む効果を狙います)
好みで三つ葉を添える。
湯葉で奉書巻きにしたフキは上品な見た目と味わい。おもてなしにもぴったりです。色よく仕上げるため、煮る時間を短くしているので一度しっかり冷まして味を染み込ませるのがポイントです。
フキ(水煮にしたもの 上記参照) 10本
乾燥 板湯葉 2枚
三つ葉 8本
A出し汁(昆布・鰹) 400ml
A薄口醤油 大さじ1
A味醂 小さじ2
A醤油 小さじ1
A砂糖 小さじ1
① ぬるま湯に板湯葉を漬け、柔らかくなるまで1~2分置いて戻す。鍋に湯を沸かし三つ葉をさっとゆで冷水に放つ。(フキを下茹でする湯でよい)
② 板湯葉にフキ5本をのせ、湯葉で巻く。4等分の長さに切り真ん中に三つ葉を2周巻いて結ぶ。
③ 鍋にAを沸かし、②を入れて中火で4分煮る。鍋ごと冷水に漬けて冷ます。(急冷すると色が鮮やかに仕上がります)
ごはんにのせたり、肉や魚料理の付け合わせにしたり。あっという間に食べてしまう人気者です。
フキの葉(下茹でしたもの 上記参照) 1パック分
白ゴマ油 小さじ2
砂糖 大さじ1~
醤油 大さじ1~
① フキの葉は縦横から2cmに切る。フライパンに油を熱し、フキの葉を入れ中火で炒める。油が全体に回ったら砂糖・醤油を加えヘラで動かしながら全体に味を入れていく。味を見て必要であれば砂糖・醤油で味を整える。
② 空気に触れないよう密着ラップで冷蔵保存10日。
春らしい見た目がなんとも愛らしい1品。お花見弁当にもぴったりです。噛みしめると春の香りが口いっぱいに広がります。今回は酢飯を巻きましたが普通のごはんでも美味しいです。
フキの葉 2~4枚
A出し汁 80ml
Aしろたまり(白醤油) 大さじ1
Aみりん 小さじ1
A塩 ひとつまみ
※酢飯 160g
桜の塩漬け 8個
白ゴマ 適量
塩 適量
① 米2合、水400ml、昆布5cmを炊く。
② 寿司酢(米酢90ml)、砂糖大さじ2、塩小さじ1/3を熱して冷ます。
③ 炊きあがった米に寿司酢を合わせる。ここから必要量とる。残った分は冷凍保存可能。
① 小鍋にAを沸かし、フキの葉を入れて4分煮る。煮汁ごと急冷する。桜の塩漬けは水に5分漬けて戻す。
② 酢飯に白ゴマを混ぜる。フキの葉は1枚を15cmくらいになるように2~3個に切る。
③ フキの葉に俵型に握った酢飯をのせて包む。巻き終わりを下にし上に桜の花をのせ盛り付ける。
フキを使った春のお料理で春を満喫してくださいね。料理家Citronヨーコの日々の料理が皆様の食卓の、お役に立てましたら嬉しく思います。
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この記事のライター
Citronヨーコ
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料理研究家Citronヨーコ。神奈川県横浜市たまプラーザで料理教室PetitCitronを主宰。フランス料理・和食・イタリアン・豆腐料理をベースにした家庭料理が専門です。四季をいかした梅干・ラッキョウなどの保存食つくりも年間を通して大切にしています。世界・日本各地の生産地を廻って美味しいものを求め歩くのもライフワーク。シェフを呼んでのレッスンや年に数回、レストランでの食事会も主宰しています。フランス2つ星レストラン研修・豆腐マイスター協会理事。
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